世界の流れを変え行く聖闘士達

・・・神託の盾、六神将、そしてヴァンの一味全てを拿捕したカノン達。そんなカノン達はアクゼリュスの人々をムウ達に任せ、一路マルクトへと向かった・・・















「・・・よし、着いたな」
「おい大丈夫か、大佐殿?」
「・・・少し休ませてください・・・流石にこのような速度で走られるとは思っていませんでしたよ・・・」
・・・そんなカノン達が辿り着いたのはセントビナーの前。
聖衣を脱いで再び執事服に戻ったカノンが声を上げる中、デスマスクの声にカミュの隣で膝に手を当てて頭を下げていたジェイドが弱々しく声を漏らす。



・・・さて、ジェイドが何故ここまで弱っているのかと言えば簡単に言えばカノン達に走って連れられて来たからだ。聖闘士の全力ではないとは言え、相当な速度を持ってアクゼリュスから連れてこられたジェイドの身に負担がかかるのは当然の事だった。それも前タルタロスから出た時のルークより更に速い速度・・・ジェイドでなくとも参るのは尚更である。



「・・・こんな力があるなら、最初から使えばよかったでしょう・・・」
「あ?何言ってんだよ、大佐殿?前も言ったけど俺らは別にキムラスカでもマルクトでもダアトの人間じゃねぇんだ。それで俺らに何をどうしてほしかったってんだ、あんたは?マルクトから和平の為にキムラスカに向かってたあんたからして最初からってのはよ」
「っ・・・」
そこから頭を上げジェイドはそっと愚痴るように言葉を漏らすが、デスマスクからのニヤニヤとした指摘まじりの返事に息を呑む。都合のいいことを正論で返されたことに。
「ま、ここまで来た以上はこれからは遠慮なく接させてもらうぜ。俺らにとっての普通でな・・・ま、あんたにアクゼリュスで待っている連中以外にはあんまり見せるつもりはねぇけどな。どうせ信じられるとも思えねぇし」
「それに我々が目立つ必要もない。そう言った役目は貴殿方がやればいいことだ」
「貴殿方・・・それはどういう事でしょうか?」
「それはこれからこのセントビナーの責任者に会えば分かること・・・休憩がもうよろしいのなら、入りたいのですがいかがですか?」
「・・・いいでしょう。では案内します」
そんなやり込めた事はさておきと話を進めるデスマスクとカミュにジェイドは眉を寄せるが、行けば分かると丁寧ながらも先を促すカノンに仕方なく体勢を元に戻しセントビナーの中へと歩き出す・・・












・・・そしてジェイド主導の元で辿り着いたセントビナーの軍の駐屯地にて、カノン達は二人の人物と対していた。



「・・・成程、話は分かりました」
「父上、そういう事でしたらこちらで早く住民の受け入れをすると共に陛下にお知らせしないと・・・アクゼリュスが滅びるとは簡単には信じられませんが、預言に神託の盾が襲ってきた事を考えると流石に看過出来ないかと・・・」
「うむ、わかっておる・・・」
・・・それで話を進めアクゼリュスを神託の盾が襲った事から住民の受け入れについてを切り出すと、街の責任者で前マルクトの元帥であった老マクガヴァンとその息子であるグレン将軍は二人共に事態を重く受け止め会話を交わす。状況の改善の為に動くべきと。
「・・・しかしカーティス大佐。よく神託の盾に六神将に更にヴァン謡将と、よく抑える事が出来ましたね・・・」
「・・・こちらの方々の協力があったからですよ。現にアクゼリュスでも住民の方々の救助に先行して入っていただきましたから」
「おぉ、そうでしたか!ありがとうございます、そのようなことまでしていただいたとは・・・!」
「いえ、こちらも動かねばならないと思ったからこそ動いたまでです」
そこでふとグレン将軍がジェイドに疑わしげな視線つきで感嘆の言葉を向けるが、不本意そうな目を浮かべながらもカノン達に視線を向けて答えを返すと老マクガヴァンはいたく感動して声を上げアイオロスが爽やかな笑顔を浮かべながら首を横に振る。









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