必然は偶然、偶然は必然 第五話

・・・ウッドロウ達がルーク達3人と離れて何をしているのか?・・・それは今捕らえられているアッシュを解放しに六神将の誰かが来るかもしれないと考え、その襲撃の警戒にあたっているからだ。

とはいえ流石に昼に捕らえたばかりのアッシュをその夜に解放しに来るには多少無理がある、様々な事を考えた上で一応来ても対応出来るようウッドロウ達はアッシュのいる所を見張っているのだ。



「遅くても、数日中にはアッシュは、連れ出されるでしょう・・・そうなればその分、僕達にかけなければいけない、時間がかかるから、うまくいけば、コーラル城に呼び出される事もなく、船に乗れる、でしょうね・・・」
「イオン、言いたい事は分かるから息を整えろー。きついの分かるから」
「すみません・・・」
ルークとセネルの会話にイオンは真面目に入ろうとするが、息が切れ途切れ途切れになっている現状にルークから話さなくてもいいと気遣われて引き下がる。
「でもちょっと考えるとやっぱ俺からすると変としか言いようがないんだよな、国の軍隊が軍の駐屯地襲っておいて全く罰を与えられないなんてことをまかり通せるなんていうのがさ」
「それは樽豚のせいでもあるからだよ。あれは預言達成の為なら普通は黒の事でも平気で白ってごり押すからな。六神将は有用な自分の手駒、そう思ってるから罪を平気で無かったものにすんだよ・・・ま、オールドラントっつーか俺らの周りの奴らも罪を平気で無かったものにするけどな」
「あぁ・・・まぁそれは分かるよ、すごく」
イオンが休憩している姿を見てセネルは自身の世界との大きな差違を責めるような口調で言うが、ルークからモースにティア達を含めた周りの人間達が異質なのだと言われセネルも納得する・・・この世界はあくまでも預言を抜かせばそこまで常識が飛び抜けて違っている訳ではない、あくまでティア達の行動が飛び抜けておかしいからこその現状なのだと。
「・・・だからこそ今俺達、こうやってオールドラントを変える為に行動してるんだよな・・・」
「あぁ、そうだよ」
「今更こう言うのもなんだけどさ・・・絶対うまくいかせような」
「・・・あぁ!」
「・・・えぇ!」
・・・そう理解したからこそ改めてセネルは話に聞いた混迷を重ねたオールドラントの未来を重複させてはいけない、その為にはティア達を排する事も辞さない。強い気持ちを込めて宣言したセネルに、ルークとイオンの二人は満面の笑みを浮かべて全幅の信頼を込めた返答を返した。


















・・・かつてにこれだけの安息と信頼を覚えていたか?



そのようなことを考える気など二人には微塵もない



もう昔のような盲目の信頼を傾ける事はないのだから・・・






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