必然は偶然、偶然は必然 第五話
・・・クラトスが他の導師守護役のスパイ嫌疑について納得しつつ、ルーク達は駐屯地にいるマクガヴァン親子に会いに行った。
「・・・これはこれは導師、いかがなされたのですか?このような所まで?」
「こちらに来るとは私は連絡は受けてはおりませんが・・・」
広間に通され二人を待っていたルーク達の元に、マクガヴァン親子がイオン達に丁寧に応対しつつも突然の来訪にいぶかしんだ様子を見せる。
「少し事情がありまして、急いでこちらに来ました。まずはどういった成り行きで私達がこのセントビナーに来たのか、聞いてはいただけないでしょうか?」
「それは、まぁ・・・」
そんな二人にイオンが緊迫した様子で話を聞いてほしいと言うと、グレン将軍が少し押されたように肯定の声を上げる。
・・・そしてイオンの口からマクガヴァン親子に一連の流れが話された。ピオニーから和平の仲介を頼まれマルクトに来たこと、その道すがらバチカルからファブレ公爵邸に侵入してきたティアのせいでマルクトに飛ばされたルークとエンゲーブで出会ったこと、それでルークと同行をするようになりジェイドに半ば強制的にタルタロスに乗せられたこと、更にタルタロスが神託の盾に襲われイオン達はジェイド達を置いて脱出したこと・・・それら全てをイオンは説明した。
「・・・という訳で私達はジェイド達と離れはしたものの、なんとか逃れここに来たのです」
「・・・それは、なんというか・・・どう言えばいいのか・・・むぅ」
「・・・父上、お気持ちはわかります」
六神将を打破したことは隠しつつも、それら以外は大して包み隠さず話したイオンの話の中身を受け親子共々難しい顔になりグレン将軍は老マクガヴァンの顔を覗きこむ。
「・・・導師。失礼を承知でお伺いしますが、それらは全て本当の事ですか?」
「全て本当の事です。だから私はここに来たんです、神託の盾の捜索の手からしばらく逃れる為にお二人の力添えをいただきたくて・・・」
「「・・・むぅ」」
親の顔を覗きこんだ後はイオンの顔を伺いながらグレン将軍は再度話の真意を問うてくるが、はっきりとした肯定が協力要請ととまたもに帰ってきた事に二人はまた難しい顔をする。
・・・別にここでイオンはジェイド達の愚行を断罪してもらいたいとは思っていない、あくまでも証言者に二人がなってもらいたいから話を聞いてもらったのだ。証言者になり得るかの確認を取ると同時に、後々表舞台から降りてもらう為の段階を踏む為に。
「僕達が脱出する前にはもうタルタロスはほぼ制圧されていましたので、あの状況ではカーティス大佐に僕の護衛であるアニスの命があるかどうか・・・定かではありません」
そこからさりげに1つ距離を取った名字の階級付け呼びをしつつ、内心ゴキブリみたいにしぶとく生き残って戻って来るとは思いますけどと思いながらイオンはジェイド達の命の行方は知れないと目を伏せる。と、イオンは顔を上げ懐から和平の親書を取り出す。
「その上神託の盾に追われては、いくらこちらのクラトス率いる腕利きの傭兵達が守ってくれても状況は好転しません。だからお願いします、この和平の親書を守る為にも少しの間ここにかくまってはいただけないでしょうか?神託の盾も私達がこの近辺にいないと思えばすぐに撤退するでしょうし・・・」
「それは構いません、我々としても陛下の意志である和平の道が閉ざされるのは望むところではありませんので・・・」
「それが妥当でしょう、父上。ですがもしカーティス大佐が帰ってこなかったらと考えると、導師と共にバチカルに行ってもらう人員を考えませんと・・・」
「うむ、そうじゃな」
そこからどれだけ慎重を期さねばならないかを話すイオンに、マクガヴァン親子は真剣な様子で承りつつもこれからの事について話し合う。
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「・・・これはこれは導師、いかがなされたのですか?このような所まで?」
「こちらに来るとは私は連絡は受けてはおりませんが・・・」
広間に通され二人を待っていたルーク達の元に、マクガヴァン親子がイオン達に丁寧に応対しつつも突然の来訪にいぶかしんだ様子を見せる。
「少し事情がありまして、急いでこちらに来ました。まずはどういった成り行きで私達がこのセントビナーに来たのか、聞いてはいただけないでしょうか?」
「それは、まぁ・・・」
そんな二人にイオンが緊迫した様子で話を聞いてほしいと言うと、グレン将軍が少し押されたように肯定の声を上げる。
・・・そしてイオンの口からマクガヴァン親子に一連の流れが話された。ピオニーから和平の仲介を頼まれマルクトに来たこと、その道すがらバチカルからファブレ公爵邸に侵入してきたティアのせいでマルクトに飛ばされたルークとエンゲーブで出会ったこと、それでルークと同行をするようになりジェイドに半ば強制的にタルタロスに乗せられたこと、更にタルタロスが神託の盾に襲われイオン達はジェイド達を置いて脱出したこと・・・それら全てをイオンは説明した。
「・・・という訳で私達はジェイド達と離れはしたものの、なんとか逃れここに来たのです」
「・・・それは、なんというか・・・どう言えばいいのか・・・むぅ」
「・・・父上、お気持ちはわかります」
六神将を打破したことは隠しつつも、それら以外は大して包み隠さず話したイオンの話の中身を受け親子共々難しい顔になりグレン将軍は老マクガヴァンの顔を覗きこむ。
「・・・導師。失礼を承知でお伺いしますが、それらは全て本当の事ですか?」
「全て本当の事です。だから私はここに来たんです、神託の盾の捜索の手からしばらく逃れる為にお二人の力添えをいただきたくて・・・」
「「・・・むぅ」」
親の顔を覗きこんだ後はイオンの顔を伺いながらグレン将軍は再度話の真意を問うてくるが、はっきりとした肯定が協力要請ととまたもに帰ってきた事に二人はまた難しい顔をする。
・・・別にここでイオンはジェイド達の愚行を断罪してもらいたいとは思っていない、あくまでも証言者に二人がなってもらいたいから話を聞いてもらったのだ。証言者になり得るかの確認を取ると同時に、後々表舞台から降りてもらう為の段階を踏む為に。
「僕達が脱出する前にはもうタルタロスはほぼ制圧されていましたので、あの状況ではカーティス大佐に僕の護衛であるアニスの命があるかどうか・・・定かではありません」
そこからさりげに1つ距離を取った名字の階級付け呼びをしつつ、内心ゴキブリみたいにしぶとく生き残って戻って来るとは思いますけどと思いながらイオンはジェイド達の命の行方は知れないと目を伏せる。と、イオンは顔を上げ懐から和平の親書を取り出す。
「その上神託の盾に追われては、いくらこちらのクラトス率いる腕利きの傭兵達が守ってくれても状況は好転しません。だからお願いします、この和平の親書を守る為にも少しの間ここにかくまってはいただけないでしょうか?神託の盾も私達がこの近辺にいないと思えばすぐに撤退するでしょうし・・・」
「それは構いません、我々としても陛下の意志である和平の道が閉ざされるのは望むところではありませんので・・・」
「それが妥当でしょう、父上。ですがもしカーティス大佐が帰ってこなかったらと考えると、導師と共にバチカルに行ってもらう人員を考えませんと・・・」
「うむ、そうじゃな」
そこからどれだけ慎重を期さねばならないかを話すイオンに、マクガヴァン親子は真剣な様子で承りつつもこれからの事について話し合う。
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