世界の奔流の一幕に聖闘士の影
「・・・しかし、本当にすごいものですね。見たところこの魔物は只者ではなかったはずですが、それをこんなにあっさりととは・・・」
「そこについちゃ前も言ったかもしれないが、一々触れんなよ大佐殿。それに俺らは公爵様からルーク様もだが、この旅をサポートするために派遣されてんだから楽になんのに文句はねぇだろ?なぁ?」
「・・・まぁ、そうですね」
そこにジェイドが警戒を滲ませた声をむけてくるが、デスマスクの舐めきった笑顔と裏腹に有無を言わさない力のこもった声に納得の声を上げる以外になかった。
「・・・では参りましょう。障害が取り除かれた今、あちらに向かう我々を邪魔する物はいません」
「あぁ、そうだな。行こうぜ」
カノンがそのやり取りを見て出発を促し、ルークがすぐに頷き何事もなかったようにその出口へと向かい出す。
「・・・あれ、神託の盾の乗るタルタロスか?」
「そのようですね・・・ただあちらは位置が遠く、こちらを把握しているようには見えません。おそらく導師を捕縛する為にバチカルの入口を見張っているので、この入口については意識を向けてないかと思われます」
・・・それでその入口からバチカルを出たルーク達だが、そこで天気雨の中視線の遥か遠くにタルタロスを見つけた事にルークは表情を歪ませるがカノンはフード付きのマントをルークにかけながら大丈夫だろうと告げる。
「雨が止むまで待ちたい所ですが、この雨も人目を避けるのには好都合・・・少々濡れますが、このまま参りましょう」
「・・・そうだな、見付かりたくないし濡れるのくらいは我慢するか・・・んじゃ行こうぜお前らも・・・っつーかなんだよその顔は・・・」
そして執事としてではなく安全の為にと発案するカノンにルークも仕方なさげに頷き、後ろに振り返るがそこにいたティアに首を傾げる。
「・・・なんでそんなマントを普通に身に付けてるのよ。それに私達の分は・・・?」
「砂漠越えに必要だと思われる日除け用のマントを用意しただけですが?ちなみにアイオロス達は個人で用意した物で、私はあくまでルーク様と私の分を用意したまでの事です」
「・・・そこは私達に気を使う物じゃないかしら・・・?」
不満げなティアがそのマントについてジト目を浮かべて聞いてくるが、カノンが平然と各自で用意した物だと返した事に周りのマントを身にまとったアイオロス達を見ながらそれでも気を使えと文句を向ける。
「・・・マントを用意する時間は十分にあったはずてあると共に、ザオ砂漠を越えることも話をしていたからこそ日射しを避けるためにマントは入り用になると私は思ったまでの事・・・個人への好意がどのような物かは置いておくとしても、これは各自の責任問題かと思われますが?現にアイオロス達も個人個人でマントは用意した物ですが・・・」
「っ・・・くっ・・・」
カノンはその返答に仕方なさそうに各自で用意するものではないのかと返すと、ティアもアイオロス達の事も出された為に悔しげに視線を背ける。自分で用意するという考えがないのに用意してなかったから怒るのは道理に合わないと、そう突き付けられた為に。
「・・・これ以上時間をかけていると雨が止み、神託の盾の目もこちらに向くかもしれません。それにバチカルに戻れば時間がまたかかります、このまま進みましょう。よろしいですね?」
「・・・まぁしょうがないですね」
「・・・」
そんな様子にカノンはすぐさま出発をとジェイドとティアに切り出し、ジェイドは首を振りながら了承を返すがティアは無言で視線を反らす。
「では出発しましょう」
「あぁ、行こうぜ」
文句が出ないことでこれ以上の問答を避けて出発と切り出すカノンにルークも頷き、場を離れて歩き出す・・・
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「そこについちゃ前も言ったかもしれないが、一々触れんなよ大佐殿。それに俺らは公爵様からルーク様もだが、この旅をサポートするために派遣されてんだから楽になんのに文句はねぇだろ?なぁ?」
「・・・まぁ、そうですね」
そこにジェイドが警戒を滲ませた声をむけてくるが、デスマスクの舐めきった笑顔と裏腹に有無を言わさない力のこもった声に納得の声を上げる以外になかった。
「・・・では参りましょう。障害が取り除かれた今、あちらに向かう我々を邪魔する物はいません」
「あぁ、そうだな。行こうぜ」
カノンがそのやり取りを見て出発を促し、ルークがすぐに頷き何事もなかったようにその出口へと向かい出す。
「・・・あれ、神託の盾の乗るタルタロスか?」
「そのようですね・・・ただあちらは位置が遠く、こちらを把握しているようには見えません。おそらく導師を捕縛する為にバチカルの入口を見張っているので、この入口については意識を向けてないかと思われます」
・・・それでその入口からバチカルを出たルーク達だが、そこで天気雨の中視線の遥か遠くにタルタロスを見つけた事にルークは表情を歪ませるがカノンはフード付きのマントをルークにかけながら大丈夫だろうと告げる。
「雨が止むまで待ちたい所ですが、この雨も人目を避けるのには好都合・・・少々濡れますが、このまま参りましょう」
「・・・そうだな、見付かりたくないし濡れるのくらいは我慢するか・・・んじゃ行こうぜお前らも・・・っつーかなんだよその顔は・・・」
そして執事としてではなく安全の為にと発案するカノンにルークも仕方なさげに頷き、後ろに振り返るがそこにいたティアに首を傾げる。
「・・・なんでそんなマントを普通に身に付けてるのよ。それに私達の分は・・・?」
「砂漠越えに必要だと思われる日除け用のマントを用意しただけですが?ちなみにアイオロス達は個人で用意した物で、私はあくまでルーク様と私の分を用意したまでの事です」
「・・・そこは私達に気を使う物じゃないかしら・・・?」
不満げなティアがそのマントについてジト目を浮かべて聞いてくるが、カノンが平然と各自で用意した物だと返した事に周りのマントを身にまとったアイオロス達を見ながらそれでも気を使えと文句を向ける。
「・・・マントを用意する時間は十分にあったはずてあると共に、ザオ砂漠を越えることも話をしていたからこそ日射しを避けるためにマントは入り用になると私は思ったまでの事・・・個人への好意がどのような物かは置いておくとしても、これは各自の責任問題かと思われますが?現にアイオロス達も個人個人でマントは用意した物ですが・・・」
「っ・・・くっ・・・」
カノンはその返答に仕方なさそうに各自で用意するものではないのかと返すと、ティアもアイオロス達の事も出された為に悔しげに視線を背ける。自分で用意するという考えがないのに用意してなかったから怒るのは道理に合わないと、そう突き付けられた為に。
「・・・これ以上時間をかけていると雨が止み、神託の盾の目もこちらに向くかもしれません。それにバチカルに戻れば時間がまたかかります、このまま進みましょう。よろしいですね?」
「・・・まぁしょうがないですね」
「・・・」
そんな様子にカノンはすぐさま出発をとジェイドとティアに切り出し、ジェイドは首を振りながら了承を返すがティアは無言で視線を反らす。
「では出発しましょう」
「あぁ、行こうぜ」
文句が出ないことでこれ以上の問答を避けて出発と切り出すカノンにルークも頷き、場を離れて歩き出す・・・
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