必然は偶然、偶然は必然 第四話

・・・一部熱の入り方が違う人間はいるが、それでもルーク達は襲い来る神託の盾達に魔物達を一蹴しながら先を進んでいった。



そしてそんな中でルーク達はブリッジの前へとたどり着く。
「あれは・・・アッシュにリグレットか」
「どうやら他の六神将は他の場所の制圧に向かっているようだね・・・では先手を打って、周りの兵を片付けようか・・・・・・サイクロン!」
ブリッジの扉の前にいたのは何人かの神託の盾の兵士を引き連れたアッシュとリグレット。それを確認しウッドロウはイクティノスを掲げ詠唱をすると、サイクロンを神託の盾達の中心に放つ。
「うわぁぁぁ!」
「!?何だ・・・お前は!?」
放たれた竜巻に呑まれ、神託の盾達は成す術もなく吹き飛ばされ叫び声を上げる。その様子にアッシュは驚きながら辺りを見渡すが、その視界に映ったのは・・・



「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!ほーうしゅーうきゃーく!」
‘バキッ!’
「がはっ!?」



こどものテンションでノリノリに飛び上がり崩襲脚崩れの飛びげりを仕掛けて来たルークだった。
その足を見た瞬間避ける体勢にも移れず顔面にケリがめり込んだ為、アッシュは鈍い音と共に吹き飛ばされる。
「あ~ッすっきりした~!1回ヤっときたかったんだよな、これ!」
「気は済んだかい?」
「な、な、な・・・」
その崩襲脚崩れの飛びげりから着地をしたルークは爽快そうな顔で汗をふく動作をして、ウッドロウはただ穏やかに笑むばかり。その光景にリグレットは銃を抜く事も忘れ、呆然として声を上げるばかり。
「て、てめぇ・・・!」
「あれ、まだ生きてたのか?流石に六神将、耐久力は人並み以上だな」
と、アッシュはしぶとくもフラフラと立ち上がり、ルークを敵意溢れる目で視線を送ってくる。
「よくもやってくれやがったな・・・屑の分際で・・・!?」
「屑?俺に言ってんのか?・・・俺お前に会ったこともないのに、なんでんなこと言われなきゃなんねーんだよ?」
そしてルークに対してのお決まりの罵倒が出てきたが、ワンパターンなのは承知しているので初めて会ったフリでとぼけた声で首を傾げる。
「黙れ、屑が!・・・まぁちょうどいい、今ここでテメェを始末してやる!」
「待てアッシュ!閣下の命を忘れたのか!?」
そんなルークの反応にまたお決まりの文句を口にしながらアッシュは剣を抜き、リグレットはようやく動揺から立ち直りアッシュの制止を促す。
「先に仕掛けて来たのはコイツだ!それともお前は俺に殺されようとも手を上げるなとでも言うつもりか!?」
「え?別に俺戦う気はないし、お前を殺す気もねーぞ?ただそれ聞いてそうかって引くんなら、俺は疑うけどなぁ・・・お前が臆病者なんじゃねーかってな」
「!!・・・この屑がぁぁぁっ!」
だがリグレットの制止は精々アッシュの足を止める程度で今にもルークに切りかからんばかり。それを見てルークは最後に盛大にアッシュのプライドを逆撫でする一言を鼻で笑った笑み付きで添え、アッシュの我慢の限界を一気にぶち壊し自らに斬りかからせる。
「アッシュ!!」
「おっと、君の相手は私だ」
「・・・貴様・・・!」
その光景にリグレットは銃を持って二人の間に入ろうとするが、その前にウッドロウが立ったことで苛立った顔を浮かべる。










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