「んじゃ今からタルタロスに迎撃に向かいに行くか？あんま時間かけると面倒な姿を見せることになると思うぜ」
「そうしたいところだが、流石に説明もなしにいきなり行くのも憚られる上にこの娘を無理に連れていく必要もないだろう・・・一度アフロディーテ達の元に戻るぞ」
「ま、そうするか・・・ほれ、行くぞ。自分の足で動けよ」
「っ・・・」
そんな空気に早速とデスマスクが行くかと言うが、カノンから一度戻ると言われた事にさして気を悪くした様子を見せず視線を変えてティアに動くように言う。ティアは何か言いたげではあったが結局何も言わず、戻り出す一同の後をとぼとぼと付いていく・・・









「・・・あ、カノン・・・どう話は進んだんだ？」
「その事ですがそろそろ神託の盾の乗るタルタロスがこちらに来るという話になりました。先程の話をしたいのは山々なのですが、そちらの対応に向かわねば先に救助したアクゼリュスの住民に危険が襲い掛かってくる可能性が高くなります」
「っ・・・神託の盾がこっちに来るってのか・・・？」
・・・それでカノン達が戻ってきた事にルークは話をと早速切り出すが、神託の盾の事を返されたまらず不安げな表情を浮かべる。
「落ち着かれてくださいルーク様。彼らに対しての対応は我らにお任せください。瞬く間に撃退して参りたいと思います」
「撃退？・・・随分と自信満々だな。お前にしてはすごく大風呂敷を広げたように思うけど・・・そんな簡単に出来るのか？」
「はい。出来ぬことを申し上げるつもりも、玉砕覚悟で向かうつもりもございません・・・私達にお任せください」
「・・・分かった、行ってこい」
「はい、ルーク様」
そんな姿に自信を浮かべた笑みを持って今までになく強気な発言をするカノンに、ルークも最初こそは不安な表情を見せていたがその姿に覚悟を決めて真剣に行くようにと命じる。
「すまないがアフロディーテとアルデバランは引き続きルーク様達と、この娘も置いていくからまた共にいてくれ・・・すぐに戻る」
「・・・分かった。こちらは任せてくれていい」
ルークに頭を下げた後アフロディーテにティアを任せる旨を伝えるカノンだが、意味深な間が最後の言葉の前につく。その事にアフロディーテは触れることなくすんなり頷いて返す。
「では行きましょう、お二人も」
「「・・・」」
そしてカノンの言葉に引き続き連れていかれる事になっているジェイドとヴァンの二人は何も言わず、カノン達の後を付いていく・・・












「・・・さて、タルタロスがアクゼリュスに来るのならこちらからでしょうからこの辺りでよろしいでしょう」
「・・・一ついいか、カノン？」
「何でしょうか、謡将？」
・・・それで場所を移し、誰もいない平原部に来たカノン達。カノンが位置を決め停止したことにヴァンからの声がかかる。
「お前はアレがレプリカであると知って尚、態度を変えずに接している・・・それは何故だ？あれはまともな人間とは言えん存在だぞ」
「・・・」
「・・・まともな人間だと？ならばこちらからも聞こう、ヴァン＝グランツ。お前は被験者であるなら・・・本物であるというならそれだけで正義だと言うのか？人という存在は」
「っ・・・！」
それでヴァンから出てきた問いはレプリカであるルークをあからさまに嘲り、見下していると取れた上での物であった。ジェイドがその問いに自然と眼鏡に手をかける中、カノンが丁寧な態度をかなぐり捨てた上で怒気を放ちながら質問返しをしてきたことにヴァンはたまらず圧されたように息を呑んだ。まさかそのような返答が相当なレベルの威圧付きで来るとは想像していなかったとばかりに。











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