「・・・んじゃ悪いけどそろそろ行くわ。あんま長居してもなんだし、あいつらが何か言ってくるだろうしな」
「そうか・・・じゃあな」
それでルークが行くと言い背を向ける姿に、『セネル』が声をかけ手をヒラヒラ振りながらルークは部屋から出ていった。
「さて・・・これからどうなるか・・・」
「ま、いいじゃないの。それより私達もそろそろ出る準備をするわよ、次の世界に行きたいし♪」
「早く帰りたい・・・」
ルークの姿が消え『クラトス』がそっと呟くがさっさと気持ちを切り替え次の世界への楽しみを抱く『ハロルド』に、心底から『セネル』はぐったりと漏らした。自分のいた世界への想いを・・・















・・・そしてその後、三人はルミナシアから別の世界へと飛びいくつかの世界を経由した後にオールドラントへ飛び、ルーク達との再会と共にルミナシアのルークの事について話した。その時はルークは違う世界の自分の事とは言えガイ達から独り立ちしようとしてるのだから成功してほしいな、と同一存在の自身の事に想いを馳せて口にしていた。


















・・・それから三年後、一度は二人を元の世界に戻した『ハロルド』だが再び世界を巡ることにしたと『セネル』と『クラトス』の二人をほぼ強制的に引き連れ世界を飛んだ。






「・・・着いたわね～」
「ここはルバーブ連山の麓か・・・確かこの世界のルークと初めて出会ったのもここだったが・・・」
「早くバンエルティア号っていうかアドリビトムを探すぞ。この世界じゃそっちの方が早いだろうし」
「そうね、んじゃ行きましょっか」
・・・それでまずはと『ハロルド』が目的地として来た世界は、以前に交流していてそこのルークがどうなったのか気になったルミナシアである。
光の中から現れた三人は軽い懐かしさを覚えはしても、さっさと本拠地が移動するギルドで有名なアドリビトムを探そうと場を後にしていく。






・・・そんな形なので多少アドリビトムを探すのに時間がかかることを覚悟しながら三人は動いていたのだが、たまたま近くにあった街で買い出しに来ていたバンエルティア号を見つけた三人は早速そちらに向かった。この機を逃すつもりはないと。



「・・・あっ、アンジュ久しぶり～」
「ハロルド・・・ってもしかして、貴女達は別世界の『ハロルド』達なの・・・？」
「そうよ～、これないと分からなかったっしょ」
「そうね・・・こちらのハロルドはたまにしかアドリビトムに来ないから助かったわ」
そしてバンエルティア号のエントランスに来て気軽に挨拶をする『ハロルド』に、額に巻かれた布を見て一瞬戸惑って確認を取るアンジュ。その反応に用意した甲斐があったとニヤッとハロルドが口元を歪ませ、アンジュも笑みを見せる。
「なぁ、早速で悪いんだが久しぶりにこの世界に来たばかりだから色々教えて欲しいことがあるんだ。時間あるか？」
「えっと、私はちょっとやることがあるんだけど・・・」
「どうしたんだ、アンジュ・・・って、あれ・・・？」
「むっ・・・ルーク・・・？」
一先ずの挨拶が済んだと判断し『セネル』が話が出来るかと聞くとアンジュが微妙そうに表情を歪めるのだが、奥の方から白を基調とした以前の服ではなく黒を基調とした服を着るルークが現れた事に両者は意外そうに驚き見つめあった。
「あぁ、ちょうどよかったルーク。この三人はまたこの世界に来たらしいんだけど、来たばかりで今どうなってるか分からないらしいから教えてあげてくれない？」
「・・・まぁいいけど。とりあえず俺の使ってる部屋に行こうぜ」
「・・・あぁ、そうさせてもらう」
アンジュは渡りに船とばかりにルークに説明を任せ、気を取り直してルークが移動を提案すれば『クラトス』が頷いたのをきっかけに四人は移動していく・・・










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