明るみに出る聖闘士の力

「・・・一輝、熱くなっている所に済まないがお前は一体何を見た?こちらはお前のように出来るわけではないからよく分からないのだが・・・」
「・・・こいつらの事情については後で説明してやる。話すにしても幻魔拳を使うにしても上に時間がかかる。お前達が納得するにも、こいつらと話をするにしてもな」
「・・・幻魔拳かよ。まぁ使われんのは構わねぇが、こいつらもそれなりに色々経験したって訳か・・・お前がそう言うってことはな」
そのままヒートアップしていくかに思われた一輝にカミュが精神を覗けない事をボカしながら何を見たのかを聞くが、時間がかかるから後にしろと言われデスマスクもその中身にある程度の検討をつける。ヴァン達の過去は中々の物だと。
「・・・そう言うことなら謡将達については後に回そう。今は症状が良くなったアクゼリュスの住民からマルクトに受け入れてもらうようにしてもらうことと、それと公爵を始めとしてキムラスカの者達にどのように渡りをつけるかを考えるべきだと思うのだが・・・どうだ、カノン?」
「・・・そうだな。アイオロスの言う通りだが、現状で優先すべきはまずアクゼリュスの住民だ。今の状況でアクゼリュスが消滅するかキムラスカから様子を見に来られたなら流石に面倒になる。そうそう簡単に来ることはないとは思うが念のためにな」
「・・・まぁそれが妥当になるか。んじゃタルタロスはこっちが使わせてもらって、マルクトに住民を移送させてもらうか。大佐、もちろんあんたにも手伝ってもらうぜ?」
「・・・えぇ、そうさせていただきますよ」
アイオロスはその流れを組むよう今後の流れについて切り出すとカノンは頷きつつアクゼリュスを優先すべきと言い、デスマスクが悪どい笑みを浮かべながらジェイドを見ればあまり本意ではないといったように首を縦に振る・・・やはりまだデスマスクの言葉は本能的に受け付けたくはないのだろう。それが確かな道理があっても。
「ならば謡将達はしばらくタルタロスの牢の中にでも入ってもらうか。下手に放置しても面倒なだけだろう」
「あぁ・・・一応の事を考えて牢の場所は離しはするがな。後は一輝、お前達はアクゼリュスの住民が無事に離れられるまでは住民についていてくれ。事が済んだならアルデバラン達と共に戻ってくれて構わないとも今来ている奴らにも伝えてくれ」
「あぁ、いいだろう・・・後で一段落したらそちらに向かうから、その時に事情を説明してやる。ではな」
「・・・わかった、待っているぞ」
カミュが構わず話を続けカノンが話を受け継いだ後に一輝に話をすれば、後での事情説明を口にした後に場を後にしていく。その姿に静かに了承を返した後にカノンは受け止めていたルークの体勢を自然に両腕で抱き抱える形にする。
「では謡将達をタルタロスに連れていくぞ。その後はムウに神託の盾の見張りにルーク様の容態を見てもらうように頼み、マルクトに渡りをつけに行く・・・もうここまで来たことだ。話をするなら直接俺達が話に向かった方が早い」
「だな・・・んじゃさっさと片付けていこうぜ、時間は待っちゃくれねぇんだしな・・・んじゃ付いてこいよ、あんたらも」
「「「「・・・」」」」
そして統括するようこれからの事について告げるカノンにデスマスクが頷いた上でヴァン達に指示を出すと、下手に逆らえないだけに先を行き出すカノン達の後ろに付いていく。






聖闘士の力の一端をまざまざと知らされた一同。だがまだそれらは聖闘士の力の一端に過ぎない・・・その事を世界は知らされることになる、例えほんの一部しか知ることはなくとも









END










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