必然は偶然、偶然は必然 第六話

・・・カイツールにて一泊したルーク達。結局アッシュを助けに神託の盾は来はしなかったものの、来たらもうけもの程度に考えていた為大して気にもせずルーク達は港に向けて出発した。















・・・そして大したトラブルもなく、ルーク達は港にたどり着いた。



「・・・ん、平和そうだな」
「そうですね」
見た限り何か大きな事件は起きていそうもない、港の入り口から見た光景にルークはアッシュは何も指示を出せていないのだろうと含みを入れ呟きそれにイオンも同意する。
「んじゃさっさと行くか、早く帰りてぇしさ」
「はい」
ならばこそ港に長居して襲撃されコーラル城に来るよう呼び出されては元も子もない。早くここから去ろうというさりげない配慮にイオンもまた同意しながらさっさと歩き出す。












・・・そこから港の責任者であるアルマンダインに会ったルーク達は手厚い歓迎を受けながらも、早く船に乗りたいとルークが言った事ですんなりとケセドニア行きの船に見送られながら乗船した。



「快適だ~♪」
「やっと解放されましたからね、少しの間とは言え彼らから♪」
船内の一室、ルークとイオンはティア達を抜かしたウッドロウ達と共に爽快そうに過ごしていた。
「さて、これよりどうして過ごすんだい?」
「まぁゆっくりしてようかなって思うけど・・・」
『聞こえるか、皆?』
「え、あれ?イクティノスの方から声が聞こえてきたけど・・・イクティノスの声じゃないよな?」
「っつーかこの声、ローレライだよな?」
『いかにも』
ウッドロウがそんな二人に柔和に声をかけるとルークが答えるが、途中でウッドロウの腰にあるイクティノスからイクティノスの声ではない声が聞こえてくる。セネルが訝しみルークがローレライの声だと気付くと、その声は自身がローレライだと認める。
「どういうことなんだ、ローレライ?」
『いや、ルークと交信すればルークとは普通に話せるが他の面々とは話せないと思ってな。それでイクティノスに頼み、こうやってイクティノスを介せば我の声を周りに通せるようにしたのだ』
『ちなみにその時は俺は声が重ならないよう配慮して極力黙っている、気にしないでくれていい』
「あぁ、ローレライがイクティノスに施した処置ってそれか・・・」
どういうことなのかと聞くとローレライとイクティノスが丁寧に説明し、ルークはあぁと納得する。
「それでどうしたのだ、ローレライ?」
『いや、事の次第をアッシュの視点から見ていたのでな。アッシュがシンクに助けられ捕縛されていた現状から助け出された事と、こうやって人のいないところでなら我も話せる事を伝えたかったのだが、まずかったか?』
「いや、それは全然構わないけど・・・アッシュを助けたってそれ、いつくらいの話だ?」
『ルーク達がカイツールの港に着く少し前程の事だ・・・今はタルタロスに乗ってこの船を追いかけるような航路の上でひたすらにルークに対する愚痴をこぼしているがな』
「うへぇ、逆恨みもいいとこじゃん・・・っつーかシンクがアッシュを助けるってあんまイメージねぇんだけど・・・なんか助けてもディストかアリエッタな感じがするし」
『それはシンクも愚痴をこぼしていたな。ディストはやたら怯えていたしとかアリエッタはどっか行ってて使えないしとか、リグレットは妙に落ち込んでいて任せられないしとか・・・まぁラルゴの名前が出なかったのはあまり隠密行動向けのタイプではないから仕方ないとの判断だったのだろうな、シンクからしても』
「あぁ・・・だから仕方なく自分で行ったんですね、シンクが・・・」
それで要件を聞くディムロスの質問から、話がアッシュを助けた時の事になりイオンもまたシンクの判断が妥当だと納得する。









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