交差する世界への考察と挑戦
・・・それからハロルドは自分の部屋にこもり、ほとんどの時間を研究へと注ぎ込んだ。その様子にアトワイトなどはしきりにハロルドを心配していたが、ディムロスの言葉により最低限の接触に留まるに至った。どうせという言い方もなんだが、言っても聞かないのがハロルドなのだから。
・・・それで研究を重ねること数ヶ月、流石にヒントを得ているハロルドでも難儀こそしたがようやくその研究に目処が立った。
「・・・やったわ~、完成よ~!レンズエネルギーだけじゃ流石に不安だからどんなエネルギーにでも対応出来るように第七音素の塊を使って実験してきたけど、この装置なら時間移動も時空移動もその世界のエネルギーをペンダントが自動的に確保してくれるわ~!」
自室の中、とうとう完成したペンダント型の装置を持ち上げはしゃぐハロルド・・・実は時空移動に関しては比較的早目に理論は確立していたが、流石にそこまでのことを何度もするには多大なエネルギーが必要になる。神の眼ほどのでかさに質ならまた話は別だろうが、ソーディアン用のコアレンズがいくつあっても足りないくらいに。ハロルドからしてみればそんなエネルギー不足などという初歩中の初歩の見落としで何も出来なくなるなどという事態を避けたかったがため、今まで研究を重ねていたのだ。
「・・・騒がしいぞハロルド」
「あらディムロスちょうどよかった!研究が完成したから私行くわ!」
「・・・滅多に声が聞こえてくることもなかったからもしやとは思ったが、やはりそう言うことか」
「そう言うこと!」
そこにディムロスが迷惑だと入室してきたが、全く気にせず笑顔を見せ出発を切り出すハロルドに薄々と予感はしていたと疲れたような笑みを見せる。
「・・・ならせめて今度くらいは皆に挨拶をしてから行け、ハロルド。私が知っているとは言えいきなりいなくなるのは好ましい事ではないぞ」
「めんどくさいわね~・・・まぁいいわ、しばらく顔を見せないんだしちょっと挨拶してくるわ。あんたは戻るなりなんなりしていいわよ」
そしてその顔のまま挨拶をするよう勧めるディムロスにハロルドは頭をかきながらもそうすると答え、その横を通り抜けて部屋を出ていく。
「・・・本当に変わった物だな、ハロルド。このような義理立ての行動などはそれこそ面倒の一言で何もせず終わらせただろうに・・・」
ディムロスはそのまま立った状態でそっと呟く、以前になかったハロルドのその姿に。
「・・・まぁいい。元々ハロルドがソーディアンを作ったりイクシフォスラーを作ったりしていたのはあくまで戦争という状況が求め、ハロルドも戦争に勝たなければ何も出来ないと理解していたからだ。これ以上こちらの都合だけでハロルドを留めておく事は私達には出来んだろうし、ハロルド自身が嫌がるだろう。そう考えればこの辺りでハロルドの好きにさせるのが筋だろう、いくばくか変わったハロルドの姿を好ましいと私達が思うくらいで済ませる形でな・・・」
そして寂しそうにしながらもこれがあるべき姿だとディムロスは呟く・・・天地戦争という状況下でだからこそハロルドは生きるためと研究をするためという目的が合致して地上軍の一員になったが、それも必要にかられての事。それが無くなればハロルドは自由にすることが自然と、自分達の元から離れる事はある意味当然の成り行きと思いながら・・・
・・・ハロルドと旅を共にしてきたディムロスだからこそ得られた感覚だろう考えを抱きながらも、ハロルドはそんな考えなど気にせずアトワイト達地上軍の上層部に挨拶を交わした後光に包まれ生まれ育った世界を後にしていった・・・
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・・・それで研究を重ねること数ヶ月、流石にヒントを得ているハロルドでも難儀こそしたがようやくその研究に目処が立った。
「・・・やったわ~、完成よ~!レンズエネルギーだけじゃ流石に不安だからどんなエネルギーにでも対応出来るように第七音素の塊を使って実験してきたけど、この装置なら時間移動も時空移動もその世界のエネルギーをペンダントが自動的に確保してくれるわ~!」
自室の中、とうとう完成したペンダント型の装置を持ち上げはしゃぐハロルド・・・実は時空移動に関しては比較的早目に理論は確立していたが、流石にそこまでのことを何度もするには多大なエネルギーが必要になる。神の眼ほどのでかさに質ならまた話は別だろうが、ソーディアン用のコアレンズがいくつあっても足りないくらいに。ハロルドからしてみればそんなエネルギー不足などという初歩中の初歩の見落としで何も出来なくなるなどという事態を避けたかったがため、今まで研究を重ねていたのだ。
「・・・騒がしいぞハロルド」
「あらディムロスちょうどよかった!研究が完成したから私行くわ!」
「・・・滅多に声が聞こえてくることもなかったからもしやとは思ったが、やはりそう言うことか」
「そう言うこと!」
そこにディムロスが迷惑だと入室してきたが、全く気にせず笑顔を見せ出発を切り出すハロルドに薄々と予感はしていたと疲れたような笑みを見せる。
「・・・ならせめて今度くらいは皆に挨拶をしてから行け、ハロルド。私が知っているとは言えいきなりいなくなるのは好ましい事ではないぞ」
「めんどくさいわね~・・・まぁいいわ、しばらく顔を見せないんだしちょっと挨拶してくるわ。あんたは戻るなりなんなりしていいわよ」
そしてその顔のまま挨拶をするよう勧めるディムロスにハロルドは頭をかきながらもそうすると答え、その横を通り抜けて部屋を出ていく。
「・・・本当に変わった物だな、ハロルド。このような義理立ての行動などはそれこそ面倒の一言で何もせず終わらせただろうに・・・」
ディムロスはそのまま立った状態でそっと呟く、以前になかったハロルドのその姿に。
「・・・まぁいい。元々ハロルドがソーディアンを作ったりイクシフォスラーを作ったりしていたのはあくまで戦争という状況が求め、ハロルドも戦争に勝たなければ何も出来ないと理解していたからだ。これ以上こちらの都合だけでハロルドを留めておく事は私達には出来んだろうし、ハロルド自身が嫌がるだろう。そう考えればこの辺りでハロルドの好きにさせるのが筋だろう、いくばくか変わったハロルドの姿を好ましいと私達が思うくらいで済ませる形でな・・・」
そして寂しそうにしながらもこれがあるべき姿だとディムロスは呟く・・・天地戦争という状況下でだからこそハロルドは生きるためと研究をするためという目的が合致して地上軍の一員になったが、それも必要にかられての事。それが無くなればハロルドは自由にすることが自然と、自分達の元から離れる事はある意味当然の成り行きと思いながら・・・
・・・ハロルドと旅を共にしてきたディムロスだからこそ得られた感覚だろう考えを抱きながらも、ハロルドはそんな考えなど気にせずアトワイト達地上軍の上層部に挨拶を交わした後光に包まれ生まれ育った世界を後にしていった・・・
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