必然は偶然、偶然は必然 第五話
・・・タルタロスから脱出し、リグレットと別れてルーク達は一路セントビナーを目指した。その道程の傍ら警戒をしつつも、ルーク達はなんとか神託の盾の追撃を受けないままセントビナーに辿り着いた。
「・・・ふぅ、なんとか無事に着いたな」
セントビナーの中に入り、ホッと一息ついたルーク達。
「まずは休憩、と言いたい所ですが先に駐屯地にいるグレン将軍とマクガヴァン元帥に会いましょう。話を通しておかないと神託の盾の押し掛けがあったら面倒になりますからね・・・ではクラトスさんは付いてきてもらっていいですか?ルークの護衛の傭兵団の代表として、色々発言していただきたいのですが」
「あぁ、わかった」
そこからイオンは駐屯地に行くこととクラトスに同行を願い出、クラトスも快く了承を返す。
「それでウッドロウさん達は宿屋に行ってもらっていいですか?まだ大丈夫だとは思いますが、神託の盾がセントビナーを封鎖する前に宿屋の部屋を確保してもらいたいんです」
「わかった、では我らは一足先に宿で休ませてもらおう」
「わたしはソイルの木の方に行ってるわ。あの木の話聞いてたらちょっと色々見てみたくなったからね~♪んじゃ行ってくるわ♪」
クラトスの了承を取れた事で今度はウッドロウに宿を取るようイオンは願い、それも笑顔で快く了承するとハロルドが自分の言いたい事を言ってさっさと楽しそうにソイルの木の方に向かう。
「・・・こんな時くらい団体行動は出来んのか、ハロルドは・・・」
『今更だろう、それに夜が更ける前には帰ってくるさ』
「まぁそうしてくれるなら構わねぇよ。んじゃ行こうぜ、また後でな」
「あぁ」
その行動にディムロスとイクティノスは呆れつつもルークは駐屯地に行こうと言い、セネルが別れを告げ二手に歩き出す。
「・・・1つ聞きたかった事を聞いていいか、導師?」
「なんですか?」
ウッドロウ達と別れて歩き出す中、クラトスはイオンに真剣な声で問いを投げ掛ける。
「確か話を聞けば導師はジェイドに連れられてダアトを出たと聞いたが、何故導師は他の導師守護役を連れてこなかったのだ?それこそ他にもいたのだろう、直属でなくとも使えてまともな導師守護役は」
「あぁ、そのことですか」
そこからクラトスは他の導師守護役を連れてくるでもなく何故アニス一人伴って来たのかとアニスが役たたずであると添えながら問い、イオンは大して否定もせず答えていく。
「まぁ連れていけない訳じゃなかったんですけど、今思い返せば他の導師守護役も正直信用が置けない人材ばかりなんですよ。何せ導師守護役の人事を担当しているのはあの樽豚ですからね。直属以外の導師守護役にどれだけ樽豚の手がかかってるかが分からないんですよ。まぁダアトではアニスが休むとなったら他の彼女達が僕を警護していたわけですし、アニス程でなくても僕の動きをあの樽豚に伝えていた人がいてもおかしくはありませんので、万が一と思い連れてこなかったんです」
「・・・成程」
使わないではなく使えない、実質的な警戒を現すイオンの訳の説明にクラトスは納得の声を上げる。
・・・イオンが言ったよう導師守護役はアニス一人ではないが、同時にスパイもアニス一人と確約された訳ではない。モースが影で打っていた手は1つだとは誰も言ってはいないのだ、以前はアニスの事だけが目立ってしまったが。
そんなもしかしたら揺さぶられたら敵になり得るかもしれない人員をむざむざ懐に入れる理由はない、例え優秀であったとしても。
時が経ち慎重な考えを身につけたイオンの思考に、クラトスからは反論が出てくる事はなかった。
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「・・・ふぅ、なんとか無事に着いたな」
セントビナーの中に入り、ホッと一息ついたルーク達。
「まずは休憩、と言いたい所ですが先に駐屯地にいるグレン将軍とマクガヴァン元帥に会いましょう。話を通しておかないと神託の盾の押し掛けがあったら面倒になりますからね・・・ではクラトスさんは付いてきてもらっていいですか?ルークの護衛の傭兵団の代表として、色々発言していただきたいのですが」
「あぁ、わかった」
そこからイオンは駐屯地に行くこととクラトスに同行を願い出、クラトスも快く了承を返す。
「それでウッドロウさん達は宿屋に行ってもらっていいですか?まだ大丈夫だとは思いますが、神託の盾がセントビナーを封鎖する前に宿屋の部屋を確保してもらいたいんです」
「わかった、では我らは一足先に宿で休ませてもらおう」
「わたしはソイルの木の方に行ってるわ。あの木の話聞いてたらちょっと色々見てみたくなったからね~♪んじゃ行ってくるわ♪」
クラトスの了承を取れた事で今度はウッドロウに宿を取るようイオンは願い、それも笑顔で快く了承するとハロルドが自分の言いたい事を言ってさっさと楽しそうにソイルの木の方に向かう。
「・・・こんな時くらい団体行動は出来んのか、ハロルドは・・・」
『今更だろう、それに夜が更ける前には帰ってくるさ』
「まぁそうしてくれるなら構わねぇよ。んじゃ行こうぜ、また後でな」
「あぁ」
その行動にディムロスとイクティノスは呆れつつもルークは駐屯地に行こうと言い、セネルが別れを告げ二手に歩き出す。
「・・・1つ聞きたかった事を聞いていいか、導師?」
「なんですか?」
ウッドロウ達と別れて歩き出す中、クラトスはイオンに真剣な声で問いを投げ掛ける。
「確か話を聞けば導師はジェイドに連れられてダアトを出たと聞いたが、何故導師は他の導師守護役を連れてこなかったのだ?それこそ他にもいたのだろう、直属でなくとも使えてまともな導師守護役は」
「あぁ、そのことですか」
そこからクラトスは他の導師守護役を連れてくるでもなく何故アニス一人伴って来たのかとアニスが役たたずであると添えながら問い、イオンは大して否定もせず答えていく。
「まぁ連れていけない訳じゃなかったんですけど、今思い返せば他の導師守護役も正直信用が置けない人材ばかりなんですよ。何せ導師守護役の人事を担当しているのはあの樽豚ですからね。直属以外の導師守護役にどれだけ樽豚の手がかかってるかが分からないんですよ。まぁダアトではアニスが休むとなったら他の彼女達が僕を警護していたわけですし、アニス程でなくても僕の動きをあの樽豚に伝えていた人がいてもおかしくはありませんので、万が一と思い連れてこなかったんです」
「・・・成程」
使わないではなく使えない、実質的な警戒を現すイオンの訳の説明にクラトスは納得の声を上げる。
・・・イオンが言ったよう導師守護役はアニス一人ではないが、同時にスパイもアニス一人と確約された訳ではない。モースが影で打っていた手は1つだとは誰も言ってはいないのだ、以前はアニスの事だけが目立ってしまったが。
そんなもしかしたら揺さぶられたら敵になり得るかもしれない人員をむざむざ懐に入れる理由はない、例え優秀であったとしても。
時が経ち慎重な考えを身につけたイオンの思考に、クラトスからは反論が出てくる事はなかった。
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