世界の奔流の一幕に聖闘士の影

「た、大佐・・・一体ルークのあれは・・・?」
「・・・あぁいった話題は逆鱗だったのでしょう。自身と共にカノンまでもを貶めるような話題は。ただあそこまでの態度になるとは私も思っていませんでしたがね・・・」
ティアは呆然とした様子でルークの態度の訳を問うと、理由を言うと共に自分も意外だったと眼鏡を押さえる。
「・・・こういった話題を自分から振っておいてなんですが、これよりは先程言ったような事を言わない方がよろしいですよ。下手に掘り返してしまえば今度はどのような事になるかは分からない上、忠誠を持って主に仕える人の事を何度も貶めてしまえば流石に大詠師と言えども貴女を擁護をする事が出来なくなりますからね」
「っ・・・分かりました。もう言わないようにします・・・」
それで一応もうこれ以上話題には出すなと眼鏡から手を離しながらモースの事を含めて告げるジェイドに、ティアは冷や汗を浮かべながら頷く。
「では行きましょう・・・モタモタして船に乗り損ねたなどというのはこちらも避けたいですからね」
「はい・・・」
(一応制止をかけはしましたが、気持ちが昂れば平気でティアは踏み越えるでしょうね。今言った制止など気にせず・・・まぁその時は我関せずでいますか)
その返答に行こうとジェイドは言い、頷き共に歩き出すティアに内心でいざとなれば見捨てるつもり満々でいた。















・・・そしてルーク達は船に乗り、後にカノン達も船に乗ってきた後でカイツールに向かい船は出港した。ただ神託の盾の目を避けて出発したのもあって、特に何か問題も起きることなく船はカイツールの港へと辿り着いた。






「・・・お待ちしていました、ルーク様」
「あぁ、アルマンダイン伯爵か・・・どうしたんだ?」
「この港に到着されました謡将達は一足先にアクゼリュスへと向かわれました。つきましてはルーク様も都合が悪くなければこのまま出立していただきたいのですが、いかがでしょうか?」
「・・・まぁ特に疲れてる訳じゃないし、別にいいよな?カノン」
「はい、よろしいかと・・・ちなみにお聞きしますが、謡将達は神託の盾に襲われたなどといった報告はございましたか?そしていつに謡将は出立されたでしょうか?」
「・・・いや、神託の盾に襲われたという話はしていなかったな。出立したのはつい先日の事だ」
「ありがとうございます、伯爵」
・・・それで船を降りたルーク達の前に後ろに兵士を従えたアルマンダインが現れた事で、ルーク達は会話を交わす。
「では参りましょう、ルーク様」
「あぁ」
カノンは頭を上げルークに出立を口にし、当人も頷いた事でアルマンダイン達は道を空けアクゼリュスへ向かい出すルーク達を見送る・・・












・・・そしてカイツールを出てアクゼリュスへ向かう道を歩くルーク達。それでしばらく歩きキムラスカ側の土地からアクゼリュスへ向かうのに避けては通れぬ地、デオ峠へと辿り着いた。



「・・・ん?あそこに誰かいるけど、神託の盾か・・・?」
「・・・いえ、心配はありませんルーク様。あれは私達の仲間です」
「ん?あれ、デスマスク達の仲間なのか?」
・・・デオ峠の入口に差し掛かったルーク達。
そこでルークが先の道に一人の人間が立っている姿を見て警戒を滲ませた声を上げるが、後ろを歩いていたデスマスクが笑顔を浮かべ仲間と言い出した事に途端に警戒を緩める。








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