世界の流れを変え行く聖闘士達
「・・・俺、さ・・・目が覚めた時、怖くなったんだ・・・あの超振動が暴走した時、俺にあんな力があるのかって・・・」
「・・・ですがもうあのような事にはなりません。謡将とはもう距離を離させていただいています。これよりはルーク様に危害を及ぼすような真似はさせません」
「違う・・・確かに謡将に操られてたのも怖かった・・・だけどもっと怖かったのは、カノン達を殺してしまうんじゃないかって思ったことなんだ・・・!」
「・・・っ!」
そのままにルークは暗く自分の気持ちを語りカノンは優しく励ますように言葉をかけるが、首を振り頭を抱え泣き出しそうな声を上げるその姿にたまらず息を呑んだ。
「体が勝手に動いて、あんな力を使うように動かされて・・・それがすごい力なんだって理屈抜きに分かって、怖かったんだ・・・カノン達を殺してしまうって思うと・・・!」
「・・・ですが私達は今もこうして生きています」
「うん・・・うん・・・もう、いいんだ・・・カノンが嘘をついてたとか、もうそんなことどうでもいい・・・カノン達が生きてくれてる・・・もう俺は、それだけで・・・!」
「ルーク様・・・」
・・・目が覚めて一人で悩み苦しんでいたのだろう、自分の意思を蔑ろにされた上で力を使わされた時の事に。
徐々に感情が高まっていきポロポロと涙を溢れ出させながら声を大きくしていくルークに、カノンはそっと近付き・・・その身を手で包み込むように抱き、引き寄せる。
「・・・この通り、私は生きています。ですがまだその事に安心出来ないと言うのでしたら安心出来るまで気持ちを落ち着かせてください」
「うぐっ・・・うんっ・・・!」
そして慈愛の笑みを浮かべながら柔らかく安心感を得られるような声をカノンが向ければ、必死に泣くのをこらえながら頷く声がなんとかルークから聞こえてきた。そのままカノンは背に回した手をゆっくりさするように撫でていく・・・労るよう、慈しむようにただ優しく・・・
・・・それで数分後、落ち着きを取り戻したルークはカノンから身を離していた。
「・・・悪い、カノン」
「いえ、気にされないでください。落ち着かれたなら幸いです」
「あぁ・・・」
気まずげに頭を下げるルークだが微笑を浮かべるカノンにバツが悪そうに声を上げる。まだやはりスッキリとはしきれはしないのだろう。
「・・・な、なぁカノン・・・記憶の事とかに嘘をついてた、とか言ってたよな?」
「・・・はい、それは確かです」
「じゃ、じゃああの黄金の鎧の事とかも併せて話してくれよ・・・カノンもそのつもりで俺に話をしたんだろうし・・・」
「えぇ、わかりました・・・少々話が長くなりますがよろしいですか?」
「あぁ、大丈夫だ」
そんな気分を何とか誤魔化そうとするよう先程切り出した事について問い掛けるが、事実を告げる覚悟を既に持っていた為にカノンはすんなり頷き注意を先に述べる。ルークはそれに頷き、先を聞こうとする。
・・・が、話題転換のつもりで聞いたルークは話を聞いていく内に言葉を失っていった。カノンは元々オールドラントではなく地球という場所で生まれ育っていたこと、そこでアテナという神に仕える聖闘士としての修行を重ねていたが度重なる悪事により双子の兄であるサガに幽閉されたこと、その幽閉先からアテナとは別の神であるポセイドンの統治する海の中にある神殿に行き海闘士となってポセイドンを傀儡とし地上を征服しようとしていたこと、そんな計画をポセイドンの神殿に来た聖闘士により打ち砕かれアテナの御心に触れ改心したこと、そして最後には神話の時代から争っていたハーデスという神との戦いの中でラダマンティスという敵と戦い共に自爆したという・・・あまりにもとてつもなく波乱に満ちていた話を聞き・・・
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「・・・ですがもうあのような事にはなりません。謡将とはもう距離を離させていただいています。これよりはルーク様に危害を及ぼすような真似はさせません」
「違う・・・確かに謡将に操られてたのも怖かった・・・だけどもっと怖かったのは、カノン達を殺してしまうんじゃないかって思ったことなんだ・・・!」
「・・・っ!」
そのままにルークは暗く自分の気持ちを語りカノンは優しく励ますように言葉をかけるが、首を振り頭を抱え泣き出しそうな声を上げるその姿にたまらず息を呑んだ。
「体が勝手に動いて、あんな力を使うように動かされて・・・それがすごい力なんだって理屈抜きに分かって、怖かったんだ・・・カノン達を殺してしまうって思うと・・・!」
「・・・ですが私達は今もこうして生きています」
「うん・・・うん・・・もう、いいんだ・・・カノンが嘘をついてたとか、もうそんなことどうでもいい・・・カノン達が生きてくれてる・・・もう俺は、それだけで・・・!」
「ルーク様・・・」
・・・目が覚めて一人で悩み苦しんでいたのだろう、自分の意思を蔑ろにされた上で力を使わされた時の事に。
徐々に感情が高まっていきポロポロと涙を溢れ出させながら声を大きくしていくルークに、カノンはそっと近付き・・・その身を手で包み込むように抱き、引き寄せる。
「・・・この通り、私は生きています。ですがまだその事に安心出来ないと言うのでしたら安心出来るまで気持ちを落ち着かせてください」
「うぐっ・・・うんっ・・・!」
そして慈愛の笑みを浮かべながら柔らかく安心感を得られるような声をカノンが向ければ、必死に泣くのをこらえながら頷く声がなんとかルークから聞こえてきた。そのままカノンは背に回した手をゆっくりさするように撫でていく・・・労るよう、慈しむようにただ優しく・・・
・・・それで数分後、落ち着きを取り戻したルークはカノンから身を離していた。
「・・・悪い、カノン」
「いえ、気にされないでください。落ち着かれたなら幸いです」
「あぁ・・・」
気まずげに頭を下げるルークだが微笑を浮かべるカノンにバツが悪そうに声を上げる。まだやはりスッキリとはしきれはしないのだろう。
「・・・な、なぁカノン・・・記憶の事とかに嘘をついてた、とか言ってたよな?」
「・・・はい、それは確かです」
「じゃ、じゃああの黄金の鎧の事とかも併せて話してくれよ・・・カノンもそのつもりで俺に話をしたんだろうし・・・」
「えぇ、わかりました・・・少々話が長くなりますがよろしいですか?」
「あぁ、大丈夫だ」
そんな気分を何とか誤魔化そうとするよう先程切り出した事について問い掛けるが、事実を告げる覚悟を既に持っていた為にカノンはすんなり頷き注意を先に述べる。ルークはそれに頷き、先を聞こうとする。
・・・が、話題転換のつもりで聞いたルークは話を聞いていく内に言葉を失っていった。カノンは元々オールドラントではなく地球という場所で生まれ育っていたこと、そこでアテナという神に仕える聖闘士としての修行を重ねていたが度重なる悪事により双子の兄であるサガに幽閉されたこと、その幽閉先からアテナとは別の神であるポセイドンの統治する海の中にある神殿に行き海闘士となってポセイドンを傀儡とし地上を征服しようとしていたこと、そんな計画をポセイドンの神殿に来た聖闘士により打ち砕かれアテナの御心に触れ改心したこと、そして最後には神話の時代から争っていたハーデスという神との戦いの中でラダマンティスという敵と戦い共に自爆したという・・・あまりにもとてつもなく波乱に満ちていた話を聞き・・・
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