交差する世界への考察と挑戦

「まぁそれでルミナシアに行って分かったことなんだけど、私やこの世界にセネル達の世界が共通した物がある理由っていうのはこの世界達が一つの存在から分岐して産まれたからなのよ」
「一つの存在?」
「概念として言うと世界を産み出す母体が存在してたのよ。世界樹っていう樹が枝に実った実として私達の世界を産み出す形でね」
「・・・なんかすごく途方もない上に信じがたい話だと思うんですが・・・」
「私も宇宙の成り立ちとかを考えてどうなのかって思ったわよ?でも話を聞いていく内にそういった概念の上に世界が成り立っているって思った方が辻褄が合うし、違う世界に住んでいるはずの私達が平行世界のルミナシアに揃っていた因果関係もそこから起因してるって考えた方が自然なのよ。元があるから皆も外野からも集まってるんだってね」
「・・・スケールが大きすぎる話だな。もう私には何がなんだかさっぱりになってきた・・・」
「あまり気にするな。現に一緒にルミナシアに行った私達も唖然としたんだ」
それで肝心の核心について入り自身が知った事実に加え推測を交え口にするハロルドだが、あまりにも段違いに話が大きくなってるその様子にリグレットは頭を疲れたように振りクラトスが一応のフォローを入れる・・・流石にここまで話が壮大になってしまえばどう思えばいいか、わからなかったようだ。
「まぁこの辺りは色々複雑だから単純に考えといた方がいいわよ、世界の繋がりがあることは。それとも聞きたい?全ての因果関係に密接して起こる事変がどう絡み付いてるかの説明を一個一個詳しく♪」
『遠慮する。それら全てを聞いた所でまず理解出来ずにギブアップするのがオチだ』
「あら、残念ね~。説明する準備はしてたのに」
そんな姿にハロルドは一応単純に考えるように言うが嬉々として話を始め出さんとする様子に、イクティノスから即行で拒否を返されさして残念そうに見せず残念と言う。
「しかしそんな世界があったとは思いませんでしたが・・・ちなみにルークもいたと言っていましたが、彼はレプリカとして産まれたのですか?それと僕の姿もあったのですか?」
「ん~ん、別にルークはレプリカとしてじゃなくれっきとしたアッシュの兄として居たわよ。イオンについては会っちゃいないけど、多分いたんじゃないの?詳しく話を聞こうにもあんまり根掘り葉掘り聞くと向こうのティア達に怪しまれそうで面倒だったし」
「っ、ティア達もいたのですか?」
そこまで聞きイオンは興味をルークや自分について話題転換にハロルドに問うが、その関係性の傍らでティア達と聞き微妙そうに表情を曇らせる。
「そうよ。ま、世界が違うからライマって国一つにルーク達はまとめて属してるって事だったけどあんた達が旅をしてたっていう話の時と大体同じような関係性だったわよ。違うっていう点を上げるなら兄であるルークが明らかに好きあってるだろうアッシュを差し置き、ナタリアとの婚約を正式に結んでたって所ね」
「それは・・・僕達の知るようなアッシュであれば間違いなく不機嫌になり、ルークを罵っているでしょうね・・・」
「事実そうなってたわよ。本当の兄弟にルークとアッシュがなってたこと、それくらいが世界が違うことによる差異を差し引いた所で本当に唯一って言っていい違いだったし」
「そう、なんですか・・・それも因果関係があるから、なんですかね・・・」
「だと思うわよ。因果って因子の集まりで出来る物なんだけど、その因子が全く同じとは言わなくてもある程度同じのが揃ってないと同じ結果なんて出てこない物よ。その点因子の集まり方から見てルークという因果にはティア達という因子は少なからず関わってくるものだって私は見ているわ」
「そうですか・・・複雑ですね、色々と・・・」
そんな様子に状況を細かに説明するハロルドへイオンはその繋がりを微妙だと言うよう漏らすが、そうでなければルークという存在の形成に繋がらないと返されまた複雑だと言葉を漏らす以外に出来なかった。








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