「俺だってそんなことになることなんで望んじゃいない・・・けどそうするならガイ達は俺から離さないといけない・・・その二つの気持ちをどうするか色々考えて出した結論は、さっき言った通りだ」
「お前の気持ちは分かった・・・だがその道を選ぶというのなら様々な困難が待ち構えていることは容易に想像がつくことに加え、ガイ達とも接し方を今から変えねばならない。特にガイ達との接し方に関しては今から改善していかねばならず、これからの事を考えるなら奴らの手を借りず自立して事に臨む必要があるからな。そしてそうするからにはフレンなどにも暇だからと何かと要求を言うことも許されなくなる・・・自分の所の人間に要求を言いたくはないから別の所の人間にそれを押し通そうとするのは、自立以前の問題の行動だからな」
「あっ・・・うん、まぁ・・・そう、だよな・・・」
そんな考えがあるからこそルークは一人で行動すると選んだと告げるのだが、『クラトス』が念入りに告げた自立の為の戒めの言葉にハッとした様子になり苦い顔ながらも力なく頷く。



・・・前のルークであったならフレンやアスベルなどにわがまま言うななどと言ってもうっせーなと一蹴するか聞かなかったフリをしていただろうが、三人と仲良くなってからは素直に言うことを聞くようになっていたことに加えて道理を弁えるようにもなった。

それにガイ達と離れようと決意をしたのに、フレン達には頼るなどと言った甘ったれた行動を取るならその決意は決意ではないと言われても当然だとルーク自身強く感じていた。



「それにその場には私達もいられないわよ？一段落したら私達はこの世界を出る予定だからずっとここにはいないし、そもそもを言うとライマの人間でもない私達がその場にいるのもおかしいって追い出されるのがオチだしね～」
「そいつは十分分かってるよ・・・三人にずっと頼るなんて出来ないってのはな。だから何とか俺自身でやってみせる」
「・・・そっちはいらない心配だったみたいだな」
続いて『ハロルド』も自分達の事についての注意を告げるが、そちらには迷いを見せず笑顔を見せる姿に『セネル』も安心したように笑顔を浮かべた。
「まぁこれ以上色々言うのも野暮だろうから、今からは訓練にしよう・・・俺は信じてるぞルーク、お前がそう出来るってな」
「私もだ」
「ま、物事に絶対はないけど今のあんたなら出来るんじゃない？」
「なんで『ハロルド』だけやれるって言わねぇんだよ・・・ま、ありがとな」
そして『セネル』を始めに思い思い笑顔で激励をすると、『ハロルド』のらしい言葉にジト目を向けるがルークはすぐに礼を言いながら笑顔を浮かべた。















・・・その後ルバーブ連山を降りてからのルークの態度は、今までと明らかに一線を画するようになっていった。

まずガイ達の押し付けに近い言葉は意志を強く示し、ちゃんと拒否を返した上で自身の行動で示すようになった。無論最初からそう言った行動はうまくはいかない事もあったが、それでも三人やロックス達の助けなどを借りたりして嫌なことは嫌だと示す事は出来るようになった。

その上で自分の事は自分でしようと極力動くようになり、雑務などにも慣れない手つきながらも他のメンバーに教えてくれとちゃんと教えを乞いながら根気よく従事していった。

そんなルークの今までと違う行動の変化に大半のアドリビトムのメンバーは目を丸くし、ウッドロウなどの一部のメンバーは三人にこうルークを変えるためかと言ってきた。しかし三人はルークの望むものが何かとはハッキリとは言えないため、自分達が変えたのではなくルーク自身が望んだことだと返した。



・・・変わっていくルークの姿、それは確かにアドリビトム内に良くも悪くも少なからず衝撃を与えていった。だがその変化に微妙な顔をした者もいた・・・それは自立を目指すルークに、距離を取られていくガイ達である。









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