混ざりし世界での暮らしと焔との交流

「先に言ったが、普通に考えれば確かにお前の考えは止めねばならない物と言えるだろう。だが私達はお前がどのように行動し、選択するかを止める権利という物は持たない。そしてそれを止めたいという気持ちもな」
「止めたい気持ちが、ない・・・?」
「お前は自分で様々な事を考えた上で王位継承権を破棄し、ナタリアとの婚約も破棄したいとそう思ったのだろう?ルーク」
「あぁ、まぁな・・・」
「そう思うこと自体は自由、そして私がその考えに納得する事も自由・・・ということだ」
「えっ・・・納得、してんのかお前は・・・?」
「私も『クラトス』と同じよ~」
「俺もだな」
「お前らも・・・?」
そのまま話を進めるのだが『クラトス』達が三人共にまさか自分の考えに納得していると思わず、ルークは唖然とした。
「これは別の世界のルークにアッシュ達の事を見てきた私達だから言えることと言えるが、アッシュとナタリアの関係に気持ちはおおよそ今のお前達と一緒だと言える。それにガイ達との関係もだ・・・その姿を見てきた私からすれば今のお前の決心は精神的な意味でガイ達から独り立ちをして、アッシュとナタリアの二人に対しての申し訳無さを払拭して精算するいい機会だと見ている」
「独り立ちに、精算って・・・」
「あんたも正直感じてんじゃない?・・・ガイ達との今の関係に限界って言うか、居心地の悪さを」
「っ、居心地の悪さって、それは・・・・・・いや、多分言い方を気にしなかったらそうなんだろうな・・・実際俺、今の状況考えるとそう思うし・・・」
更に『クラトス』が告げた言葉にルークは困ったように視線をさ迷わせるのだが、『ハロルド』が言葉を選ばずに告げた言葉に否定を返そうとしたがたまらず間を空けながらも苦々しく力なく頷く。
「お前は無自覚に感じていたくらいでいたのだろうが、別の場所にいたルークもそういった事を感じていた事に気付いた・・・そしてその状況の打開の為にどう動くべきかを考え動いていた訳だが、お前もどのようにすべきかを考えている。その考えを私達は否定する気はないということだ。その上で私達もルークの立場にいたならそうするべきだと感じているのだ。関係性の精算に払拭をするために」
「・・・でもそうしたら、どうなるんだ・・・俺とガイ達の関係は・・・?」
そして『クラトス』はまとめあげるように自分の考えを述べるがそこでルークは不安な表情を浮かべる、そうしてしまった場合の・・・ガイ達との関係が変わってしまうこと、もっと言うならその結果で関係が切れる事さえ有り得る事への恐れを浮かべ。
「そこはあんたがどうしたいのかってのと、どういう覚悟をするかよ」
「え・・・?」
「どうしても関係を終わらせたくないならあんたが覚悟をして行動するのよ。ガイ達と離れたくないなら色々と考えてね。でもガイ達と離れてでもって思うんならそれを覚悟して行動する・・・どう?簡単なことっしょ」
「簡単なことって、そんな簡単な事じゃねーじゃねーかよ・・・」
「落ち着けルーク。『ハロルド』だから簡単に言ってることだけど、間違っちゃいない・・・実際簡単じゃないのは事実だと思うし、色々考えないといけないのは分かる。そしてその中でガイ達の事も考えないといけないのも、難しい事だとは思う・・・けどアッシュとナタリアの事に関して自分の気持ちに意見を通そうとしても、二人を含めて反対されるだろうってことは想像出来るだろ?」
「っ・・・それは、確かに・・・」
すると『ハロルド』がニヤッとした笑みを浮かべながら気楽な声でアドバイスをしてきたが、簡潔過ぎるその中身にルークが不満げに声を上げた事に『セネル』が補足に入る。
「それでも二人の事を進めたいなら今の関係が変になることは十分に考えられると思う・・・その上でガイ達の事は絶対に避けられないのは目に見えてるけど、そこで新しい関係をガイ達と築くか色々考えた上で・・・関係を絶つかを迫られる事になるのは避けられないのも目に見える」
「!」
「俺達からは今すぐに結論を出せなんて言えないし、こうしろなんて強制することも出来ない・・・だから自分自身でどうしたいのかを覚悟を持って決めるんだ。自分自身や周りの事も併せて考えてな」
「・・・考える、か・・・」
そのまま自身の気持ちも含め誠心誠意考える事を勧める『セネル』に、百面相をしながらもルークは最後にはそっと顔を下に向け重く呟く。その数々の言葉を受け止め。










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