影を動く聖闘士の躍進

・・・ここで時間はカノン達がアッシュを内密にバチカルにまで連れてきた時にまで遡る・・・












「・・・さて、公爵様にお前の対応の仕方も決めていただいた所で改めて問おう。お前は謡将にどのような理由によりキムラスカから連れ出された?」
「・・・・・・くっ・・・!」
改めて問いの声を向けるカノンに一切の容赦をする気はない、その事にアッシュは悔しげに声を上げる。
「・・・・・・それは、奴が俺の身を案じてと言っていた・・・超振動を使える俺がアクゼリュスに行けばアクゼリュスを消滅させることになると言ってな・・・」
「・・・やはり、そう言うことか・・・」
「やはり、と言うことは公爵様も理由に検討はついていたのですね。超振動が理由だと」
「あぁ、そうだ・・・」
そしてようやく絞り出た言葉に公爵は苦い顔で納得した。超振動との言葉に。
「超振動・・・確か一定の音素と音素の二つの交わりにより起きる現象だとのはずですが、それは全く同じ音素振動数ではないのであくまでも疑似的な超振動を一時的に起こす以外に理論上はまず無理だともあったはず・・・もしや公爵様、アッシュは・・・」
「・・・その通りだアイオロス。アッシュはただ一人誰の助けもなく単独で超振動を使える存在だと預言に詠まれ、体を構成する音素を調べ確定した。ローレライの力とも呼べる超振動を使えると」
「・・・成程、その超振動の力からですか・・・アクゼリュスを消滅させるということは・・・」
アイオロスがその超振動についての解釈と共に先を予測し公爵に視線を向けると、アッシュは単独で超振動を使えると重く肯定したことに同じように重く納得する。
「・・・いくつか疑問に思ったことがあるのですが、まずアクゼリュスを超振動で消滅させるというのはどういうことなのでしょうか?いくら超振動が強力であるとは言え、街一つが消滅するとは一概には思えないのですが・・・」
「あぁ、そいつは俺も思ったな。街一つが兵器を使ったって本当に消えるなんて正直信じられねぇよな。それこそ跡形もなく消滅って言えるレベルなんて」
そこに今度はムウがそんなことが出来るなんてと釈然としない表情を浮かべ、デスマスクも同じだと頷く・・・いくら黄金級の聖闘士と言えども1万人も住めるような街を一発で消滅させるような技など、持ち合わせてなどいない。嘆きの壁を壊すために12人全員揃って小宇宙を込めた矢を放ったように協力した上で威力を分散させ広域を壊せるようにすれば全くの不可能ではないだろうが、やはり黄金聖闘士1人では不可能なことをやれるということはムウ達も一概には信じられなかった。
「・・・その事に関しては私も詳しい訳ではないが、一応ダアトの者よりこの大地がいかな形で出来ているかを聞いているから答えよう。端的に言えばこの大地は実は浮いているらしいのだ、宙にな」
「・・・宙に、浮いている?」
「私にも詳しい原理は分からないが・・・話によれば創世歴の技術を用い、プラネットストームの力を利用してこの大地を宙に浮かせているらしい。それでこの今の大地を外殻大地と呼ぶが、この外殻大地はパッセージリングと言うリングで繋がっていて、セフィロトという外殻大地の中でも記憶粒子の集まりやすく大地を支える重要な場所が多々あるらしく・・・そのパッセージリングを壊せばそのセフィロトが支えていた大地は形を留めることが出来ず魔界に大地は落ちる、と言うわけらしい」
「・・・なんと・・・いや、それでも街一つが消滅などとは・・・」
「いや、私の予想によれば前例はある・・・それは、ホドだ」
「ホドだと、カノン?」
だが公爵からまさかの大地が宙を浮いているとの返答にデスマスクもムウも目を大きく開いてきょとんとしていたが、カノンからの言葉にアイオロスが反応する。ホドとの単語に。









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