必然は偶然、偶然は必然 第六話

・・・そして更に一方、ルークは・・・



「・・・では父上、これは確かにお預かりします」
「うむ・・・しかし驚いたな、ルーク。お前があのような事を言い出すとは・・・」
少し時間は経って時刻は夜深く、リビングにてルークは対峙していたファブレ公爵より手渡された物を見てうやうやしく頭を下げる。その様子を見たのもあるが、ファブレ公爵はルークの言い出した内容も併せて驚愕を少なからず隠しきれずにいた。
「俺も少しバチカルに戻るまでの間に少なからず学ぶことがありました・・・こうやって父上にお願いしたのはその学んだことの一環であり、せめてもの情けだとも思っての事です」
「・・・だから私をわざわざ待ち、このような人のいない時間まで起きていたというのか・・・まぁいい、それはお前が使うべき時と思った時に使うがいい。お前がそう言うのであれば私に反対する理由はない」
「・・・ありがとうございます」
そんな公爵に丁寧でいてどこか温度の低い声色で述べていくルークに、ファブレ公爵は特に反論するでもなく許容すると返す。その答えにルークは頭を下げるが、公爵からは死角の顔には夜で暗いのもあるが仄暗く愉快そうに上がった口角が見えていた。
「・・・もう今日は寝るんだ、時間も遅い。私ももう寝る、これ以上はお前には付き合わんからな」
「はい・・・お休みなさい、父上」
すると明日の事を考えてかファブレ公爵はもう寝るよう命じてくるが、ルークは大して何も返すことなく一礼をすると自分の部屋に向かう・・・









「・・・まっさか、ここまで簡単にもらえっとはな・・・まぁ向こうは俺の気分を損ねたくないし、別に支障はないからとっととってことでさっさと渡したんだろうな」
・・・そしてルークは先程手渡された物が案外あっさりと手渡された事を軽く分析しながら、天井にそれを手で持ってかざしながらベッドで寝転がっていた・・・その手に持たれた物とは、封に包まれた手紙らしきもの。
「・・・ククッ、これ見せたらどういう反応すっかな・・・」
その手紙らしきものを見ていたルークは笑いをこらえられずにはいられなかった、これが一番効果的に使える場面が来る時の事を思い・・・















順調に行く流れの中に影に隠れる行動



預言通りにいっていると思わせる為の行動は順調



確実に変わる、ゆっくりとだが激動の流れが作られていく内に










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