双子の片割れの焔への従事
・・・ガイを部屋に残し一人報告が入るまで屋敷の入口のエントランスにて待っていたカノン。そんなカノンの元に公爵達が現れ、どこにルークが飛んだのかとの報告をしてきた。その報告によれば位置で言えばルークはマルクトのタタル渓谷に飛ばされた、との事だった。
そう聞いた上でカノンはもう一人の手分けして探すために選出された白光騎士団の兵士と相談し、もしタタル渓谷からマルクトに間違って行った場合としてカノンがローテルロー橋から陸路でルークを探し、もう一人の兵士は海路でカイツールに行きルークを探すことになった。尚もしもの事を考えたカノンの進言で、二人には国境を越えることを考え予備も含めた上で公爵から旅券を渡された。
・・・ここで普通ならバチカルから船に乗りケセドニアに向かうのが、タタル渓谷に向かう普通の正しい道順になる。だがここでカノンはもう一人の兵士に独自のルートがあってそっちから行った方が早いと言って別れ、バチカルを出た。尚そのルートは今回自分以外は人員の関係で他の人間は使えないと、その兵士を半ば強引に騙す形でカノンは押し通した。
しかし何故そんな無理矢理な事をするのかと言えば、カノンが取る捜索の為の移動手段を誰にも見られたくなかったからである・・・
「・・・よし、成功したな」
・・・砂風吹き荒ぶ砂漠にて、唐突に虚空から姿を現したカノン。その視線の先にはケセドニアの街の姿があった。
「休みの時にケセドニアに来ておいて良かったな。おかげでテレポーテーションのイメージをつかせやすかった」
その姿を確認しながらケセドニアに向かい歩き始めるカノンは成功だと、頬を緩ませる。
・・・そう、カノンの移動手段とはテレポーテーションの事だった。
異能の力を持つ者が多い黄金聖闘士において力の差はあれど、テレポーテーションはさほど珍しい能力とは言えなかった。ましてやカノンは兄であるサガもだが異次元を開けるほどに強い異能の力を持っているのだ。サイコキネシスにおいて黄金随一を誇るムウ程ではないとは言え、バチカルからケセドニアに飛ぶくらいは容易い事であった。
とは言え流石にそんな場面を他の人間に見せては大騒ぎになりかねない上にそのテレポーテーションに巻き込んでは光速の動きによるGで潰れかねないので、無理矢理一人になってカノンはここに来たのである。
『・・・もしもし、聞こえますか・・・?』
「ん・・・なんだ、この声は・・・?」
・・・そんな時に唐突にカノンの脳内に優しそうな声が響き、何事かと足を止める。
『あぁ、よかった・・・ようやく見つかりました。貴方はカノンですね?』
「っ・・・いかにもそうだが・・・その声はまさか・・・お前、ムウか?」
『はい、そうです』
その声に安堵の感情がこもっていて自身の名を確認したことに驚きを覚えたカノンだが、徐々に声が聞き覚えのあるものと思い出し最後に確認し返した声に相手も肯定で返した・・・自分はムウだと。
・・・双子の片割れが引き起こす変革
そこに新たに一石が投じられる
世界全てを変える新たな力が・・・
END
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そう聞いた上でカノンはもう一人の手分けして探すために選出された白光騎士団の兵士と相談し、もしタタル渓谷からマルクトに間違って行った場合としてカノンがローテルロー橋から陸路でルークを探し、もう一人の兵士は海路でカイツールに行きルークを探すことになった。尚もしもの事を考えたカノンの進言で、二人には国境を越えることを考え予備も含めた上で公爵から旅券を渡された。
・・・ここで普通ならバチカルから船に乗りケセドニアに向かうのが、タタル渓谷に向かう普通の正しい道順になる。だがここでカノンはもう一人の兵士に独自のルートがあってそっちから行った方が早いと言って別れ、バチカルを出た。尚そのルートは今回自分以外は人員の関係で他の人間は使えないと、その兵士を半ば強引に騙す形でカノンは押し通した。
しかし何故そんな無理矢理な事をするのかと言えば、カノンが取る捜索の為の移動手段を誰にも見られたくなかったからである・・・
「・・・よし、成功したな」
・・・砂風吹き荒ぶ砂漠にて、唐突に虚空から姿を現したカノン。その視線の先にはケセドニアの街の姿があった。
「休みの時にケセドニアに来ておいて良かったな。おかげでテレポーテーションのイメージをつかせやすかった」
その姿を確認しながらケセドニアに向かい歩き始めるカノンは成功だと、頬を緩ませる。
・・・そう、カノンの移動手段とはテレポーテーションの事だった。
異能の力を持つ者が多い黄金聖闘士において力の差はあれど、テレポーテーションはさほど珍しい能力とは言えなかった。ましてやカノンは兄であるサガもだが異次元を開けるほどに強い異能の力を持っているのだ。サイコキネシスにおいて黄金随一を誇るムウ程ではないとは言え、バチカルからケセドニアに飛ぶくらいは容易い事であった。
とは言え流石にそんな場面を他の人間に見せては大騒ぎになりかねない上にそのテレポーテーションに巻き込んでは光速の動きによるGで潰れかねないので、無理矢理一人になってカノンはここに来たのである。
『・・・もしもし、聞こえますか・・・?』
「ん・・・なんだ、この声は・・・?」
・・・そんな時に唐突にカノンの脳内に優しそうな声が響き、何事かと足を止める。
『あぁ、よかった・・・ようやく見つかりました。貴方はカノンですね?』
「っ・・・いかにもそうだが・・・その声はまさか・・・お前、ムウか?」
『はい、そうです』
その声に安堵の感情がこもっていて自身の名を確認したことに驚きを覚えたカノンだが、徐々に声が聞き覚えのあるものと思い出し最後に確認し返した声に相手も肯定で返した・・・自分はムウだと。
・・・双子の片割れが引き起こす変革
そこに新たに一石が投じられる
世界全てを変える新たな力が・・・
END
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