不死鳥よりもたらされる衝撃に双子の片割れは決断する
・・・そこからカノンは一輝より、先程見た大詠師の件の報告を受けた。その話を聞くにつれ、カノンの顔には深いシワと悲し気な表情が浮かんでいた・・・
『・・・これが俺が先程知った真実だ』
『・・・これが真実、だというのか・・・ルーク、いや今はアッシュだがその死がそのような形の預言に詠まれているなどと・・・そしてそれを受けなければならんのが、ルークだというのか・・・!』
それで一輝が全て話終わった事でわなわなとカノンは体を震わせ、顔を下へと下げた。
『・・・さて、どうするカノン?俺もだがデスマスク達もお前の指示の元、動いている。そしてこの事実が出てきた以上、何らかの対策を取らねばならぬことはお前にもわかっているはずだ』
「・・・事実を知った経緯が誉められたもんじゃないってのはなんとも言えねぇがな」
「そこは黙っておけ、デスマスク」
すかさず一輝は厳しく判断を求める言葉をかけるが、デスマスクがツッコミを入れアイオロスが首を振り止める。
『・・・何かあるとは、思っていた。だがこのような事までとは思っていなかった・・・この世界の預言狂いがここまで来ると、最早・・・!』
『・・・何故、決断をせん?ここまで来ればもう決断をしてもいいだろう・・・全てを解決するための手を下すための決断を』
『・・・俺はこの世界に来て風習やらなんやらと戸惑ったり、おかしいのではないかと思うことに直面したりしてきた。それこそ預言を初めとする物などにだ。そしてそういった考えに直面する時はまだある、今のようにな・・・だがそれでもこの世界、いやファブレはルークの事があったとは言え俺を受け入れてくれた・・・それを思うと俺は今の状況を壊すことを躊躇う気持ちが起きてくるんだ。自分の価値観だけで彼らの価値観に基づくこの世界の事を・・・』
「カノン・・・」
そんなやり取りを知らない記憶の中のカノンは苦渋に拳を握りしめるが、決断を未だしない様子に一輝が先を促すよう言葉を向ける。するとこの世界に生きてきたからこその情があると切に語り寂しげにカノンは視線を背け、カミュが悲しさを滲ませその名を呟く・・・当人からの偽りなき想いの葛藤が伝わってきただけに。
『・・・だがお前の言う通りだ、一輝。もう決断をしなければならない、もう決断をするべきだろう・・・ルーク、いやこの世界に対しどのような行動を取るかの決断を・・・!』
『・・・ならどうするつもりだ?』
『・・・決めた。その預言を覆し、そして良からぬ事を企んでいるであろうモースにヴァンらを叩き潰し戦争になどさせずに事を終わらせる・・・その果てにこの世界での居場所が無くなろうとも構わん・・・それでルークを始めとする人々が預言による犠牲にならない世界が作れるならな・・・!』
「カノン・・・そうか、決意したか・・・」
しかしカノンは一転迷う事は許されないからと表情を改めまっすぐな目で一輝に宣言した・・・犠牲になる人々の為に本格的に動くと。アイオロスに二人もその決意に納得して満足そうに頷く。
『・・・悪い、一輝。お前にはアイオロス達とムウ達に伝言を頼む。お前の知り得た事と俺がバチカルでお前達の到来を待っているという伝言をな。それが済んだら後は自由にしてくれ。帰るなり残るなりな』
『・・・伝言までは心得た。だが俺は帰らん。アクゼリュスとやらに向かわせてもらう』
『アクゼリュスに?』
『大詠師とやらの話では障気とやらにより住民におびただしい被害が出て、ロクに動けぬ者達で溢れかえっているらしい。そのような状況で人々を放っておく訳にもいくまい・・・俺はその人々の救出作業へと向かう。本来の聖闘士としての役目を果たす為にもな』
『一輝・・・すまん、お前を頼りにさせてもらう』
それで今後の指示を出すカノンだが一輝がアクゼリュスの救援を切り出した事に、それが本気な姿であったことに頭を下げた。頼りにすると。
