混ざりし世界での暮らしと焔との交流

・・・それでルークの案内の元で四人が来たのは以前ライマ組で固まり、ルークがいた方の部屋である。



「ま、とりあえずゆっくりしてくれよ・・・っつっても色々聞きたくて仕方ないって感じがすんのは分かるんだけどな」
「それなら話は早いが、まず先に・・・ここにガイ達は来ているのか?」
「いや、ここを使ってんのはとりあえず俺一人だから安心していいぜ」
「そうか・・・」
部屋に着き三人に早速話をするかを投げ掛けるような事を言うルークに、まず『クラトス』が探るようガイ達について質問するといないと返ってきた事に一先ず納得する。
「んじゃ次に私が聞くけどなんであんた一人でアドリビトムにいんの?」
「あ~・・・そいつに関してだけど、三年前にアッシュとナタリアをくっつけたいって言っただろ?それの結果だよ」
「それの結果って・・・どうなったんだ、あの後一体?」
続いて『ハロルド』が一人の訳を聞くとやったことの結果と返され、『セネル』は早速の核心に真剣で静かに先を促す。
「まずは結果を言うとその目論見に関しちゃ成功はしたよ。大分時間はかかったし、貴族にガイ達の大反発は買ったけどな」
「・・・なら今ここにいるのはその成功の代償、と言った所か?」
「ま、言っちまったらそんなとこだよ・・・大雑把に言うと正当王位継承権をアッシュに移行させナタリアをその婚約者にしたいってんなら、交換条件として発言の撤回は認めないって事とアッシュにその子供が産まれたなら不慮の事故か何かで死なない限り、俺に王座が絶対回ることはないって形の形骸化した王位継承権を受け入れろ・・・それとこちらから許可を出さない限りは国に帰るなって言われたんだよ」
「っ!・・・国に、帰るな・・・!?」
その返答にルークは成功と返すがその為に払った代償が端から聞いて重いと言わざるを得ない物に、『セネル』は愕然とした声を上げた。だが当の本人であるルークは厳しい条件を出された結果なのに平然とした表情のままだ。
「向こうとしたらこう言ったら俺が二の足を踏むだろうって期待半分、厄介な事を言う俺に下手に国にいられても面倒だから対策の為って気持ち半分って感じで俺にそう言ったと思うぜ。ま、俺としちゃそれで済むんならってすぐそれでいいってしたけどな」
「・・・なんでそんな風にあっさり決めることが出来たんだ・・・?」
「そっちの方が都合が良かったからだよ。その条件が嫌だからってごねて変えてもらってライマ本国に残った所で、俺に向けられる目ってのは厄介者を見るような目だろうし・・・アッシュには勝手な事をしやがってとか俺はそんなこと望んじゃいねぇとか言われ続けて、ガイ達も似たような事を言い続けんのが目に見えてる。正直そんな目に晒され続けてたら俺もどうにかなりそうだってのは目に見えてたしな」
「・・・お前はそうなることを見越してたのか・・・?」
「まぁ俺がごねればごねるほどそうするならって厳しい条件が出るだろうってのは予想していたからな。軟禁とか今すぐ自殺しろとか言うのじゃなくて、妥協出来る条件ならそれでいいって思ってたんだよ」
そのままの様子でルークは話を続けるが、あまりにも普通なその姿に『セネル』の方が大丈夫なのかと言いたくなるくらいに心配そうな表情だ。
「・・・しかし交換条件付きとは言えよくも国の上層部がそんなことを了承したものだな。ルークの意見を封殺する事も有り得たと思うが」
「まぁそこについちゃピオニー陛下が俺の話を聞いてくれてたのが大きいんだけどな。謁見の間で俺がそう言い出したってのがあるけど」
「ピオニー陛下?あの方もいるのか?」
「ん?知ってるのか、『クラトス』達も?」
「あちらのルークについて言ったと思うが、そちらにもいたのでな。ピオニー陛下は」
「そうなのか・・・」
今度は『クラトス』がよく成功したと言うが、そこでルークから出たピオニーの名に両者共にそうなのかと意外そうに感じ声を上げる。
「・・・まぁ話を続けるけど俺がそんなことを言い出して貴族達が騒ぎだしたもんだから、仕方ないって感じで仲裁に入ってくれたんだよ。ピオニー陛下に大分迷惑だったのは想像出来るけど、あの人が入ってくれなかったらこんな風に外に出ることもないような状況になってなかったかもしれないしその点はすげぇ感謝してるよ。ただ俺の事で迷惑をかけたのは申し訳なかったけどな」
「そうか・・・」
気を取り直し話を始めるルークはピオニーの存在があったからと苦笑しながらも感謝を述べ、『クラトス』も頷く。










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