双子の片割れの焔への従事
・・・カノンはラダマンティスと自爆して死んだ・・・そのはずだった。聖衣を外し自分の最高の技をラダマンティスごと浴びた身では、それは避けられないはずだった。だが彼は奇跡的にも生きていた。それも世界を越えるという偉業を成す形で・・・
「カノン、ちょっと来てくれ!」
「はい、いかがされましたか?ルーク様」
・・・以前の雑兵服だったりスニオン服などではなく、見た目からしていかにも高そうな材質を使った立派な執事服を一分の隙もなく着こなしたカノン。ルークの部屋の扉の前に控えて立っていたカノンは、机に座っていたルークの呼び出しにすぐさま近くに歩み寄る。
「この問題の解釈ってこう解釈すればいいのか?」
「・・・えぇ、そうです。正解です、ルーク様」
「そうか!よし、またやる気が出てきたぞ!」
「フフ・・・頑張ってください、ルーク様」
テスト用紙を見せるルークに覗き込んだカノンが正解と返せば、嬉しそうにテストにまた取りかかる。その姿を微笑ましそうに見ながらカノンはまた入口の方へとそっと、身を引いていった。
・・・カノンがルークの家であるファブレに来た、正確には飛んでしまったのは6年前にあたる。その時カノンは気絶していたので又聞き話になるのだが、ファブレ邸の庭で血塗れで倒れていたところをルークが泣きながら発見したとのことだった。
その際に他の従者が不審者であるカノンから引き剥がそうとしたが、ルークが何をしようとも離れようともせず泣いてせがむのでカノンは第七音譜術士によって治療されたのだが、そこは聖闘士の力を持つカノン。傷が治ったと同時にすぐさま目を開け、立ち上がった。
その際に自分の置かれている疑惑の目だったり泣いている子供の目だったりと周りを取り巻く環境から、明らかにラダマンティスと戦っていた場所から違うとカノンは感じ、早くこの場を離れるべきだとどうにか周りを説得してここから出ようと考えていた・・・が、そこで誰もが予想しない展開が起きた。それはカノンをルークが絶対に離さず、その身から離れようとしなかったことだ。
これにはカノンだけでなく周りも驚き妙な空気も忘れ一緒にルークを引き剥がそうとしたのだが、カノンは下手に力を込めれば周りもろとも傷つけかねない為にどうにも出来ず周りと共におろおろとした。
それで力づくではルークを引き剥がせないならせめてカノンをどうにかしようと、周りはまずファブレに入った理由を聞き出そうとしたのだが、そこは神すら欺かんとした男。その話に返答を返しながらもさりげに要領よく自身の弁論で自身のペースに持っていき、自身の望む情報を引き出しながら話を進めていった・・・のだが、内心ではどうするべきかと焦ってもいた。
・・・何せ話を聞けば聞く程にキムラスカだファブレだバチカルだマルクトだダアトだのと、地球には全くない単語の羅列が続いたのだ。ここまで聞いてしまえばカノンにもここが地球ではないことは見当がついた。その上でどうしようかとも考えた。
そこでカノンは何をするにもまずは自分に年齢不相応な態度で泣きじゃくっているルークをどうにかしようと今度は力ではなく言葉で諭そうと色々語りかけようとしたのだが、カノンの放とうとした千の言葉ではなくルークのたった一つの言葉がカノンを一発で降参へと追い込んだ・・・『離れ、ないで・・・!』とそう心から絞りでた、拙いながらも想いが張り裂けて溢れんばかりの涙声が。
・・・その一言にカノンはルークがどういった考えがあるかはわからずともどれだけの想いがあるかを知った。その上でカノンは離れないと行動で示す為にそっとぎゅっとルークを抱き締めた。するとそうすることでようやく安心したのか、カノンの胸の内でホッとするように安らかにルークは眠りに落ちていった。
・・・そしてその後カノンは力の抜けたルークを周りにいた人間に預け、その場で一番偉い立場であろうファブレ公爵に力の限りを尽くし・・・土下座した。この屋敷に置いてもらうために・・・
