明るみに出る聖闘士の力
「こちらは既に公爵にアッシュを引き合わせました。そんな状況で本人にだけ事情を知らせぬなどという事は出来ません」
「・・・確かにそうした方がいいでしょうね。謡将達の行動を明かすなら本人にも覚悟をしてもらった方が。ですがそれであの方が素直に受け入れるでしょうかね?」
「・・・それはこちらもどうなるかは分かりません。自身がレプリカであるという事を告げられたなら、どのような精神状態になるのかは・・・ですが私は何があろうともあの方の味方でいると、そう決めたのです。例え貴殿方があの方をレプリカという事で蔑もうとも・・・!」
「「「「っ・・・!」」」」
忠誠・・・いや、正確にはルークへの人間としての揺るぎない想いがカノンより告げられた。
あくまで不安を煽るような事ばかりを口にするジェイドに対し真っ直ぐ見捨てないと告げる姿に、ジェイドだけでなくヴァン達までもが圧されたように息を呑んだ。
「・・・ではムウ、残りの六神将も共に頼む」
「えぇ、いってらっしゃい」
ジェイドからの更なる言葉も出なくなった所でカノンがムウに行くと話し掛け、送り出す言葉を受けてその先に歩き出しアイオロス達が距離を空けて付いていく。ヴァンとアッシュもアイオロス達に背を押される形で同行をさせられることとなり、ムウ達を残し場を後にしていく・・・
「・・・ん?話は終わったのか?て言うか、なんでカノン一人なんだ?」
「・・・その件でルーク様にお話しなくてはならないことがございます。少々場を移していただいてよろしいでしょうか?」
「・・・分かった。人に聞かれるとまずい話だろうしな」
それでアルデバラン達の元に戻ったカノンはルークにより怪訝そうな顔で出迎えられるが、真剣に別の場所で話をと言い出すその姿に重く了承して頷く。
「・・・すまないが後は頼む、二人とも」
「・・・あぁ、行ってこい」
その返答に二人に後を託すカノンにアルデバランが頷くが、どこか雰囲気が重く間が空いたものになった。そんな状態になるが誰もそれを指摘することなくカノンとルークは場を後にする。
・・・そして再び場を変えたカノンとルークは誰も周囲にいないことを確認して立ち止まり、向き合う形になる。
「・・・それで、どうしたんだカノン?」
「・・・あらかじめ言わせていただきますが、今から私は順序立てて説明していきたいと思います。ですので色々聞きたいことが出てくるとは思いますが、まずは話をお聞き願います。よろしいですね?」
「え?・・・あぁ、わかった」
「ありがとうございます・・・では大詠師にバチカルにて詠まれた預言、それらについてお話致します」
状況が整った事にルークが何事かを問うが、真剣に注意を述べるカノンに一瞬戸惑いはするが真剣に頷く。その返答に頭を下げた後にカノンは話を始める、此度のアクゼリュス行きが仕組まれた物で自身らを殺すための物であるとの狙いがあったものだと・・・
「・・・というわけで、我々は大詠師の差し金によりアクゼリュスと共に消滅してもらわんとするために派遣されたのです」
「・・・それで、謡将はそれを確実にするために俺達と一緒に派遣されたってのか・・・」
「はい、その通りです」
・・・少し時間を使い、ひとまずアクゼリュス行きの本当の狙いまでについて語り終えたカノン。そこで説明の中で少し質問をしてヴァン達がモースの手先であったことを知ったルークは愕然とした様子で呟き、カノンはその呟きを肯定する。
「・・・やはり衝撃でしたか?」
「・・・そりゃまぁ、な・・・でも今こうやってカノン達のおかげで生きてられてるんだって思うと、ちょっと安心もしてんだ・・・つっても圧倒的に驚きの方が強いんだけどな」
「そうですか・・・」
続けて心配するよう声をかけると心配はいらないと言っているような苦笑気味の笑みを浮かべるルークだが、その笑みには力がなく気丈さを見せようとした強がりにしか思えない。カノンはそう感じ取り表情を歪めかけるが、まだ話は終えてないと元に戻す。
