混ざりし世界での暮らしと焔との交流

「つーかなぁ・・・ガイももうちょい俺の言うことを聞けよって思うんだけどよ・・・」
「あれはどっちかって言ったら世話ってより過保護、それも押し付けって言った方がいいわね。ルークの言おうとしてることを気にしてなかったし」
「そう思うか?・・・つーかティア達も同じ感じなんだよな、何だかんだ言ってること・・・」
そして頬杖をつきながら愚痴を吐き出すルークの目は遠くを見るようになっていた。
「言うことやること一々口を出して、それで俺の意志なんか関係ない方にばっか話を進めて・・・んなんでやる気もだけど、自分の気持ちを通そうなんて気持ちなんか起きるかっつーの・・・そんで無理矢理何か言ったってあいつらが許可したもんくらいしかやれることはねぇしよ」
「一々自分のやることに反対する・・・前に確かそう言っていたがやる気は無くなるよな・・・そんなことばっかり言われたら」
それでポツリと唇を尖らせ呟かれた不満に『セネル』も親身に声を上げる、ルークの不満は妥当な所だと。
「ねぇ。んじゃこれからも私達があんたを誘ったりするしあんたからもこっちを誘っても構わないから、また今日みたいな形でクエスト行く?どうせ船の中でガイ達と顔を合わせてたってあんまり暇も潰せないでしょ」
「は?・・・いや、別に俺は構わねぇけどお前らはいいのかよ?他の奴らからも色々誘われることがあるだろ、お前らの強さなら」
「それくらい些細な事だ。それに『ハロルド』の発案は私がそうやりたいと思っていたことの形でもある」
「え?なんだよ、そうやりたいって前から何か思ってたってのか?」
そこで『ハロルド』から楽し気に出てきた発案にルークはいいのかと視線を向けながら声を上げるが、『クラトス』の意味深な発言に更に首を傾げる。
「あぁ・・・こちらの世界に来た時、私達が別の世界にいるルークと会ったと言ったことを覚えているか?」
「あ?・・・まぁ覚えてるけど、それがどうしたんだ?」
「比較をするのは本来あまり好ましい事ではないと思うが、そちらのルークも最初はお前と同じく不器用でうまく自分の気持ちを伝えることが出来なかったそうだ。ただ時間が経つにつれ色々と経験を積んだことにより、そう言った事も出来るようになったそうだが・・・今のお前に足りないのは様々な経験だと私は思っている」
「経験・・・」
『クラトス』は話をオールドラントのルークの事へと繋げると共に経験が必要ではと語り、ルークもその言葉を何かを感じたようで反芻するよう口にする。
「それで私達がせめてその経験になれればお前の為になるのではないかと思ったのだ、これからの為に・・・ただ嫌だと言うなら強制はしないが」
「いや、それでいい」
「・・・随分と早い決断だな」
『クラトス』はその決断を委ねようとするが、即答で返すルークに少し意外そうに声を上げる。
「あ~、まぁなんつ~かな・・・それはクエストの時に言うよ。こんな所で話してたら誰が聞いてっかわかんねぇしな」
「・・・分かった。だが無理にすぐ話そうとするな、話したいと思ったらその時に話してくれればいい」
ルークはそこで少し離れているロックス達を見て声を抑えながら話し、『クラトス』もそれでいいと了承した。









・・・それで以降は穏やかな時を過ごしてから三人はルークと別れ、部屋へと戻った。
「・・・なぁ『クラトス』、ルークの事を前からそうしたいって考えてたのは何でだ?」
「・・・あのルークに違和感を覚えると共に、これからは今のままではいけないと思ったからだ」
「・・・違和感?」
入室してすぐに『セネル』が『クラトス』に疑問を向けると、意味深な答えに首を傾げる。






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