必然は偶然、偶然は必然 第四話

「はっ!」
‘ダァン!’
「むっ!」
リグレットはすぐさまウッドロウを敵として排除しようと銃を向け引き金を引くが、ウッドロウはイクティノスで弾を受け止める。
「やるな・・・だがあちらを止めなくていいのか?あのままではアッシュが奴を殺してしまうぞ」
「さて・・・それはどうかな?」
「・・・っ!?」
その身のこなしを見てリグレットは賛辞を送りつつもルークを殺させるのを阻止しなくていいのかと自身の願望を含めて言うが、ウッドロウが首をルーク達の方を見るよう振ったためそちらを見ると、リグレットの顔に瞬時に驚きが浮かび上がる。
「・・・チィッ!」
「どうした、んなもんか?六神将の名が泣くぞ?」
その視線の先にはアッシュが荒々しく剣を振っているのに、ルークが受け止めもせず余裕の笑みで交わす姿があった。



・・・音譜帯に昇ってから地上を覗く以外は特にやることもなく、よく剣の修行をルークはしていた。それに元々アッシュとエルドラントで決着をつけた時には時の運があったとは言え、ルークはアッシュを実力的に越えていた。それに譜術が使えないとは言え使う剣筋が自分と同じなのも承知済み。

・・・元々の素質に何十年単位の剣術の鍛練に手の内も全て知っている、それらを踏まえればルークがアッシュに負ける道理など一片もなかった。



「避けてるばっかも飽きるから行くぞ・・・魔神拳!」
「うぐっ!」
剣をかわしながらもルークは1つバックステップを入れると、魔神拳を放ちアッシュに攻撃を浴びせる。
‘バタンッ!’
「アッシュ!・・・チッ!」
「おっと、行かせないと言っただろう」
「っ・・・!」
うめき声を上げて吹き飛ばされたアッシュにリグレットは駆け寄ろうとするが、すぐさままたウッドロウに前に入られ苦々しげに歯噛みする。









・・・ルークとウッドロウの二人がアッシュとリグレットの二人と戦いを繰り広げる、そんな中でイオン達3人は機関室の前にたどり着いた。するとそこにいたのは・・・
「・・・アリエッタ!」
「・・・イオン様!?」
「導師がここに来た!?何故私の所に来るのですか!?」
無数の魔物を引き連れたアリエッタ、そしてその隣で心底自分の元に来た事に動揺するディストだった。アリエッタはイオンの来訪に驚きを隠せない。
「アリエッタ・・・お久しぶりです」
「イオン様・・・」
「再会を手放しで喜びたい所ですが、このような状況では素直には喜べませんね・・・まさか貴女がこんなことをするとは・・・」
「・・・ごめんなさい、イオン様・・・」
神妙な雰囲気でイオンが話を切り出し、襲撃の状況を悲しそうな声で突かれアリエッタは暗い面持ちで下を向きながら謝る。
「・・・ええい、何をのんびりと話し合っているのですか!アリエッタ、導師を早く捕まえ・・・!?」
‘ヒュン!’
「・・・少し黙っていてもらおうか」
「ヒィッ!」
その光景に動揺から立ち直りディストはイオン捕縛の指示を出そうとするが、クラトスから目にも止まらぬ早さで剣を首筋に向けられ情けなく声を上げその身を硬直させる。
「・・・アリエッタ、貴女にお話があります。少しの間だけお話を聞いてはいただけませんか?クイーンのことです」
「ママの・・・?・・・はい、わかりました」
そんなディストを意に介する事なくイオンは早速話をする体勢へと入り出し、アリエッタはクイーンと聞き首を縦に振る。
「では話します・・・」
話を聞く体勢になったことでイオンはゆっくり口を開く、クイーンをチーグルの森から連れていってもらうための事情の説明の為に。











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