影を動く聖闘士の躍進

・・・それで道場を出てカノンと公爵は宿に行くアイオロス達としばしの別れを告げ、上の階層に上がっていった・・・のだが・・・



『しっかし、どうしたもんかね・・・アッシュのあの態度・・・実際に会ってみたら想像以上に厄介な感じだったしよ・・・』
『あの様子では十中八九どころか、十中十ファブレに戻った所で何も変わらんだろう。それこそルークに対する態度はまず間違いなくな』
『だろうな・・・』
・・・小宇宙を介しての通信が出来るカノン達は通信で普通に会話を交わしていた。
屋敷の中の自分の部屋に戻ったカノンだが、デスマスクにアイオロスのアッシュに対する考察には浮かない声を上げる。
『カノンの気持ちは分かるがその事については後にしよう。今はアクゼリュスに関してだが・・・やはり先に救助の者を送るべきだろう。一輝も向かってはいるだろうが、やはり人手は多い方がいい』
『となるとやっぱ障気の事を考えるならアフロディーテが適任だな』
『・・・また黄金聖闘士を呼ばねばならないのか・・・』
『気にするなカノン。我々は役目もあるが、この事態を最善の状況で解決したいと思っているんだ。それは地球にいるアフロディーテも分かってくれる』
『あぁ、それは重々承知している・・・』
カミュがその流れから話を変え援軍と切り出しデスマスクもアフロディーテをと切り出すが、やはり気乗りのしないカノンにアイオロスが声をかけ渋々だが納得させる。
『つっても流石にアフロディーテだけじゃ手が足りねぇだろうから、後一人その補佐に黄金から誰かつけてもらって何人か白銀に青銅辺りからつけてもらうか。質より数の方がどっちかっつったら必要だろうしな、アクゼリュスの救援は』
『その方がいいでしょうね・・・では私がシャカに連絡を取りますので貴方達はお休みください。明日早いでしょうからね』
『あぁ、すまないムウ』
『気にしないでください。私はこれで失礼します』
それでデスマスクが更なる援軍の具体案を述べるとムウが賛成した上で連絡をと言い、アイオロスの礼の言葉を受けてムウは通信を終える。
『ではそろそろカミュをそちらに戻す。その賊、正確には漆黒の翼と言うらしいがそいつらと話がついてわざと分かりやすく襲う段取りをつかせた。後は俺一人で大丈夫だ』
『分かった。導師にアニスの事はよろしく頼むぞ、ミロ』
『あぁ、またな』
今度はミロがイオン達の件で行動すると言い出し、今度はカノンも素直に頼むと言い快い返事と共に通信を終える。
『・・・さて、ムウもミロもいなくなったし話も一段落したことだ。話はこの辺りにしてもう休むぞ。明日からまた旅が始まるからな』
『そうするか・・・ではカミュ、お前の分も宿の部屋を取るから来てくれ』
『分かりました、すぐに向かいます』
『んじゃまた明日な、カノン』
『あぁ、ではな』
それでカノンは場の解散を切り出し、アイオロス達も素直に同意して三人と通信を終える。
「・・・明日からアクゼリュス行き、か・・・例え俺はどう思われようともルークを守る・・・絶対に・・・!」
そして一人何も音がない部屋に残ったカノンはそっと決意を新たに表情にし、声に出す・・・ルークを守ると・・・















・・・長くて短いようなアッシュに公爵を交えての対談の夜。その対談の夜が明けた。

ただ表向きは何もないと言ったようにカノンに公爵は朝に起き、共に玄関にてそろそろ起きてくるであろうルークを横並びにて待っていた。







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