「・・・うっとうしいわね～、チラチラと」
「向こうは俺達があんな形にルークを変えたって思って何か聞きたいって思ってるけど、俺達が誰にもそれを言わないからやきもきしてるんだろ」
「だがこうも我々に対し何度も目線を向けられるようではな・・・『ハロルド』も感じてはいるが、確かに辟易する気持ちは分かるな」
・・・三人に割り当てられた部屋の中、三人は思い思いの言葉を口にする。その言葉には共通してうざったいという気持ちがこもっていた。



・・・三人が何故こんな会話をしているのかと言えば、度々互いにクエストに誘い誘われと良好な関係を築いているルークが変わっていく姿にガイ達が三人に対し視線を向けているからだ。各々の考えに違いはあれど、ルークを変えていってる三人に対して探るような視線を。

特にガイはその傾向が強いのだが、その視線にこもっている感情はあまり好意に満ちているような物ではないと感じていた。どちらかと言えば自分の物を取られた嫉妬に満ちた物であると。そして他のティア達に関しても誰からもあまりいい感情を持って見られていないと、三人は共通して感じていた。



「でもなんであいつらは視線を向けてくるばっかりで何も言ってこないんだ？特にアッシュとか俺達に遠慮なく突っ込んで来そうなのに・・・」
「少なくともアッシュにガイは意地じゃないの？アッシュからすればあの屑の変化なんか知ったことかって関心を示してるなんて悟られたら恥とか思うだろうし、ガイは一番ルークの事を知ってる自分が人に聞くなんてって思ってるでしょうし。まぁ私達が何か用って聞いてきたらその事について聞いてくるんじゃないかしら、ルーク本人は絶対に言わないようにしてるようだから内心気が気でないだろうし」
「そしてティア達はその意地に引きずられ、自分から私達やルークにその事を聞きに行くのはとでも思っているのだろう。特にナタリアはアッシュの影響でおろおろするばかりで結局は何も自分から言い出すこともないはずだ。自分ばかりが先に知るわけにはいかないとな」
「知ったら知ったででどうしようかって悩みそうよね～。まぁルークにアッシュ関連だと普段の気の強さが鳴りを潜めるからそんな心配はないと思うけど」
「本当だったら一番先に聞かないと行けないと思うんだけど、それなら余程のきっかけがないとガイ達は動きそうにないな」
・・・だがそんな状態になってはいるが直接的な接触は一切ない。『セネル』の疑問の声に『クラトス』も『ハロルド』も答えていき、最後には溜め息を吐きそうに言葉を漏らす。結局ガイ達は自らの望むような事態の根本的解決に動かないだろうと話から結論付いた事に。















・・・そんな風にガイ達からあまり良くない感情を向けられはしたが、結局何も三人やルークに対して行動を起こされる事もなく時は過ぎていった。

ルークの訓練に付き合い、アドリビトムのメンバーに様々な目で見られ、ガイ達にはマイナスに近い感情を向けられ・・・三人は結構な時間をルミナシアで過ごしていたが、世界に混乱をもたらしたラザリスを倒しディセンダーが世界樹の元に帰り一連の騒動が収束をしていくにつれ、アドリビトムのメンバーはその大体が国に帰ることを選択していく。その中には混乱していたライマがまとまりを見せてきたことから国に帰ることになったルーク達もいて、その事から『ハロルド』も色々調べたいことは調べたと言った事もあり世界を飛ぶと三人は決意した。



「・・・これでお別れ、か・・・」
「そうなるな・・・」
・・・それでライマの者もまとまって帰ると決めた前日、ルークは三人のいる部屋に別れの挨拶に来ていた。しんみりとするルークに『セネル』もそっと返す。
「別にずっとそうなるって決まった訳じゃないわよ？私がまた二人を連れてここに来ようと思えば来れるわけだし」
「お前いつまで俺らを引きずり回すつもりだよ！」
「まぁいいじゃないのよ、減るもんじゃないし」
「はは・・・まぁまたこっちに来ることがあったら俺に連絡してくれよ。成功したかどうかくらいは伝えたいしな」
「・・・こちらにまた来るとなるのは複雑だが、そうなればそうしよう」
一生の別れになりそうな雰囲気だったが『ハロルド』の気楽な言葉に『セネル』は怒声を上げ、ルークは軽く笑いまた来た時の事を言い『クラトス』はなんとも言いがたそうに頷く。








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