交差する世界への考察と挑戦

「世界ってのが広いのは、いくつもの平行世界があることもそれが証明してるわ。ただ平行世界っていうのは比較的次元軸が近い世界っていうもので、次元軸が遠ければ遠いほど誰も同じ人間なんかいない平行世界も存在するのよ。それに宇宙の成り立ちを考えても世界樹から産まれた世界だけで全ての星が成り立ってるとも思えないもの」
「ではつまり、まだまだ世界は広がっていると?貴女の言う次元軸の上では・・・」
「あるわよ。それこそ私の生きてる間に全部回りきれるとは思えないし数えれるとは思えない数がね。それはルミナシアに行った時に世界の成り立ちを聞いたと同時に聞いたことで調べたことよ・・・で、そういった世界に行くのって次元の壁の越え方がまた違ってくるのよ。これはちょっと世界樹の庇護だったり世界から世界の距離とかもまた関係してくるんだけど、理由がいっぱい出てくるからそれは省くわ。話すと長くなるし」
「そうしてくれると助かります・・・あまりにもスケールが大きすぎますし、こちらも今ダアトを出ることなく執務に取り掛かっている為、時間をそうそう取れませんからね」
それでまだまだ先があることを述べていくハロルドだが珍しく説明をめんどくさがる声にイオンも助かったと漏らす、なんだかんだで今日は頑張って時間を取ったがそれも今日以降同じことが出来るとは思えないために。
「あ、気にしなくていいわよ。ルークへの手紙を受け取ってバチカルに行ったら私達もうオールドラントを離れるから」
「はっ?いきなり何を言ってるんですか、ハロルド?」
しかしハロルドがいきなりあっけらかんと明らかにした今後の予定にイオン達だけでなく、クラトスもセネルも目を丸くした。
「元々この世界に来た理由は言ってみたら顔見せが理由なのよ。この世界で大体調べる事は調べ終わってたし。それにこの辺りでセネルとクラトスも帰しとこうと思ってた所だし」
「っ、そうなのか?」
「そうよ。元々あんたらを引っ張り出したのもオールドラントに連れてくるのが目的だったのよ?それにあんたらはそろそろ帰りたいでしょ?だから色々世界を移動してきたのもあるから区切りとしてちょうどいいのもあるし、もういいかなってね」
「そうなのか・・・とは言え出来ればそういう事は早くに言ってほしかったな、少しこちらも驚きを隠せなかったぞ・・・」
「あぁ、本当にな・・・」
ハロルドが語ったのは意外にもちゃんと二人の事も考えた理由でクラトスも感心気味に言葉を漏らすが、発表がいきなりであったことにセネルと共に微妙そうに表情を歪める。
「しかしそうなるということはもうこれで本当に貴殿方とは会えなくなるという事になるんだな・・・それが本来の事とは言え、少し寂しいものだな・・・」
「ウッドロウさん・・・」
しかし裏を返せばこの集まりももうこれまで、その事実にウッドロウが寂寞の様を表情に浮かべイオンもつられて表情を暗くする。
「そんな暗い顔しなくてもいいわよ、世界を回ってる時にたまにはこの世界にもまた顔を出すようにするから。なんなら二人も連れてくるし」
「おい!また巻き込む気かよ俺達を!」
「いいじゃないの、たまになんだし。ケチケチしないでその時は付き合いなさいよ」
「ケチとかそういう問題じゃないんだよ!」
「はは・・・」
その姿にハロルドはまた来ると言い出すが二人も巻き込んでとの声にセネルが必死に抗議を始めだし、そのやり取りに周りは苦笑気味な笑いを浮かべた。確実に結果としてセネルは貧乏クジを引く、それがわかるやり取りなだけに。ちなみにクラトスは冷や汗を浮かべ視線をそっと背けていた・・・自身もそうなるとそっと確信していた為に。






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