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「・・・確かにそうした方がいいでしょうね。謡将達の行動を明かすなら本人にも覚悟をしてもらった方が。ですがそれであの方が素直に受け入れるでしょうかね?」
「・・・それはこちらもどうなるかは分かりません。自身がレプリカであるという事を告げられたなら、どのような精神状態になるのかは・・・ですが私は何があろうともあの方の味方でいると、そう決めたのです。例え貴殿方があの方をレプリカという事で蔑もうとも・・・!」
「「「「っ・・・!」」」」
忠誠・・・いや、正確にはルークへの人間としての揺るぎない想いがカノンより告げられた。
あくまで不安を煽るような事ばかりを口にするジェイドに対し真っ直ぐ見捨てないと告げる姿に、ジェイドだけでなくヴァン達までもが圧されたように息を呑んだ。
「・・・ではムウ、残りの六神将も共に頼む」
「えぇ、いってらっしゃい」
ジェイドからの更なる言葉も出なくなった所でカノンがムウに行くと話し掛け、送り出す言葉を受けてその先に歩き出しアイオロス達が距離を空けて付いていく。ヴァンとアッシュもアイオロス達に背を押される形で同行をさせられることとなり、ムウ達を残し場を後にしていく・・・
「・・・ん?話は終わったのか?て言うか、なんでカノン一人なんだ?」
「・・・その件でルーク様にお話しなくてはならないことがございます。少々場を移していただいてよろしいでしょうか?」
「・・・分かった。人に聞かれるとまずい話だろうしな」
それでアルデバラン達の元に戻ったカノンはルークにより怪訝そうな顔で出迎えられるが、真剣に別の場所で話をと言い出すその姿に重く了承して頷く。
「・・・すまないが後は頼む、二人とも」
「・・・あぁ、行ってこい」
その返答に二人に後を託すカノンにアルデバランが頷くが、どこか雰囲気が重く間が空いたものになった。そんな状態になるが誰もそれを指摘することなくカノンとルークは場を後にする。
・・・そして再び場を変えたカノンとルークは誰も周囲にいないことを確認して立ち止まり、向き合う形になる。
「・・・それで、どうしたんだカノン?」
「・・・あらかじめ言わせていただきますが、今から私は順序立てて説明していきたいと思います。ですので色々聞きたいことが出てくるとは思いますが、まずは話をお聞き願います。よろしいですね?」
「え?・・・あぁ、わかった」
「ありがとうございます・・・では大詠師にバチカルにて詠まれた預言、それらについてお話致します」
状況が整った事にルークが何事かを問うが、真剣に注意を述べるカノンに一瞬戸惑いはするが真剣に頷く。その返答に頭を下げた後にカノンは話を始める、此度のアクゼリュス行きが仕組まれた物で自身らを殺すための物であるとの狙いがあったものだと・・・
「・・・というわけで、我々は大詠師の差し金によりアクゼリュスと共に消滅してもらわんとするために派遣されたのです」
「・・・それで、謡将はそれを確実にするために俺達と一緒に派遣されたってのか・・・」
「はい、その通りです」
・・・少し時間を使い、ひとまずアクゼリュス行きの本当の狙いまでについて語り終えたカノン。そこで説明の中で少し質問をしてヴァン達がモースの手先であったことを知ったルークは愕然とした様子で呟き、カノンはその呟きを肯定する。
「・・・やはり衝撃でしたか?」
「・・・そりゃまぁ、な・・・でも今こうやってカノン達のおかげで生きてられてるんだって思うと、ちょっと安心もしてんだ・・・つっても圧倒的に驚きの方が強いんだけどな」
「そうですか・・・」
続けて心配するよう声をかけると心配はいらないと言っているような苦笑気味の笑みを浮かべるルークだが、その笑みには力がなく気丈さを見せようとした強がりにしか思えない。カノンはそう感じ取り表情を歪めかけるが、まだ話は終えてないと元に戻す。
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