明るみに出る聖闘士の力
「答えろヴァン=グランツ」
「・・・フッ、確かにお前の言うことは分からんでもない。本物と言うだけで正義だと限らんのはな・・・だがアレを造るように指示を出したのは私だ。その生まれが正しい人間の物ではない事を私は知っている。自然な生まれ方ではないことをな」
「だからルークを人間扱いする意味はない、と言うのか?・・・だったらこの質問にもう意味はない。俺がルークの為にと動いているのはルークがルークだからだ・・・決してレプリカであるからとか、本物の『ルーク』ではないからなどといった事実でそれは覆る物ではない!」
「「・・・っ!」」
それで答えを求めるカノンにヴァンはルークに対する嘲りを多大に含ませた返答を返すが、まだ続いたであろう言葉を遮って段々と熱を帯びていき最後にはルークへの揺るがない想いを大喝されてジェイドまでもがたまらず圧されたよう身を僅かに下がらせた。
「・・・おっ、結構まだ遠くはあるが見えたな・・・タルタロスが」
「っ・・・来たか」
場の空気が重くなる中デスマスクの遠目にタルタロスを確認したとの声に、冷や汗を一筋頬に浮かべていたヴァンもその光景を確認しそっと笑みを浮かべる。状況の打開がこれで出来るとでも思っているのが分かる形で。
‘ヒュンッ’
「どうも、カノン」
「「!!」」
だが余裕を浮かべかけたその表情は目の前にテレポーテーションで唐突に現れたムウにより、ジェイド共々ヴァンは驚きにより崩れてしまった。
「来たか、ムウ・・・アッシュは逃げ出してはいないな?」
「勿論です。でなければここに彼らは来なかったでしょうからね」
「よし、ならいい・・・お前はこの二人と共にいてくれ。奴らは俺達が片付ける」
「分かりました」
そんな二人など気にせず淡々と話を進めるカノンとムウに、二人はまだ呆然といった様子から回復出来ずにいる。
「では三人とも、聖衣を着てくれ。分かっているとは思うが奴らは一人も殺さないでおいてくれ・・・奴らには然るべき場にて裁きを受けてもらわねばならんのだからな」
「分かっている・・・では来い!我が聖衣、水瓶座の聖衣よ!」
「来い、射手座!」
「来い、蟹座!」
‘カッ!’
「「・・・っ!」」
だがだめ押しとばかりにカノンの言葉を皮切りにしてムウ以外の四人が各々空を指差すように上げた先から異次元の穴が開き、そこから現れた聖衣達が一斉にパーツ毎にバラけて所有者達の体を包んだ事に最早二人は唖然として言葉を失う以外に出来なかった。
「ふむ・・・サガはヘッドパーツはあまり身に付けていないから、こうやって普通に被っている姿を見ると違和感を感じますね」
「アッシュと会った時には聖衣に俺の意志を宿した状態でだったからな。ヘッドパーツがあった方が奴も分かりやすいだろう」
一人聖衣を呼ぶことなく様子を見ていたムウは双子座のヘッドパーツも身に付けている様子を珍しいと興味深げに眺め、カノンはアッシュに分からせるためだと告げる。
「カ、カノン・・・その姿は一体・・・それにそのサガ、というのは誰なのだ・・・?」
「・・・その疑問については後で時期が来たらお答えしましょう。ではムウ、後は頼む」
「えぇ、行ってらっしゃい」
ようやく驚きから多少は覚めたヴァンがなんとか今までと違う四人の姿にについて聞くが、後でと言い捨てムウに二人を任せる旨を伝えてカノン達はタルタロスの方へと走り出していく。四人で神託の盾を制圧する為に。
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「・・・フッ、確かにお前の言うことは分からんでもない。本物と言うだけで正義だと限らんのはな・・・だがアレを造るように指示を出したのは私だ。その生まれが正しい人間の物ではない事を私は知っている。自然な生まれ方ではないことをな」
「だからルークを人間扱いする意味はない、と言うのか?・・・だったらこの質問にもう意味はない。俺がルークの為にと動いているのはルークがルークだからだ・・・決してレプリカであるからとか、本物の『ルーク』ではないからなどといった事実でそれは覆る物ではない!」
「「・・・っ!」」
それで答えを求めるカノンにヴァンはルークに対する嘲りを多大に含ませた返答を返すが、まだ続いたであろう言葉を遮って段々と熱を帯びていき最後にはルークへの揺るがない想いを大喝されてジェイドまでもがたまらず圧されたよう身を僅かに下がらせた。
「・・・おっ、結構まだ遠くはあるが見えたな・・・タルタロスが」
「っ・・・来たか」
場の空気が重くなる中デスマスクの遠目にタルタロスを確認したとの声に、冷や汗を一筋頬に浮かべていたヴァンもその光景を確認しそっと笑みを浮かべる。状況の打開がこれで出来るとでも思っているのが分かる形で。
‘ヒュンッ’
「どうも、カノン」
「「!!」」
だが余裕を浮かべかけたその表情は目の前にテレポーテーションで唐突に現れたムウにより、ジェイド共々ヴァンは驚きにより崩れてしまった。
「来たか、ムウ・・・アッシュは逃げ出してはいないな?」
「勿論です。でなければここに彼らは来なかったでしょうからね」
「よし、ならいい・・・お前はこの二人と共にいてくれ。奴らは俺達が片付ける」
「分かりました」
そんな二人など気にせず淡々と話を進めるカノンとムウに、二人はまだ呆然といった様子から回復出来ずにいる。
「では三人とも、聖衣を着てくれ。分かっているとは思うが奴らは一人も殺さないでおいてくれ・・・奴らには然るべき場にて裁きを受けてもらわねばならんのだからな」
「分かっている・・・では来い!我が聖衣、水瓶座の聖衣よ!」
「来い、射手座!」
「来い、蟹座!」
‘カッ!’
「「・・・っ!」」
だがだめ押しとばかりにカノンの言葉を皮切りにしてムウ以外の四人が各々空を指差すように上げた先から異次元の穴が開き、そこから現れた聖衣達が一斉にパーツ毎にバラけて所有者達の体を包んだ事に最早二人は唖然として言葉を失う以外に出来なかった。
「ふむ・・・サガはヘッドパーツはあまり身に付けていないから、こうやって普通に被っている姿を見ると違和感を感じますね」
「アッシュと会った時には聖衣に俺の意志を宿した状態でだったからな。ヘッドパーツがあった方が奴も分かりやすいだろう」
一人聖衣を呼ぶことなく様子を見ていたムウは双子座のヘッドパーツも身に付けている様子を珍しいと興味深げに眺め、カノンはアッシュに分からせるためだと告げる。
「カ、カノン・・・その姿は一体・・・それにそのサガ、というのは誰なのだ・・・?」
「・・・その疑問については後で時期が来たらお答えしましょう。ではムウ、後は頼む」
「えぇ、行ってらっしゃい」
ようやく驚きから多少は覚めたヴァンがなんとか今までと違う四人の姿にについて聞くが、後でと言い捨てムウに二人を任せる旨を伝えてカノン達はタルタロスの方へと走り出していく。四人で神託の盾を制圧する為に。
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