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『・・・これが俺が先程知った真実だ』
『・・・これが真実、だというのか・・・ルーク、いや今はアッシュだがその死がそのような形の預言に詠まれているなどと・・・そしてそれを受けなければならんのが、ルークだというのか・・・!』
それで一輝が全て話終わった事でわなわなとカノンは体を震わせ、顔を下へと下げた。
『・・・さて、どうするカノン?俺もだがデスマスク達もお前の指示の元、動いている。そしてこの事実が出てきた以上、何らかの対策を取らねばならぬことはお前にもわかっているはずだ』
「・・・事実を知った経緯が誉められたもんじゃないってのはなんとも言えねぇがな」
「そこは黙っておけ、デスマスク」
すかさず一輝は厳しく判断を求める言葉をかけるが、デスマスクがツッコミを入れアイオロスが首を振り止める。
『・・・何かあるとは、思っていた。だがこのような事までとは思っていなかった・・・この世界の預言狂いがここまで来ると、最早・・・!』
『・・・何故、決断をせん?ここまで来ればもう決断をしてもいいだろう・・・全てを解決するための手を下すための決断を』
『・・・俺はこの世界に来て風習やらなんやらと戸惑ったり、おかしいのではないかと思うことに直面したりしてきた。それこそ預言を初めとする物などにだ。そしてそういった考えに直面する時はまだある、今のようにな・・・だがそれでもこの世界、いやファブレはルークの事があったとは言え俺を受け入れてくれた・・・それを思うと俺は今の状況を壊すことを躊躇う気持ちが起きてくるんだ。自分の価値観だけで彼らの価値観に基づくこの世界の事を・・・』
「カノン・・・」
そんなやり取りを知らない記憶の中のカノンは苦渋に拳を握りしめるが、決断を未だしない様子に一輝が先を促すよう言葉を向ける。するとこの世界に生きてきたからこその情があると切に語り寂しげにカノンは視線を背け、カミュが悲しさを滲ませその名を呟く・・・当人からの偽りなき想いの葛藤が伝わってきただけに。
『・・・だがお前の言う通りだ、一輝。もう決断をしなければならない、もう決断をするべきだろう・・・ルーク、いやこの世界に対しどのような行動を取るかの決断を・・・!』
『・・・ならどうするつもりだ?』
『・・・決めた。その預言を覆し、そして良からぬ事を企んでいるであろうモースにヴァンらを叩き潰し戦争になどさせずに事を終わらせる・・・その果てにこの世界での居場所が無くなろうとも構わん・・・それでルークを始めとする人々が預言による犠牲にならない世界が作れるならな・・・!』
「カノン・・・そうか、決意したか・・・」
しかしカノンは一転迷う事は許されないからと表情を改めまっすぐな目で一輝に宣言した・・・犠牲になる人々の為に本格的に動くと。アイオロスに二人もその決意に納得して満足そうに頷く。
『・・・悪い、一輝。お前にはアイオロス達とムウ達に伝言を頼む。お前の知り得た事と俺がバチカルでお前達の到来を待っているという伝言をな。それが済んだら後は自由にしてくれ。帰るなり残るなりな』
『・・・伝言までは心得た。だが俺は帰らん。アクゼリュスとやらに向かわせてもらう』
『アクゼリュスに?』
『大詠師とやらの話では障気とやらにより住民におびただしい被害が出て、ロクに動けぬ者達で溢れかえっているらしい。そのような状況で人々を放っておく訳にもいくまい・・・俺はその人々の救出作業へと向かう。本来の聖闘士としての役目を果たす為にもな』
『一輝・・・すまん、お前を頼りにさせてもらう』
それで今後の指示を出すカノンだが一輝がアクゼリュスの救援を切り出した事に、それが本気な姿であったことに頭を下げた。頼りにすると。
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