世界の流れを変え行く聖闘士達
「・・・話を続けますが、その事実にカミュがエンゲーブで気付いたらしく彼女から事情を詳しく聞いたとのことで大詠師が借金の肩代わりをする形でスパイをするよう命じていたらしいのですが・・・現状でそれを拒否した時、大詠師がタトリン夫妻を利用するのは目に見えています。彼女にスパイをやめさせないようにするために」
「っ!・・・モースが、そんなことをするなんて・・・」
「・・・それは本当です、イオン様・・・現に私も言われました。言うことを聞かなかったら両親がどうなるかわかるだろうと・・・」
「・・・っ!」
ミロが空気そのままに話を続けていくとイオンは信じられないと言い出すが、アニスが俯きながら告げた告白にたまらず息を呑む。嘘だとは否定できないことを理解させられ。
「そんな彼女からそのような立場にいるのは心苦しいと聞いたこともあり、彼女と話し合った上でカミュはカノンに告げたそうです。内密にダアトからタトリン夫妻を連れ出してもらい、ファブレで保護してもらえないかと」
「ファブレで・・・?」
「インゴベルト陛下にというのは大詠師が近くにいる現状では少しキツい物があるので、カノンが立場的に近い位置にあったのもあることで頼れるのは公爵個人というようになりました。現に公爵にはタトリン夫妻を受け入れるとの声をいただき、夫妻にも状況を説明した上でそうするとの答えをいただいています」
「っ・・・そうなんですか?」
「話によれば別の仲間に先に事情を説明に行かせ、了承をもらったとのことです。彼女には先程私が来たことを伝えに行ってもらいました」
「・・・そうなんですか、アニス?」
「・・・はい・・・」
更に話を続け公爵にも夫妻にも話は済んでいるとミロが言うと、驚きながらも確認を向けるイオンにアニスは辛そうに頷く。
「パパとママに会って話をしてきました・・・部屋に入ったらすぐに涙を流しながら私の事を抱き締めてきました。ずっと辛いことをさせてきて、我慢させてきてゴメンって・・・」
「アニス・・・」
「・・・でもずっとそうやってる訳にもいかなかったからミロさんがここに来てることを言った上で、今は部屋で待ってもらってます。ダアトを出る為の準備をしてもらう形で・・・」
「・・・そう、ですか・・・」
そしてアニスから出た言葉にたまらずイオンまで表情を歪めた、彼女の語る悲哀に満ちた言葉が夫妻の心からの謝罪の想いまでもを含ませた物であった為に。
「・・・導師、貴方にその事を明かした理由を明かす前にお聞きします。この件に関してどのようにお思いですか?」
「・・・正直な気持ちで言うなら複雑ではあります。アニスがスパイをしていたことをハッキリ知ったことに、モースがオリバー達の事をそのように利用していたことは・・・ただ僕がどうしたいのかというのであれば、オリバー達を早くモースの手の及ばない所に移して欲しいというのが僕の気持ちです。このままでしたら僕だけならまだしも、アニスやオリバー達まで辛い想いをすると思いますから・・・」
「・・・ではタトリン夫妻がダアトから出ることには賛成していただけるのですか?」
「・・・はい、そうする方がいいと思いますし僕にも出来ることがあるなら協力させていただきます」
「そうですか・・・」
ミロがそんな姿にどう思うかを問い掛ければイオンは同情と共に協力をしたいと意志を見せる、まっすぐに視線を向ける形で。ミロはその姿に頷き笑顔を浮かべる・・・これならイケると。
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「っ!・・・モースが、そんなことをするなんて・・・」
「・・・それは本当です、イオン様・・・現に私も言われました。言うことを聞かなかったら両親がどうなるかわかるだろうと・・・」
「・・・っ!」
ミロが空気そのままに話を続けていくとイオンは信じられないと言い出すが、アニスが俯きながら告げた告白にたまらず息を呑む。嘘だとは否定できないことを理解させられ。
「そんな彼女からそのような立場にいるのは心苦しいと聞いたこともあり、彼女と話し合った上でカミュはカノンに告げたそうです。内密にダアトからタトリン夫妻を連れ出してもらい、ファブレで保護してもらえないかと」
「ファブレで・・・?」
「インゴベルト陛下にというのは大詠師が近くにいる現状では少しキツい物があるので、カノンが立場的に近い位置にあったのもあることで頼れるのは公爵個人というようになりました。現に公爵にはタトリン夫妻を受け入れるとの声をいただき、夫妻にも状況を説明した上でそうするとの答えをいただいています」
「っ・・・そうなんですか?」
「話によれば別の仲間に先に事情を説明に行かせ、了承をもらったとのことです。彼女には先程私が来たことを伝えに行ってもらいました」
「・・・そうなんですか、アニス?」
「・・・はい・・・」
更に話を続け公爵にも夫妻にも話は済んでいるとミロが言うと、驚きながらも確認を向けるイオンにアニスは辛そうに頷く。
「パパとママに会って話をしてきました・・・部屋に入ったらすぐに涙を流しながら私の事を抱き締めてきました。ずっと辛いことをさせてきて、我慢させてきてゴメンって・・・」
「アニス・・・」
「・・・でもずっとそうやってる訳にもいかなかったからミロさんがここに来てることを言った上で、今は部屋で待ってもらってます。ダアトを出る為の準備をしてもらう形で・・・」
「・・・そう、ですか・・・」
そしてアニスから出た言葉にたまらずイオンまで表情を歪めた、彼女の語る悲哀に満ちた言葉が夫妻の心からの謝罪の想いまでもを含ませた物であった為に。
「・・・導師、貴方にその事を明かした理由を明かす前にお聞きします。この件に関してどのようにお思いですか?」
「・・・正直な気持ちで言うなら複雑ではあります。アニスがスパイをしていたことをハッキリ知ったことに、モースがオリバー達の事をそのように利用していたことは・・・ただ僕がどうしたいのかというのであれば、オリバー達を早くモースの手の及ばない所に移して欲しいというのが僕の気持ちです。このままでしたら僕だけならまだしも、アニスやオリバー達まで辛い想いをすると思いますから・・・」
「・・・ではタトリン夫妻がダアトから出ることには賛成していただけるのですか?」
「・・・はい、そうする方がいいと思いますし僕にも出来ることがあるなら協力させていただきます」
「そうですか・・・」
ミロがそんな姿にどう思うかを問い掛ければイオンは同情と共に協力をしたいと意志を見せる、まっすぐに視線を向ける形で。ミロはその姿に頷き笑顔を浮かべる・・・これならイケると。
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