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「カノン、ちょっと来てくれ!」
「はい、いかがされましたか?ルーク様」
・・・以前の雑兵服だったりスニオン服などではなく、見た目からしていかにも高そうな材質を使った立派な執事服を一分の隙もなく着こなしたカノン。ルークの部屋の扉の前に控えて立っていたカノンは、机に座っていたルークの呼び出しにすぐさま近くに歩み寄る。
「この問題の解釈ってこう解釈すればいいのか?」
「・・・えぇ、そうです。正解です、ルーク様」
「そうか!よし、またやる気が出てきたぞ!」
「フフ・・・頑張ってください、ルーク様」
テスト用紙を見せるルークに覗き込んだカノンが正解と返せば、嬉しそうにテストにまた取りかかる。その姿を微笑ましそうに見ながらカノンはまた入口の方へとそっと、身を引いていった。
・・・カノンがルークの家であるファブレに来た、正確には飛んでしまったのは6年前にあたる。その時カノンは気絶していたので又聞き話になるのだが、ファブレ邸の庭で血塗れで倒れていたところをルークが泣きながら発見したとのことだった。
その際に他の従者が不審者であるカノンから引き剥がそうとしたが、ルークが何をしようとも離れようともせず泣いてせがむのでカノンは第七音譜術士によって治療されたのだが、そこは聖闘士の力を持つカノン。傷が治ったと同時にすぐさま目を開け、立ち上がった。
その際に自分の置かれている疑惑の目だったり泣いている子供の目だったりと周りを取り巻く環境から、明らかにラダマンティスと戦っていた場所から違うとカノンは感じ、早くこの場を離れるべきだとどうにか周りを説得してここから出ようと考えていた・・・が、そこで誰もが予想しない展開が起きた。それはカノンをルークが絶対に離さず、その身から離れようとしなかったことだ。
これにはカノンだけでなく周りも驚き妙な空気も忘れ一緒にルークを引き剥がそうとしたのだが、カノンは下手に力を込めれば周りもろとも傷つけかねない為にどうにも出来ず周りと共におろおろとした。
それで力づくではルークを引き剥がせないならせめてカノンをどうにかしようと、周りはまずファブレに入った理由を聞き出そうとしたのだが、そこは神すら欺かんとした男。その話に返答を返しながらもさりげに要領よく自身の弁論で自身のペースに持っていき、自身の望む情報を引き出しながら話を進めていった・・・のだが、内心ではどうするべきかと焦ってもいた。
・・・何せ話を聞けば聞く程にキムラスカだファブレだバチカルだマルクトだダアトだのと、地球には全くない単語の羅列が続いたのだ。ここまで聞いてしまえばカノンにもここが地球ではないことは見当がついた。その上でどうしようかとも考えた。
そこでカノンは何をするにもまずは自分に年齢不相応な態度で泣きじゃくっているルークをどうにかしようと今度は力ではなく言葉で諭そうと色々語りかけようとしたのだが、カノンの放とうとした千の言葉ではなくルークのたった一つの言葉がカノンを一発で降参へと追い込んだ・・・『離れ、ないで・・・!』とそう心から絞りでた、拙いながらも想いが張り裂けて溢れんばかりの涙声が。
・・・その一言にカノンはルークがどういった考えがあるかはわからずともどれだけの想いがあるかを知った。その上でカノンは離れないと行動で示す為にそっとぎゅっとルークを抱き締めた。するとそうすることでようやく安心したのか、カノンの胸の内でホッとするように安らかにルークは眠りに落ちていった。
・・・そしてその後カノンは力の抜けたルークを周りにいた人間に預け、その場で一番偉い立場であろうファブレ公爵に力の限りを尽くし・・・土下座した。この屋敷に置いてもらうために・・・
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