混ざりし世界での暮らしと焔との交流

「・・・よし、クエストもこれで終わりだな」
「後はバンエルティア号に戻ってアンジュに報告すれば終わりだけど、どうする?ルーク?」
「あ~、今日も頼むわ。どうせ早く戻ったって最近の俺の態度が気に食わねぇって思ってんのか、ガイ達は前以上に俺に何もやらせようとしてくんねぇしな」
「・・・ならば今日は私が相手をしよう。『セネル』は前にやったからな」
「よし頼むぜ『クラトス』!」
コンフェイト大森林の奥地でクエストの終了を確認した『セネル』。だが四人は帰ろうとしないばかりか、その場でルークとクラトスが相対して剣を抜きあう。



・・・三人とルークがこのような事をナチュラルに繰り広げている理由、それはルークの不満が発端だった。ちゃんとするようにしろと言われるのに、なんで自分がやろうとすることにガイ達はいつも反対するのかと。

そういった本音を聞いた三人はガイ達の味方をする気もなくまずはルークの鬱憤ばらしに付き合おうと、クエストに行くことを提案した。するとこの提案にルークはすぐさま同意したのだが、鬱憤ばらし用に軽く終わらせられる簡単なクエストを終えた時に不満をルークは漏らした。すぐに終わってつまんねー、と。

これはガイ達が過保護にしているとは言えルーク自身もクエストに行くことはあるため、確かに上がってきたルークの実力を思うと多少簡単なクエストと言えた。だからこそ三人はルークに言った、余った時間ちょっと訓練していくかと。

最初その訓練との言葉にルークは不満を示した。なんでそんなことしなきゃいけないのかと。だがそこで時間があるから一回だけでと言って訓練をしたのだが・・・その訓練が終わりクエストから帰ってちょっとするまでは別に何も言わなかったルークが、また訓練込みでクエストに行こうぜと頼んできたのだ。

これには三人とも意外と思ったのだが、ヴァンにクレスにロイドなどはアドリビトムの中でも良く働く部類に入って時間を長く取れないから訓練に張り合いが出ないと、そう言ったルークの言葉に納得した。



だが自分のやろうとしていることにガイ達は反対する、そう言ったルークのこの言葉の意味がもっと深い物があることを三人はある時に知ることになった・・・












「・・・戻ってきたな、ルーク。無事でよかった」
「心配いらねーっつーの、んなたいしたクエストじゃなかったし」
・・・それは何度目かの訓練を兼ねたクエストから四人が帰ってきた時の事だった。
受付の前にいたガイが笑顔で四人の前に来るが、ヒラヒラと手を振り平気な事をルークはアピールする。
「そうか・・・ならいいが、何か飲むか?疲れただろう、持ってくるぞ」
「別にいいっつーの、どうせこの後食堂に行くからロックスにでも頼むし」
「ハハ、遠慮するなって。ホラ、部屋に行ってゆっくり休んでろって」
「だから食堂に行くっつってんだろ・・・だーっ、くそっ・・・「ハイハイ、ここは私達も一緒に行くからガイは向こうに行ってていいわよ~」・・・え?」
「おわっ!?・・・いきなり近づかないでくれよ、『ハロルド』・・・」
ガイはそのまま気にした風でもなく飲み物について話を進めていくが、ルーク当人の言葉を気にせず話を進めていく。ルークも苛立ちながらも諦め気味に言葉を出そうとしたが、そこに『ハロルド』が間に入ってきたことにルークは意外そうに目を開きガイは驚きに飛び退いた。
「別にいいじゃないの・・・ホラ、食堂に行くんでしょ?行くわよ~」
「あ、あぁ・・・」
『ハロルド』は笑顔を作りすかさずルークの手を引き、戸惑うのに関せず食堂へと向かう。ガイは「あ・・・」と言い手を出しかけていたが『セネル』が「じゃあな」と手で制し、『クラトス』と共に止まるガイを後にして二人も立ち去っていく・・・



「・・・ふぅ、助かったぜ。わりぃな、『ハロルド』」
「いーのよ、別に。どうせあのまんまだったらあんた嫌々ガイの言うことに従ってたでしょうしね」
それで食堂に着き四人で席に座るとすぐにルークは礼を言うが、気にしないでいいと言う『ハロルド』にルークは眉をしかめる。







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