必然は偶然、偶然は必然 第四話

「・・・まぁそれはともかくだ、さっさとセントビナーにでも行ってゆっくりとしようぜ。多分あいつらの事だからしぶとく生き残って来るだろ。マクガヴァン元帥辺りに事情説明してあいつら待っといても全然大丈夫だと思うぜ」
「うむ、そうだね。神託の盾もじき私達に向け追手を差し向けてくるだろう。以前聞いたセントビナーの封鎖も今のうちなら封鎖されきれる前に行けるかもしれない」
「・・・話は決まったな。では行こう」
ハロルドの話が終わったのを見計らい話を切り出したルークの声に、ウッドロウもクラトスも同意して返すと一同はセントビナーに向けて歩き出す・・・












・・・そして時間は少し進み、タルタロスのブリッジにて・・・



「・・・リグレット?どこに行っていた?」
「・・・すまない、少し不覚を取って敵に囚われの身になって今戻ってきた」
ブリッジの扉を開け入ってきたリグレットの姿にラルゴが何をしていたのかを問い、非常に話すことは不本意と言わん様子で捕まっていたことを話す。
「何をしてんのさ、アッシュだけならいざ知らずアンタまでそんなことになるなんてさ」
「くっ・・・!」
その様子にシンクがアッシュまで巻き込んで毒づき、アッシュは拳をプルプル震わせながらシンクを苛立たしげに見る。反論しないのはルークに負けたと言う事実を掘り返したくない自身の考えがある故だろう。
「・・・すまない」
「まぁいいさ。それより今は導師を探し出すことが先だよ。この艦の指揮を取っていた死霊使いは一応僕で捕らえはしたから、邪魔者はその傭兵くらいだよ」
「・・・そうか」
リグレットはその皮肉に反応せず謝りを入れる中でシンクが淡々とイオンを捕らえる為の話をしていくが、リグレットは上の空のような声色で返事を返す。
「・・・ねぇ、らしくないことをやって凹むのはわかるんだけどさ。そうやってボーッとするくらいならしばらく休んでなよ、らしくない姿を見せられるとアンタだけじゃなくこっちや兵士達の士気が下がるんだからさ」
「・・・すまない、私は少し休ませてもらう」
その声にシンクはイライラしたよう休めときつい言葉で投げ掛けるが、リグレットはそれでも奮い立たない様子でその言葉の勧めた通り力なくブリッジから立ち去っていく。
「・・・どうしたんだ、リグレットは?」
「さぁね、僕の知ったことじゃないよ」
「・・・チッ、あれは何かの間違いだ・・・!」
その後ろ姿を見届けながらラルゴとシンクは一言程度だが会話を交わし、アッシュはその時の事を思い出そうとしたらルークに負けた事を思い出しそれを頭の中から振り払うよう独り言を呟く。












・・・きっかけはきっかけを呼ぶ連鎖も起こし得る



1つのきっかけは一人の運命を変える物となる



だがきっかけはあくまできっかけ、それから如何様に変わるかは賢王の手に委ねられる・・・



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