交差する世界への考察と挑戦
・・・ディムロスの物分かりの良さ、と言うよりどちらかと言えば諦めに近いだろう判断により場はすぐに整えられハロルドは話に入った。それで嬉々として話すハロルドによりディムロスは多少話の中身の壮大さに驚きこそしたが、話が進むにつれ次第に受け入れていった。
「・・・って訳よ」
「・・・そういうことになっていたとはな。ただそこまでの事になっていたとは、流石に驚きだ・・・」
「ま、私としちゃそうでもないと説明がつかないことがいっぱいあったから納得出来たんだけどね~」
そして話が終わりディムロスが驚きを噛み締める中、ハロルドは頭の後ろで両手を組み気楽に漏らす。
「それでまたお前は世界を越えるとの事だが、いわば世界樹の影響のない世界への移動を目指すのだろう・・・これは私の素人考えになるが世界樹の庇護のない世界に行くという事は生態系の違う世界、いや下手をすれば生物すら存在しない世界や生物が生きることすら出来ない世界に行くことも有り得るかもしれんのだろう。それでも行くのか・・・ハロルド?」
「当然よ!こんな面白い事に挑戦しなくてどうするの!」
「・・・やはりそう答えるか」
ディムロスは改めて空気を固くしこれからハロルドが世界をまた越えるつもりだということについて是非を問うが、迷いを一片も見せず笑顔で即答する姿に苦笑を浮かべる。
「分かった、好きにしろ。だが言ったようにここにお前が戻る場所は残しておくから、戻りたくなったら戻ってこい」
「分かってるわよ、私もそのつもりで戻ってきたんだし。それに私は別にあんたへの報告の為だけじゃなく、しばらくはここにいるために戻ってきたのよ」
「何・・・?」
そして再度戻りたいなら戻れと告げるディムロスだが、そのつもりと返された後の言葉に首を傾げた。しばらくいるとハロルドらしくない落ち着いた言葉が聞こえた為に。
「本当は私ももっと早く別の世界に飛びたいんだけど、世界樹の影響のない世界への移動をするにはまたちょっと研究が必要になるのよ。だからちょっとしばらくここに残って色々研究したいの。環境が整ってるところを飛んだ世界で見つけてそこでなんて偶然に期待なんて出来ないしね~」
「あぁ成程・・・そういうことか」
しかし理由を聞いてディムロスも納得した、突飛な考えばかりが目立ちがちなハロルドでもちゃんと物事を考えているのだと。
「ってな訳だからしばらくはよろしく~♪」
「あぁ、ゆっくりしていけ。部屋は一応掃除は小まめにさせてあるから綺麗なはずだ」
「気が利くわねディムロス~♪んじゃ私は部屋に戻るわ♪」
そこまで理解した所でハロルドの笑顔にディムロスがゆっくりする事に部屋の事について言えば、すぐにご機嫌そうに退出していった。
「全く、変わらんなあいつは・・・」
一人残ったディムロスは様子の変わらないハロルドに片付けた書類を再び取り出しつつ微笑を浮かべる。
「いや、違うな・・・世界は繋がっていた、だからこそ再びルーク君にウッドロウ達とも会いに行けた・・・確かにハロルドは世界を越えて色々な物を見て研究をしたいのもあるのだろうが、カイル君達の事もあって再び会いたいと想いを巡らせた・・・そう思えばハロルドの本質自体は変わっていなくとも、ハロルドにとってその出会いという物は大切な物となっていたのだな・・・人を振り回すことばかりをしてきたハロルドが気にかけれるくらいに」
だがそこでハロルドも変わったのだとディムロスは改めて考え直す、その出会いが彼女を変えたのだと。
「・・・さて、仕事に戻るか。いつまたハロルドがこの世界を出るかも戻ってくるかも分からんからな。すぐに千年先の世界程とは言わずとも、それに近付けるように世界を良くしていかなくてはな・・・!」
そしてディムロスは意志を新たにしながら決意の灯った微笑で書類に向き合う、自分に出来ることをやるために。
世界と世界、未来と過去の交錯
それらを知り交わった人々は変化を受け入れ、変化をしていった
