聖闘士の暗躍に世界の流れは変わり出す

・・・それから四人はルークとの会話を交わしつつも、機を見て用事があると会話を切り上げファブレを出ることになった。









「・・・ではまた何かあったら来てくれ。守衛に俺の名を出してくれれば取り次ぐようにはしてある」
「あぁ、わかった」
・・・ファブレの門の前、ルークを屋敷の中に残し三人を見送るカノン。そこで会話を交わすカノンとアイオロスだが・・・
『何か変わったことがあればすぐに呼び掛ける』
『わかった、こちらもそうする』
その心の中では会話を交わしていた、何かあった時の事を。
「ではな、カノン」
会話もそこそこにアイオロスは話題を切り、三人は場を後にする。
「・・・導師の方は先程言ったように私が警戒をしておく。お前達はどうする?」
「・・・俺は適当に下の街中を警戒しとく。全く神託の盾がバチカルを襲わないなんて決まった訳じゃないからな」
「そうか・・・じゃあ俺は少しアクゼリュスに向かう。一輝達が気になるのもあるが、住民達の事も気になるからな」
「わかった・・・では夜になったらまた集まろう。ムウ達に合わせる為にな」
それで歩きつつカミュが二人にどうするかとの問いを投げ掛けると、二人独自の回答が出てきた事に納得して今日の予定をそうしようと再度投げ掛ける。二人はあぁとその言葉に頷き、三人は下に向かう天空客車に向かった。















・・・それで下層に着いた三人は一旦各々の行動の為に解散をした。
「・・・さて、導師は今城にいるから上層部だがどうしたものか・・・」
そんな中でカミュはイオンの元にすぐさま向かう事は不自然だと少し考え込む、城という場では流石にさらわれないだろうと考えた為に。
「・・・まぁムウにも言われた事だ。下手に隙を見せた時にさらわれたりすれば目も当てられん、もう一度上に向かうか」
しかしと考え直しカミュは上層部へ行く天空客車へと向かう、導師の守護は必要な事だと。






・・・それで再び一人で上層部に戻ってきたカミュは城の方へ視線を向ける。
「・・・む・・・」
そこで城の門の前、ある不思議な光景を遠巻きにカミュは目撃していた。
「・・・なんだ、あの者達は・・・あのような奇抜な格好をした者達が兵士と何を・・・?」
その光景とは道化染みた格好の三人、構成はリーダーと見られる女一人の男二人が城門の前の兵士と会話をしている姿だ。カミュはその城に似つかわしくない光景に眉を寄せていたが、その三人が話終えこちらに向かう姿を確認するとそっとそちらに向かう。
「・・・確かめてみるか、直接本人達に」
そっと呟いた言葉は分からないなら確かな力がこもっていた。カミュはそのままに歩を進め・・・歩いてきた三人組と顔を合わせる。
「・・・いきなり不躾な質問ですまないが、貴殿方はどういった方々だろうか?」
「は?いきなりなんでガスか?」
「失敬。このような言い方は望ましい物でないことは承知の上で言わせてもらうが、このバチカル上層部に似合うような三人ではないと思ったので声をかけさせてもらった」
「・・・随分はっきり物を言うねぇ・・・まぁいいわ。その質問に答えるけれど、私達は暗闇の夢って言うサーカス団の人間よ。ここにはサーカスをしてもいいかの許可をもらいに来たの」
「そういうことか・・・(・・・どうにもきな臭いな、この三人。立ち居振舞いがサーカスをしているだけとも思えん空気を漂わせている・・・)」
そのまま三人組にストレートに自身の考えをぶつけるカミュに一人の男は首を傾げたが、正直な言い方に女は呆れつつもサーカス団の人間と答える。カミュは一先ず納得するが、その三人をパッと見た姿だけでない不審さを確かに感じていた。








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