必然は偶然、偶然は必然 第七話

「ただ組分けをするのならどういった組分けにするのかが問題になるけど・・・」
「それは導師の方に人数を割くべきだろうな、それもティア達はルークの方に割かない方がいい」
「・・・どうしてですか?」
そうルークに同意したのも束の間、セネルがどう組分けをするべきかを悩む声を上げるがクラトスがティア達はもうイオンの方に決まっていると言う。だがそうなればティア達全員を担当しなければならないイオンは、静かにだが何故だと力を込め聞く。
「ティア達は導師の方がルークより守るべき人間だと考えているが、組分けをした時に導師の方に神託の盾が兵力を投じてくる可能性が高いというのも事実。ティア達にそれを話せば当然奴らはイオンの方に自分は付いていくと言い出すだろうが、それを無視して無理矢理分けるようなことをすれば奴らが不満を言うのは目に見えている。そんな人間を導師側より少ない人数のルーク側に置けば、最悪の可能性も有り得る。そいつが崩れたら全滅という可能性もな」
「成程、だからやる気のないヤツをルーク側に入れないようにいかなきゃいけないってことか」
「そう言うことだ」
「・・・まぁ確かにそう言うことなら、ルークの方にはティア達は配置しない方がいいですね・・・」



・・・イオンとルークの二人をティア達が見比べれば守るべき価値があると判断するのは、間違いなくイオン。それも優先すべき順位が時と場合により違わなくてはいけない時でもそれを優先する。



そんな行動を読んだ上で予測を立てたクラトスの論理に、セネルもイオンも納得の様子を表情に浮かべる。ただイオンは納得出来た様子だがやはりティア達と行くのは微妙に嫌そうなのは言葉尻に浮かんでいる。
「・・・とりあえず神託の盾の事と二組に分かれて出立することをウッドロウ達に伝えに行くぞ。ルーク側のメンバーをどうするかはウッドロウ達とも話し合って決めた方がいい」
「うん、そうだな。それに夜にここを出るんなら色々済ませてそれまで休んだ方がいい。行こうぜ、二人とも」
「あぁ」
「はい」
そんなイオンの姿を見つつもクラトスはウッドロウ達と合流するべきだと言い、三人は反論は特に返さずウッドロウ達の元へ向かう・・・












・・・そしてウッドロウ達と合流した後神託の盾が自分を見張っていた事と、その追撃を避ける為に夜の内に二組に分かれて出立することをクラトスは提案した。何故ルークでないかと言えば、ルークの言葉をティア達は否定から入り、良案を愚策と断じるからだ。そうなれば折角の神託の盾からの追撃を避ける策を不意にされた挙げ句、この広大な砂漠でタルタロスに追われるという事態に発展しかねない・・・

まぁ成功したのでそこはさておき二組に分けるとなりルークには色々なバランスを考え、ウッドロウ・ハロルド・ディムロスの3人が付くこととなり残りの面々はイオン組として動く事となった。その際ガイは自身がルークの方から外された事に若干不満げだったが、そこはルークがイオンの方に行けと命じればすぐさま分かったと返した為に事なきをえた。



「チョロいぜ」
・・・その時の事を思い出し、夜になってイオン組と分かれて先を進みだしたルークは口角を上げながら呟く。










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