世界の流れを変え行く聖闘士達

・・・ここで舞台に時間はカノン達がセントビナーに話をつけにいった後のタルタロスに変わる。






「・・・戻ったぞ、ムウ」
「首尾はどうですか?」
「上々だ。住民の受け入れは快くしてもらえるようになった。後は具合の良くなった者から順々にタルタロスに乗せ、セントビナーに送ればいいだろう」
「そうですか・・・アフロディーテからの報告によれば障気が抜けきった住民もチラホラと出てきたようですから頃合いですね・・・ところでそちらはよろしいのですか?」
「っ・・・っ・・・」
・・・タルタロスの前にて一人立っていたムウの前に来たカノン達。
そこで互いに上々の報告をするのだが、ムウからの疑問の声にカノン達も後ろへ視線を向ける。そこにはまたカノン達に担がれてきたまま走られていた事により、膝に手を当て辛そうに息をつくジェイドがいた。
「気にするな、時間が経てば元に戻る」
「そうですか」
だがさっと一言で流すカノンにムウも追及せずに済ませる。どうやらムウにとっても大した問題ではなかったようである、ジェイドが弱っている事など。
「・・・それより今は彼に会ってあげてください。先程目を覚ましたので貴方が戻ってきたならそちらに向かうように伝えておくと言っておきました。部屋で大人しく待っていると思います」
「・・・あぁ、分かった。三人とも、しばらく自由にしててくれ」
「あぁ、行ってこい」
そんな空気から一転して話を重く切り出すムウにカノンも決意を固めて頷き、アイオロス達を残し一人タルタロスの方へと向かう・・・ムウが言う彼などルーク以外に有り得ない、そしてルークが何を求めているのか・・・それを話に行くために・・・












‘コンコン、ガチャッ’
「失礼します・・・気分はどうですか、ルーク様?」
「カノン・・・いや、特に悪くない・・・」
「そうですか・・・」
少ししてルークのいる部屋まで辿り着きノックの後に部屋に入り、カノンは尋ねるよう声をかける。ベッドに腰をかけていたルークは大丈夫と返すが、その表情には暗い影が落ちていた。カノンもその理由について検討がついているため、覚悟を決めて続ける。
「・・・ルーク様、まずは貴方に謝らなければならないことがあります」
「・・・謝る?」
「はい・・・私は今まで嘘をついていました、貴方だけでなくファブレに連なる人々にも・・・」
「・・・それってあの、黄金の鎧の事か?」
「それもありますが・・・記憶がないことと、出自が分からないと言ったことです。本当は全て覚えています。ファブレに来る前の事も全て」
「っ・・・!」
そしてカノンは告げていく、まずは自分の番だとばかりに自身が秘密にしていた事を。その真剣な顔と声にルークは声を失っていたが、ハッと気を取り直して首を横に振った後にゆっくり立ち上がる。
「・・・でも、なんで今そんなことを・・・」
「・・・もう黙っていられないと思ったからです。あの姿を見せてしまったことで」
「あの黄金の鎧、か・・・正直、色々聞きたいことはあるけど・・・あの時カノンが超振動を止めてくれなかったら、俺はこの辺り・・・下手するとアクゼリュスと一緒に消滅してたんだよな・・・謡将の目的の為に・・・」
「・・・恐らくはそうなったでしょう」
そのいきなりの暴露に何故と問うルークだがカノンからの返答に、超振動を使わされた時の事を思い出し顔を青くさせカノンも重く頷く。











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