必然は偶然、偶然は必然 第五話
「・・・ルーク君の悩みは切実だな。これがチェルシーだったらまだ微笑ましい物と思えるのだがね」
「「チェルシー?」」
そんな二人を見てウッドロウが比較にチェルシーの名を出し、二人は首を傾げる。
「私の弓の師匠の孫娘だった子でね、彼女は心から私の事を慕ってくれたよ。ただ知り合いの子供から彼女に会った時の事を教えてもらったのだが、器量がよく相手も見つけようと思えば見つけれたはずなのに一切結婚をしようとしなかったらしくてね・・・その子供から話を聞いた知り合いからは私の事を未だに憧れの王子様で私との結婚を夢見ているからだと言われたのだよ。私はあくまで子供が背伸びをして慕っているだけだと思っていたが、その話を聞くまではチェルシーは良き伴侶と出会い結婚している物だと思っていたのだがね・・・」
「・・・一途にも程がありすぎだろ・・・」
「だな・・・」
チェルシーの事を話していくウッドロウは最初は微笑ましげに話していたがその後の事を話し出すと寂しげになり、ルークもセネルもチェルシーはそれからも結婚しなかったのだろうなと理解しつつその思いの強さに脱帽する。
・・・余談だがウッドロウはイクシフォスラーというハロルドがかつて作った飛行船を借りに来たかつての仲間のスタン・ルーティ夫婦の息子のカイル達が後々返しに来た時に話してくれた事から知り、更にカイルから話を聞いたルーティから出された手紙を見てチェルシーの想いの強さを知ったのである。
「でもウッドロウって結婚してなかったのか?普通結婚してたら女の人も諦めるって言うか、なんか吹っ切れるもんじゃねぇの?よくわかんねぇけど・・・」
「いや、少し事情があってね。結婚を考える気になれなかったんだよ・・・ウウンッ、話を戻すがチェルシーと違いアニス君の行動はあまり誉められた物ではないからね。そこでイオン君、1つ頼みを聞いてはくれないかい?」
「はい、なんでしょうか?」
場の空気が妙な方向に行っている、そう感じたウッドロウは咳払いをして空気を変えつつもイオンに頼みを切り出す。
「彼女がセントビナーに来たらすぐに囮としてカイツールに行くよう、マクガヴァン氏に言っておいてくれないかい?」
「・・・囮、ですか?」
「うん、ルーク君の精神にもだが彼女がずっとセントビナーにいては神託の盾の追跡が厄介な事になりそうだからね。だからそれを訳として導師はもう先に行っていると見せかける為にアニス君にカイツールに行ってもらい、導師は神託の盾の追跡が無くなった後余裕を持ってカイツールに行くとでもマクガヴァン氏に言ってもらえば色々言いながらも行きはするだろう。そうなれば神託の盾の追跡の手を緩める事もだが、ルーク君の精神も落ち着くと思うのだがどうかな?」
「成程、まぁブーブー言いそうですが一応行きはしそうですね・・・」
中身を聞くイオンにウッドロウは囮になってもらおうと丁寧に訳つきで言い、イオンは納得しつつ手をアゴに添え考える。
「・・・ウッドロウさんの言う通りにしましょう、わずかの時間とは言え快適な時間はあるに越した事はありませんからね。ついでにマクガヴァンさんには僕達に顔を見せていたら時間がなくなるから導師には顔見せはしないようにも言ってもらいましょうか・・・ではクラトスさん、もう一度駐屯地に付いてきてもらっていいですか?」
「わかった、行こう」
「では行ってきます」
そして考え終わるとイオンは自分の考えを追加しつつクラトスに同行を頼み込み、善は急げと二人で部屋を退出していく・・・
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「「チェルシー?」」
そんな二人を見てウッドロウが比較にチェルシーの名を出し、二人は首を傾げる。
「私の弓の師匠の孫娘だった子でね、彼女は心から私の事を慕ってくれたよ。ただ知り合いの子供から彼女に会った時の事を教えてもらったのだが、器量がよく相手も見つけようと思えば見つけれたはずなのに一切結婚をしようとしなかったらしくてね・・・その子供から話を聞いた知り合いからは私の事を未だに憧れの王子様で私との結婚を夢見ているからだと言われたのだよ。私はあくまで子供が背伸びをして慕っているだけだと思っていたが、その話を聞くまではチェルシーは良き伴侶と出会い結婚している物だと思っていたのだがね・・・」
「・・・一途にも程がありすぎだろ・・・」
「だな・・・」
チェルシーの事を話していくウッドロウは最初は微笑ましげに話していたがその後の事を話し出すと寂しげになり、ルークもセネルもチェルシーはそれからも結婚しなかったのだろうなと理解しつつその思いの強さに脱帽する。
・・・余談だがウッドロウはイクシフォスラーというハロルドがかつて作った飛行船を借りに来たかつての仲間のスタン・ルーティ夫婦の息子のカイル達が後々返しに来た時に話してくれた事から知り、更にカイルから話を聞いたルーティから出された手紙を見てチェルシーの想いの強さを知ったのである。
「でもウッドロウって結婚してなかったのか?普通結婚してたら女の人も諦めるって言うか、なんか吹っ切れるもんじゃねぇの?よくわかんねぇけど・・・」
「いや、少し事情があってね。結婚を考える気になれなかったんだよ・・・ウウンッ、話を戻すがチェルシーと違いアニス君の行動はあまり誉められた物ではないからね。そこでイオン君、1つ頼みを聞いてはくれないかい?」
「はい、なんでしょうか?」
場の空気が妙な方向に行っている、そう感じたウッドロウは咳払いをして空気を変えつつもイオンに頼みを切り出す。
「彼女がセントビナーに来たらすぐに囮としてカイツールに行くよう、マクガヴァン氏に言っておいてくれないかい?」
「・・・囮、ですか?」
「うん、ルーク君の精神にもだが彼女がずっとセントビナーにいては神託の盾の追跡が厄介な事になりそうだからね。だからそれを訳として導師はもう先に行っていると見せかける為にアニス君にカイツールに行ってもらい、導師は神託の盾の追跡が無くなった後余裕を持ってカイツールに行くとでもマクガヴァン氏に言ってもらえば色々言いながらも行きはするだろう。そうなれば神託の盾の追跡の手を緩める事もだが、ルーク君の精神も落ち着くと思うのだがどうかな?」
「成程、まぁブーブー言いそうですが一応行きはしそうですね・・・」
中身を聞くイオンにウッドロウは囮になってもらおうと丁寧に訳つきで言い、イオンは納得しつつ手をアゴに添え考える。
「・・・ウッドロウさんの言う通りにしましょう、わずかの時間とは言え快適な時間はあるに越した事はありませんからね。ついでにマクガヴァンさんには僕達に顔を見せていたら時間がなくなるから導師には顔見せはしないようにも言ってもらいましょうか・・・ではクラトスさん、もう一度駐屯地に付いてきてもらっていいですか?」
「わかった、行こう」
「では行ってきます」
そして考え終わるとイオンは自分の考えを追加しつつクラトスに同行を頼み込み、善は急げと二人で部屋を退出していく・・・
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