必然は偶然、偶然は必然 第七話
・・・ウッドロウ達と共にバチカルに戻ってから翌日、ルークは自身の部屋で目覚めていた。
「ふぅ・・・確か今日は天気雨が降ったな・・・ま、別に今更どうだっていいんだけど」
『ルークよ、目覚めたか?』
「あ、ローレライ」
ベッドに腰掛けゆっくりしていたルークの頭に、ローレライの声が響く。
「どうしたんだ?」
『いやなに、ウッドロウ達はもうルークが城から出てきた時に備えて用意をしている。それを伝えておこうと思ったのと、アッシュがイオンの奪還に躍起になっている姿を見たのでな。それも報告と思ったのだが・・・』
「あぁ成程・・・つーかんなことしても今のイオン相手にやれるわけねーと思うけど」
『アッシュは公にバチカルには戻らない、戻れないなどと言っているようだからバチカルには入らんが情報を聞く限りでは導師は捕まってはいない・・・おそらくはそれらをうまく利用してイオンはルーク達と合流するだろう』
「で、更に六神将率いる神託の盾の評価を下げる腹積もりってとこだな。イオンは」
そこからアッシュを介しての神託の盾の行動の経過を述べるローレライに、ルークは愉快げに口元を歪ませる。
・・・ルークもイオンもヴァン達率いる神託の盾と、ティア達の行動を『預言だから』『仲間だから』などといった訳を口にし看過する気など今は全くない。むしろどれだけでも愚かしい事を証明しながらいればいいと思っている、そうすればするほど後々始末しやすくなるのだから・・・
「まぁ状況は大体わかった、多分ウッドロウ達も同じように思ってるだろうからすんなりと合わしてはくれるだろ・・・わざわざわりぃな、ローレライ」
『いや、別に構わん・・・もうそろそろ登城の時間だろう、また何かあれば連絡する』
「あぁまたな、ローレライ」
そんな一連の流れを話してくれたローレライが気を使って通信を切るような声を上げると、ルークはそれに礼を言う。
・・・そして程なくしてルークは部屋を訪れてきたメイドから登城してほしいと伝えられ、ファブレ邸を出てバチカル城へと入る。
「・・・なーにやってんだか・・・」
すると城の入口脇に以前と同じよう、ティアとモースの二人が何やら話をしている姿がルークの目に入った。だが以前と違いモースは明らかに不機嫌で厳しい表情でティアに何かを言っている・・・その姿から、ファブレ邸を襲撃した件をうやむやに出来ず罪人候補にティアがなったことでモースが第七譜石はアクゼリュスで是が非でも見つけろとでも発破をかけているのだとルークは考え、周りに聞こえないよう小さく呆れを口にしさっさと謁見の間へと足を向ける・・・こういう他国の格式高い場所でよくもまぁ感情剥き出しに醜い姿をさらせるなと思いながら、そしてティアもアクゼリュスの住民救助をついでの任務とするような態度をするなと思いながら。
「・・・あっ!ルーク・・・」
「何、ルークだと?・・・おぉ、これはルーク様・・・」
「・・・うげ・・・」
・・・と、ルークのスタスタ先を行く後ろ姿を見たティアがまた場をわきまえない声でルークと呼び捨てで小さく呟き、モースもそれを注意しないまま媚びるような声色を上げて近づいてくる。あいにく二人の会話が丸聞こえだったルークは振り向きたくないと思いつつ、精一杯普通の感情に表情のランクを下げて振り向く。
「カーティス大佐も中でお待ちです、我々も共に参りますので行きましょう」
「あぁ」
それから伺うように視線を送るモースにルークはあえて何も注意するでもなく頷き、さっさと謁見の間へと向きを変え足を進める・・・もちろんその瞬間気持ち悪そうな表情に戻しながら。
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「ふぅ・・・確か今日は天気雨が降ったな・・・ま、別に今更どうだっていいんだけど」
『ルークよ、目覚めたか?』
「あ、ローレライ」
ベッドに腰掛けゆっくりしていたルークの頭に、ローレライの声が響く。
「どうしたんだ?」
『いやなに、ウッドロウ達はもうルークが城から出てきた時に備えて用意をしている。それを伝えておこうと思ったのと、アッシュがイオンの奪還に躍起になっている姿を見たのでな。それも報告と思ったのだが・・・』
「あぁ成程・・・つーかんなことしても今のイオン相手にやれるわけねーと思うけど」
『アッシュは公にバチカルには戻らない、戻れないなどと言っているようだからバチカルには入らんが情報を聞く限りでは導師は捕まってはいない・・・おそらくはそれらをうまく利用してイオンはルーク達と合流するだろう』
「で、更に六神将率いる神託の盾の評価を下げる腹積もりってとこだな。イオンは」
そこからアッシュを介しての神託の盾の行動の経過を述べるローレライに、ルークは愉快げに口元を歪ませる。
・・・ルークもイオンもヴァン達率いる神託の盾と、ティア達の行動を『預言だから』『仲間だから』などといった訳を口にし看過する気など今は全くない。むしろどれだけでも愚かしい事を証明しながらいればいいと思っている、そうすればするほど後々始末しやすくなるのだから・・・
「まぁ状況は大体わかった、多分ウッドロウ達も同じように思ってるだろうからすんなりと合わしてはくれるだろ・・・わざわざわりぃな、ローレライ」
『いや、別に構わん・・・もうそろそろ登城の時間だろう、また何かあれば連絡する』
「あぁまたな、ローレライ」
そんな一連の流れを話してくれたローレライが気を使って通信を切るような声を上げると、ルークはそれに礼を言う。
・・・そして程なくしてルークは部屋を訪れてきたメイドから登城してほしいと伝えられ、ファブレ邸を出てバチカル城へと入る。
「・・・なーにやってんだか・・・」
すると城の入口脇に以前と同じよう、ティアとモースの二人が何やら話をしている姿がルークの目に入った。だが以前と違いモースは明らかに不機嫌で厳しい表情でティアに何かを言っている・・・その姿から、ファブレ邸を襲撃した件をうやむやに出来ず罪人候補にティアがなったことでモースが第七譜石はアクゼリュスで是が非でも見つけろとでも発破をかけているのだとルークは考え、周りに聞こえないよう小さく呆れを口にしさっさと謁見の間へと足を向ける・・・こういう他国の格式高い場所でよくもまぁ感情剥き出しに醜い姿をさらせるなと思いながら、そしてティアもアクゼリュスの住民救助をついでの任務とするような態度をするなと思いながら。
「・・・あっ!ルーク・・・」
「何、ルークだと?・・・おぉ、これはルーク様・・・」
「・・・うげ・・・」
・・・と、ルークのスタスタ先を行く後ろ姿を見たティアがまた場をわきまえない声でルークと呼び捨てで小さく呟き、モースもそれを注意しないまま媚びるような声色を上げて近づいてくる。あいにく二人の会話が丸聞こえだったルークは振り向きたくないと思いつつ、精一杯普通の感情に表情のランクを下げて振り向く。
「カーティス大佐も中でお待ちです、我々も共に参りますので行きましょう」
「あぁ」
それから伺うように視線を送るモースにルークはあえて何も注意するでもなく頷き、さっさと謁見の間へと向きを変え足を進める・・・もちろんその瞬間気持ち悪そうな表情に戻しながら。
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