聖闘士の暗躍に世界の流れは変わり出す

・・・それからルークの望むようアイオロス達は楽しく話を交わした。とはいえ元々アイオロス達はこの世界の住人ではない上に聖闘士という立場にあるため、その辺りは適当に話を脚色して不都合でない程度に三人はしるし合わせるように進めていった。









「・・・わりぃカノン、少し腹を冷やした。手洗いを使わせてもらえるか?それと変に迷って入っちゃいけねぇ場所に入るわけにはいかねぇから案内頼む」
「分かった・・・ではルーク様、デスマスクを案内致しましたらすぐに戻ります」
「あぁ、分かった」
・・・そんな話に花を咲かせる中、デスマスクがすまなそうにトイレに行きたいと切り出した事にカノンもルークも了承し、デスマスクは椅子から立ち上がりカノンの後を付いていく。



「・・・対象は?」
「庭を俺達が使うことから部屋で待機しろとの命に従っている。怪しまれないように早く済ませろ」
「あいよ」
それで庭から屋敷内に入ると一転空気を引き締め真面目な会話を交わす二人はある場所を目指し、歩き出す・・・



「・・・む?これはカノンに、お客人ですか?何の用でしょうかこのような部屋に?」
「・・・頼む」
「あぁ」
・・・その場所とは使用人の部屋で、その部屋にいたのはベッドに腰をかけていた庭師で老人のペール。
ペールは二人が入ってきたことに疑問の声を向けるが、カノンは背を向けつつデスマスクに声をかける中、そのデスマスクの体から・・・小宇宙が立ち上ぼり、小指に集中していた。
「・・・行くぜじいさん!積尸気冥界波!」
「なっ・・・!」
そして有無を言わさず指を向けて放った積尸気冥界波は確かにペールを直撃し、その身はベッドへと倒れこんだ。









「・・・はっ!ここは・・・!?」
「・・・ま、とりあえず死後の世界の一歩手前とだけ言っておくぜじいさん」
「死後の、世界・・・!?」
・・・呼び名がないのは不便なので名義上は黄泉比良坂と呼ぶが、黄泉比良坂に来て意識を取り戻したペール。そこにデスマスクが声をかけてきたことに信じられないと目を向く。
「色々言いたいことはまだあるだろうが、とりあえずこれは先に言っておくぜじいさん・・・ガイ=セシル、いやガイラルディア=ガラン=ガルディオスだったか?・・・もうファブレにも現世にも帰ってこないぜ。唯一残ったあんたの主は」
「!?・・・な、何故そのような事を貴方が知って・・・」
「ま、一つ一つ説明してやる。ただ出来るだけ聞き漏らすのは勘弁してくれよ・・・あまり遅いとカノン達に心配されかねないんでな」
だがそこでガイ、それも本当の名前を明かした上で逝去済みと告げたデスマスクにペールは誤魔化しに取り繕うことも出来ず驚く。デスマスクはその姿に説明を開始する。ガルディオス一族が如何な事になったのかの顛末を・・・















「・・・ってわけだよ、ガイって奴が帰ってこない理由は」
「・・・まさか、先代方が魂だけとなってガイラルディア様の元にいたとは・・・それでガイラルディア様に失望され、魂を涅槃に連れていったと・・・」
「死んだと確定したわけじゃねぇが、まぁ死んだって見た方がいいだろうな。積尸気かある力を強く扱える人間じゃなきゃまず魂を現世に戻らせることなんて出来やしねぇし、あの親達が勘違いの復讐に身を投じた息子を簡単に許すとも思えねぇしな」
「・・・それも全て私がガイラルディア様の事を正しく導けなかったが故か・・・これでは先代方に申し訳が立ちません・・・」
・・・そして一連の流れを説明し終わった訳だが、やはり事実を知っていることの重さに先代方の行動に衝撃を受けたようでペールは愕然として頭をうなだれた。自身の至らなさも一因にあると自覚して。










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