それらを各々が各々糧として動いていく形で・・・
END
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「・・・って訳よ」
「・・・そういうことになっていたとはな。ただそこまでの事になっていたとは、流石に驚きだ・・・」
「ま、私としちゃそうでもないと説明がつかないことがいっぱいあったから納得出来たんだけどね~」
そして話が終わりディムロスが驚きを噛み締める中、ハロルドは頭の後ろで両手を組み気楽に漏らす。
「それでまたお前は世界を越えるとの事だが、いわば世界樹の影響のない世界への移動を目指すのだろう・・・これは私の素人考えになるが世界樹の庇護のない世界に行くという事は生態系の違う世界、いや下手をすれば生物すら存在しない世界や生物が生きることすら出来ない世界に行くことも有り得るかもしれんのだろう。それでも行くのか・・・ハロルド?」
「当然よ!こんな面白い事に挑戦しなくてどうするの!」
「・・・やはりそう答えるか」
ディムロスは改めて空気を固くしこれからハロルドが世界をまた越えるつもりだということについて是非を問うが、迷いを一片も見せず笑顔で即答する姿に苦笑を浮かべる。
「分かった、好きにしろ。だが言ったようにここにお前が戻る場所は残しておくから、戻りたくなったら戻ってこい」
「分かってるわよ、私もそのつもりで戻ってきたんだし。それに私は別にあんたへの報告の為だけじゃなく、しばらくはここにいるために戻ってきたのよ」
「何・・・?」
そして再度戻りたいなら戻れと告げるディムロスだが、そのつもりと返された後の言葉に首を傾げた。しばらくいるとハロルドらしくない落ち着いた言葉が聞こえた為に。
「本当は私ももっと早く別の世界に飛びたいんだけど、世界樹の影響のない世界への移動をするにはまたちょっと研究が必要になるのよ。だからちょっとしばらくここに残って色々研究したいの。環境が整ってるところを飛んだ世界で見つけてそこでなんて偶然に期待なんて出来ないしね~」
「あぁ成程・・・そういうことか」
しかし理由を聞いてディムロスも納得した、突飛な考えばかりが目立ちがちなハロルドでもちゃんと物事を考えているのだと。
「ってな訳だからしばらくはよろしく~♪」
「あぁ、ゆっくりしていけ。部屋は一応掃除は小まめにさせてあるから綺麗なはずだ」
「気が利くわねディムロス~♪んじゃ私は部屋に戻るわ♪」
そこまで理解した所でハロルドの笑顔にディムロスがゆっくりする事に部屋の事について言えば、すぐにご機嫌そうに退出していった。
「全く、変わらんなあいつは・・・」
一人残ったディムロスは様子の変わらないハロルドに片付けた書類を再び取り出しつつ微笑を浮かべる。
「いや、違うな・・・世界は繋がっていた、だからこそ再びルーク君にウッドロウ達とも会いに行けた・・・確かにハロルドは世界を越えて色々な物を見て研究をしたいのもあるのだろうが、カイル君達の事もあって再び会いたいと想いを巡らせた・・・そう思えばハロルドの本質自体は変わっていなくとも、ハロルドにとってその出会いという物は大切な物となっていたのだな・・・人を振り回すことばかりをしてきたハロルドが気にかけれるくらいに」
だがそこでハロルドも変わったのだとディムロスは改めて考え直す、その出会いが彼女を変えたのだと。
「・・・さて、仕事に戻るか。いつまたハロルドがこの世界を出るかも戻ってくるかも分からんからな。すぐに千年先の世界程とは言わずとも、それに近付けるように世界を良くしていかなくてはな・・・!」
そしてディムロスは意志を新たにしながら決意の灯った微笑で書類に向き合う、自分に出来ることをやるために。
世界と世界、未来と過去の交錯
それらを知り交わった人々は変化を受け入れ、変化をしていった
それらを各々が各々糧として動いていく形で・・・
END
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