・・・まずその先駆けとなったのは食堂で四人の会話を聞いていたロックスにクレアとリリスの三人だ。四人がクエストに度々行くようになって、他のメンバーとずれた時間に帰ることが多くなったのだがそんな姿に実は話を聞いていた三人が便宜をきかせて食事などはちゃんと温かく四人が食べれるようにしたり差し入れをしたりなどしてくれるようになった。

それからは食事の心配などする事もなく四人は気兼ねなくクエストに行くようになったのだが、四人がそのようにクエストに行くことを疑問に思う者も現れてきた。その中の一人にはルミナシアのウッドロウの姿があった。






「・・・貴方達はルーク君とよくクエストに行くようになったようだが、どうしてそのようにしているのだろうか？」
「・・・私達が勝手にしている節介だ。強制はしていない」
・・・これはとある日のウッドロウと『クラトス』の会話である。四人でまとまって行動せず一人で甲板にいた『クラトス』にウッドロウが話し掛けてきた、静かに悪意などなくただその真意を探るよう。
「それともルークが強くなることに何か思うことがあるのか？」
「いや、そのような事は思っていない・・・ただ彼がそのように思い動くのは何故かと知りたいんだ。あまり彼がそのように動くといった事がないから少し戸惑っているのもあるのでね・・・」
「・・・成程（これはウッドロウのルークに対する見方がまだ甘いから、だろうな。私達の知るウッドロウは王としての経験を積んできて、人間としての成熟さは凄まじい物があった。しかしこのウッドロウは見た目は同じとは言え今の状態としては年相応かそれより多少上くらいの精神年齢でしかない・・・比べるのは酷ではあるが、こちらのウッドロウではまだそこまでのことを求めるべきではないな）」
反対に『クラトス』は質問し返すのだがどうにもウッドロウは歯切れの悪い様子を見せ、内心で自分達の知る『ウッドロウ』との違いだと納得する。
「・・・それならばこれからのルークの姿を見てみろ。ルークはルークなりに物を考え行動している、その姿に何を感じるのかはお前次第だ」
「・・・そうさせていただこう」
そこまで納得した『クラトス』だが直接的な答えを返す気はなく、そっと言葉を残し立ち去っていく。ウッドロウはその姿にそっと頷いていた。






・・・このような形で接触してきたのである。これはあくまでウッドロウを引き合いに出しただけではあるが、アドリビトムの一部の面々は確かにルークの変化とその理由を確実に担っている三人に興味を示していた。

とは言え三人はルークの本音を聞いてないからとはいえ言うことなく、それが却ってそれらの面々の興味を引いていった。



・・・そしてそんな生活をしていく内に、三人はルークの本音を知ることになった。









「・・・なぁ、ちょっといいか？」
「どうしたんだ、ルーク？」
・・・それはあるクエストの終わり、恒例となった訓練の場での事だった。
オルタータ火山にて訓練を終え休憩していたルークが切り出した声に『セネル』が反応し、二人も視線を集中させる。
「・・・前に言おうとしてたろ？俺が三人と訓練するって決めた時になんでそうしようと考えたのかって・・・それを言おうかなって」
「あぁそういうことか・・・話してくれるなら聞くけど、本当にいいのか？」
「あぁ、お前らには大分世話になってるし言わなきゃなんねぇと思ったしな・・・」
「そうか・・・」
それで真剣に話を切り出すルークに『セネル』は改めて確認するが、引く気を見せずにいる様子にそれ以上は止めずに頷く。









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