「私達が言えることはここまでだが、強いて私達の意見を言うならガイ達との関係を見直す事は考えておくべきだ。今の状態に息苦しさを感じるというのなら、アッシュ達の事をどうするか抜きにしてもだ」
「・・・そう、だな・・・うん、考えておく・・・」
「んじゃ今日はもう戻りましょ、これ以上訓練する気にルークもならないでしょうしね」
「あぁ・・・帰るか・・・」
それで『クラトス』は話を収束させるよう注意を促す言葉を向けるとルークは重く頭を下げて頷き、『ハロルド』の気楽な言葉を受けて一同は帰る事にする。ルークは話を受けて重い気持ちを浮かべながら・・・















・・・ルークの本音を聞いてから数日、その間ルークは三人にクエストに行くと言うこともなく一人でいることが多かった。ただ一人と言っても部屋にこもってという訳ではなく、食堂で座って過ごしていたのだ。その際にガイ達やクレス達などはそうルークがなっている理由について本人に問い質したそうだが、答える気はないと喧嘩腰にではなく力のない陰を浮かべた姿で答えた。その姿に流石に誰もルークを下手につめることもせず、また事情を少なからず知っている側に入るロックス達が三人との間で何か重大なことがあったことを察してルークを気遣って接していた。

ただ三人と接触したことでルークがそうなったことに気付いた面々もいたが、そこは三人も何も言うことなく日々を過ごしていた。



・・・そしてそんな日々を過ごしていた三人は意を決したと見れる真剣な表情のルークにクエストに誘われ、ルバーブ連山へと向かった。









「・・・クエストは終わったんだよな？んじゃ俺の話を聞いてくれ」
「・・・訓練はしないのか？」
「その前に言っときたいんだ。俺の決意をな」
それで依頼も終え山の中腹にいる一同はルークの真剣な話の切り出しに、三人もつられて空気を引き締める。
「・・・俺、やるよ。ガイ達にどう思われることになっても、それで関係が終わることになっても・・・アッシュ達をくっつけて見せる」
「・・・いいのか？」
そして単刀直入に切り出された決別の宣言とも取れるルークの真剣な言葉に、『セネル』が静かに確認を取る。
「あぁ、色々考えたんだよ・・・俺の考えは変わらない。そしてその考えでガイ達の理解が得られないならもうそれでいいんだって、考えたんだ。多分ガイ達の理解が欲しいなんて言ったってガイ達が俺の考えに賛成してくれるなんて思えねぇし、賛成したらしたで多分国の奴らからガイ達に罰が与えられるんじゃねぇかってな」
「まぁそれは十分に有り得るわね。何でルークの勝手を止められなかったんだって言われるのは目に見えてるし、場合によっちゃガイ達がルークをそそのかしたって責任を押し付けてルークの考えを無理にねじ曲げようとする可能性だって有り得るし」
ルークはそのまま決意が変わらないと共にガイ達を巻き込み危険にする気はないと言い、『ハロルド』もその考えに納得の声を上げる。



・・・この場合正当王位継承権を持つルークを臣下の貴族達はその考えを責めた時に怒らせた場合面倒だと考え、共にいるガイ達に責任を取らせる形にして事態を無理矢理解決に向かわせようとする可能性が高い。

そして処罰を大々的に下したとなった後にルークがまたその事を切り出せば余計にガイ達に責任を押し付ける可能性だって出てくるのだが、そうなればいかにルークが諦めないと意気込んだとて目的が達成しようとしても暖簾に腕押しな上にガイ達がより苦しむだけになる。それは事態を成功に導く事もだが、ガイ達の安全を考える上でも避けねばならぬ事であった。









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