世界の奔流の一幕に聖闘士の影

「・・・って向こうも気付いたって言うか、こっちに来るけど・・・なんだ、あいつ・・・女、なのか・・・?」
「いえ、正真正銘の男です。まぁこれはアフロディーテを初めて見たなら勘違いされるのは無理もありませんがね」
「・・・本当に、綺麗・・・」
と、向こうもルーク達に気付き近付いて来たがその相手・・・アフロディーテの姿にルークは男か女かと目を疑いデスマスクが笑顔で男と言い、ティアも嫉妬混じりにその一般に言われるレベルの美女でも霞むほどの絶世の美貌に見とれていた。
「・・・お待ちしていました、皆様。私の名はアフロディーテと申します。以後お見知り置きを」
「あぁ・・・ってアフロディーテ、でいいよな?その言葉だとお前、俺達がこの先に用があるの知ってるよな?なんで知ってるんだ?」
「それはデスマスク達によりもたらされた手紙よりです」
「デスマスク?」
そのアフロディーテが一同の前に来て美貌を全面に押し出す微笑と共に頭を下げるとルークは今ここにいるわけを聞くのだが、デスマスクと出た事にそちらに視線を向ける。
「これも公爵様より話を受けたからこその事です・・・何せアクゼリュスの救援は急務ですが、人手がなければ手間がかかります。ですから公爵様の許可を得た上で比較的アクゼリュスに近い位置にいる仲間であるアフロディーテ達にコンタクトを取ったのです。先にアクゼリュス救援に尽力してほしいと」
「へぇ・・・そうだったのか」
「そういうことでございます。それでアクゼリュスにはまだ私の仲間もいますが、そろそろ皆様が到着されるということで私がこちらまで迎えに来た次第でございます」
「そうか、まだいるんだな・・・」
デスマスクがアフロディーテがここにいるわけを説明し、当人がまだ仲間がアクゼリュスにいると言ったことにうんうんと頷く。
「・・・ま、そう言うことなら出迎えご苦労。後謡将はもうアクゼリュスにいるのか?」
「はい、謡将が来た後私は入れ替わるようこちらに参りました。今はアクゼリュスにいるのは間違いないかと」
「そうか・・・なら行くか、デオ峠を越えればもう少しなんだろ?」
「はい、道も脇道に逸れねばほぼ一本道です。私が案内致しますので付いてきてください」
ひとしきり納得した所でルークは謡将の事を聞いた後に出立を切り出し、アフロディーテが質問に答えつつ後ろに振り返り先頭に立ち歩き出す。
「・・・大丈夫かしら?あんな綺麗な人が戦えるとはとても思えないけど・・・」
「言っておくがアフロディーテは我々の中でも比較的好戦的な性格をしていて実力も我々と比肩出来るくらいに伴っている。甘く見て侮ればその分の代償は高くつくぞ」
「っ・・・」
ティアはその後ろを歩きながらアフロディーテの見た目で戦えないのではと疑うが、カミュから注意を告げられ口をつぐむ。高いレベルで戦えると聞いて文句を言おうにも言えないと感じたのだろう。












・・・そのようにしてアフロディーテも加わりデオ峠を抜けることになったルーク達。ただ道を知るアフロディーテは迷うことなく道を先導し、ルーク達も足を止めることなくデオ峠を進んでいった。



「・・・ルーク様、この先を抜ければデオ峠を越えアクゼリュスまで一直線になります」
「ようやく峠も終わりか・・・結構キツかったけど、もう少しか。んじゃもうちょい道案内頼むぜ、アフロディーテ」
「はい、お任せを」
そして道中トラブルもなく魔物もカノン達が問題なく片付けていった後峠の出口に差し掛かった時アフロディーテが峠を抜けれる事を告げ、ルークが再度道案内を頼めばうやうやしく頷き再びアフロディーテを先導にして一同は歩き出す・・・アクゼリュスへと・・・







18/24ページ
スキ