混ざりし世界での暮らしと焔との交流

・・・その後ルークから様々な話を聞いた後、数日は滞在することをアンジュにも伝えた上で三人はルークと共にクエストに向かった。その際にはルークの剣の腕の確かな向上を確認した上でクエストをつつがなく済ませてきた。



「ルークはとりあえず大丈夫のようだな」
「まぁガイ達はまだしつこいみたいに言ってたけど問題ないっしょ。ルークは戻る場合のデメリットについて承知してるし、ガイ達は国に切られる事を覚悟してまでルークと一緒になんて気持ちはないようだし」
「もしそこまでしてガイ達がルークに付く事を選んだなら、ルークも心は揺らいでいただろうがな」
それで食事も済んで(食堂にいたロックスにカノンノには久しぶりだと喜ばれ、普段に中々出ない豪華な食事が出てきた)三人は以前に使っていた部屋に行き、ルークの前では出来ない話をしていた。主にガイ達についてである。
「ガイ達って言ったら保守的な人間なのよね、人間関係に関して。自分の位置を変に乱される事を嫌いで、近いと思う位置にいる人間が離れる事を嫌う。けどそれって言ったら当人の気持ちを理解してることとは別なのよね~。んで社会的な立ち位置ってのはそういうコミュニティとはまた別物の問題で大抵の人間はそれに捕らわれるもんだけど、そこで社会的な物の方に比重がかかるってことは・・・無意識の中でルークの方を選べないって考えたって事よ。それじゃコミュニティから外れてでもって行動したルークの気持ちを動かすなんてまず無理ね。その気持ちを理解もしてないでただそう言うばかりじゃ」
「ちなみに『ハロルド』から見てガイ達がそう出来る可能性はあるのか?」
「ガイ達の心変わりが有り得ない事はないから可能性は無いことはないけど、小数点以下の可能性って言っとくわ。余程の事がないとルークの気持ちを理解して同じ立場に立って動くなんて事態はまず起きないでしょうしね」
「そうか、なら安心か」
『ハロルド』がまずルークとガイ達の相互理解の可能性は相当に低いと言い切る姿に『セネル』もホッとした様子を浮かべる。
「・・・とりあえずはこの話はここまでにしておくぞ。今のルークなら私も大丈夫だと思うが、これ以上我々が議論しても仕方のないこと。それにアンジュ達にも言ったことだが我々は数日経てばまた世界を移動する身・・・後はルークを信じる、それだけでいいだろう」
「・・・そうだな、そうするか」
「そうね~」
そう可能性について話が進むが『クラトス』がその話を終わらせようとルークを信じることにと締めくくらせる声に、二人も頷く。












・・・ルークは大丈夫、そう確信をしながら三人はルミナシアでの日々を過ごしていった。その時には何人か程ではあるが偶然三人がいた頃のアドリビトムメンバーも来たりして話が弾んだりもして、楽しく過ごせた。そしてその間ルークも楽しそうに笑っていた、自然に仲間との交流を楽しむ形で。

そして数日も経ち三人はいつまでもいるわけにはいかないということでルミナシアを発つ事を決め、アドリビトムの面々・・・特にルークと別れの挨拶を交わし、ルミナシアを後にした。三人ともにあのルークなら以降も大丈夫、そう確信を新たにしながら・・・












END









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