交差する世界への考察と挑戦

「それでカイル達と別れを告げた後は次の世界に行ったわ。それでしばらく何個か世界を回ったんだけど、前にセネルに言ったようにこの世界と皆の世界に似たような共通点を持つ世界を回ったわ」
「共通点?」
「ハロルドが言ってたんだよ。ガルドや術の名前とか世界同士で共通する部分があるってな。ほら、ファーストエイドとかに代表される術のようにな」
「そうそう、そんな感じに似た術を使う世界だったりガルドの概念だったりね~」
「そう、なんですか・・・?」
ロニの事はさておきと話を続けるハロルドは共通点の概念について話をしてセネルも一応の補足をすると、イオンを始めとして一同が複雑そうに顔を歪める。
「まぁ色々世界を回って私が得た結論は後で言うけど、そうしてる内に私は到着したわ。セネルのいた世界に!」
「あの時は驚いたぞ・・・街中を歩いて見て回ってたらいきなり光が現れて、そこからハロルドが現れたんだからな・・・」
また気にせず話を続けるハロルドがセネルの世界に行ったことを切り出し、疲れたよう頭を下げ状況を口にする。
「・・・確か話を聞けばセネルの今住む場所は遺跡船という場所でしたが、大丈夫でしたか・・・?」
「大丈夫な訳ないだろ・・・それからすぐに見つかった俺はハロルドに遺跡船を案内しろって言われたんだけど、俺の仲間に見つかった時が厄介だったんだ。オールドラントに行ったことは説明はし終わってたんだが、ハロルドが来たことでまたどこかに行くんじゃないかってな・・・」
「心配されたんですか・・・いい仲間を持ったんですね」
「あぁ、それはよかったんだが納得には色々と時間がかかってな・・・ちょっと事情を説明してもらって相互理解したらなんとか落ち着いたんだよ、その場はな」
「その場は?」
イオンはたまらず心配そうに声をかけ仲間の優しさに笑みをこぼすが、セネルが意味深に漏らした声に首を傾げる。
「場が収まったまではよかったんだよ・・・けどそれからは正直面倒だった・・・遺跡船の中を引っ張られて連れ回されたし、仲間も色々不機嫌になったんだよ・・・」
「あぁ、それは・・・」
「いいじゃないの、結構楽しかったわよあんたのいた世界。遺跡船の構造は調べれば調べるほど興味深い物だったし、ウィルの遺跡や生物への講釈に関してはあっちもノリノリだったじゃない」
「その分シャーリィやクロエがかなり不機嫌になってたんだがな・・・それに次の世界に行くってなった時、俺を有無を言わさず巻き込んで飛んだもんだから帰るのが正直怖いんだよ・・・!」
色々溜まっていたのだろう、セネルも。散々振り回されてきただろう事を感情のままに絞り出すのだが、ハロルドは全く意に介した様子を見せずフリーダムに笑みを浮かべる。
「いいじゃないそれくらい、帰る時にちゃんと謝ってあげるわよ。勝手に連れてったことくらい」
「問題はお前が帰った後の事なんだよ・・・はぁ、まぁもういいよ」
「セネル・・・頑張ってください」
「・・・それを考えるとまだ私はましな方なのだろうな。とは言え役割があるから私も少し憂鬱なのだがな」
「クラトスさん・・・」
全く堪えてないハロルドに頭をより下げるセネルにイオン達は同情の視線を強めるが、続いたクラトスの声に今度はそちらに視線が集まる。








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