混ざりし世界での暮らしと焔との交流

・・・世界を巡るというハロルドによりほぼ強制的に世界巡りの旅に付き合わされる事になったクラトスとセネル・・・そんな二人とハロルドは次の世界へと飛んだ・・・









‘カッ’
「・・・ん~、次の世界に来たわね」
「それで、ここはどこなんだ?見たとこ山の麓みたいだけど・・・」
突然の現れた光、その光が消えてなくなった時にはハロルド達の姿がそこにあった。ハロルドが辺りを見渡し、セネルが山の麓と回りの景色から検討をつける中で三人に近付いて来た者達がいた。
「あれ?なんでお前らがここにいんだ?確かバンエルティア号にいるはずだろ、今日は」
「っ・・・ルーク・・・どういう、ことだ・・・?」
「待って、セネル・・・状況からしてあれは私達の知るルークじゃないわ」
「えっ?」
「何・・・?」
その人物達の先頭にいたのはルークで首を傾げる姿にセネルが釈然としない様子で近付こうとするが、ハロルドの声で静止すると共にクラトスも何事かと声を上げる。















「・・・にわかには信じがたいわね。あなた達が別の世界のハロルド達だなんて・・・それもそれぞれが別の世界の人なんて・・・」
「まぁ私達もここに意図して来た訳じゃないし、色々な偶然が重なった結果だから気にしない方がいいわよ。その辺りは」
「・・・そうね、そうするわ」
・・・その後、『ハロルド』主導で話をルーク達と交わしバンエルティア号に行くことになった三人。そこでアドリビトムというギルドのリーダーであるアンジュ、それに『ハロルド』達三人と同一の存在の三人に連れてきたルーク達を交え会話を交わした。



それで『ハロルド』達の事情を聞き終わったアンジュは気楽な様子を浮かべる『ハロルド』と対照的に疲れたように声を上げ、ハロルドは楽しそうにしていたがクラトスにセネルの二人は困惑を浮かべていた。
「信じらんねぇ。まさかんなことがあるなんてな・・・」
「そんなことを起こしたから私達はここにいるのよ、ルーク」
「・・・んだよ、初対面のクセに妙に馴れ馴れしいな・・・」
「グッフッフ~♪まぁ別世界であんたと同一の存在に会って旅をしたしね~♪違う存在だって言ってもあんたに親近感はあるから気にしないでいいわよ~♪」
「・・・親近感ってなんなんだっつーの・・・ま、嫌われるよっかいいけどよ・・・」
そしてこちらのルークが唖然とした声を上げるのだが、『ハロルド』がフレンドリーに話しかける姿に小さい声で悪態をつくが更に小さい声で頬を赤くしながら呟いた言葉を『ハロルド』は見逃さなかった。
「・・・それで、三人はこれからどうするのかしら?こちらにもこの通り貴方達三人の同一の存在がいるわ。それで本来なら貴方達の目的からして世界を見て回るつもりでいるのは分かるのだけれど、この三人もこの世界での生活にコミュニティを持っている。そこにもし貴方達が現れれば混乱すると思うのだけれど・・・」
「つまり無用な混乱を避けるためにもここにいてほしいと、そう言っているのだな」
「・・・えぇ、そうよ。こちらもこちらで混乱はするでしょうけれど、下手に偶然接触されるよりはマシだと思ったからそう言ったの」
少し間が空いたことで落ち着いたアンジュは意味深に話を進めるが、その意図を正確に予測する『クラトス』に素直に正解だと白状する。
「私は構わないわよ~。ここにいてもそれなりに色々出来そうだし」
「私もそれで問題はない」
「俺もそっちがいいならいいけど、そっちのメンバーもだけど・・・言い方は変だけど、特に俺達は大丈夫なのか?俺達がいるのは流石にそっちも気持ち悪いだろうと思うけど・・・」
そんな意図に三人は続々と賛成はするが、最後の『セネル』の声にあちらのハロルド以外の二人の顔が複雑そうに歪む。ハロルドだけはやけに爛々と目を輝かせて楽しそうである。
「私は全然構わないわよ~♪むしろこんな楽しい状況を見逃すなんて有り得ないわそれこそ!」
「・・・私も大丈夫だ」
「・・・正直複雑だけど、そうした方がいいなら分かったよ。でもせめてこのままだと見分けがつかないからどうにか見分けがつくようにしてほしいんだけど・・・」
「そうね・・・本当に見た目だけじゃどっちがどっちか分からないし、皆にこの事を伝えたり部屋割りとか色々考えないと・・・」
勿論こちらのハロルドが断るわけもなく嬉々と了承を返したことに二人も仕方無いと了承するが、セネルの言葉にアンジュも考え込む。三人を受け入れるための滞りない準備をしなければと。











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