交差する世界への考察と挑戦

・・・それで一行は闘技場に着き、個人団体共にメンバーを順調に替えつつ勝ち進めていった。この辺りはルーク達全員が戦闘経験豊富でいて歴戦の戦士揃いだからこその結果と言えた。












「・・・よっしゃ!勝ち抜きっと!」
「ん~、気持ちよかった~」
・・・それで闘技場でメンバーを替えつつ戦っていたルーク達は何度目かの団体戦上級を勝ち抜き、笑顔を見せていた。
「んじゃ行くか、そろそろ」
「そうだね、結構戦ってきた事だし」
『ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁっ!帰るのはまだ早い!お前達の戦いを見て乱入者が現れたぞ!』
「え?何々?面白そうじゃない!」
「乱入者か・・悪くない演出だな」
ルークはそこで終わろうと切り出しウッドロウも同意したが、興奮気味に乱入者とアナウンスが入ってきたことにハロルドとクラトスがテンションに差はあれど悪くないと興味を示す。
『さぁさぁ、係員に回復をさせるからお前達は戦いに集中してくれ!言っておくが、こいつらは手強いぞ!』
続いた熱のあるアナウンスから係員が脇から現れ、その回復を受けたルーク達は敵の出てくるであろう入口を見据える。
『準備は出来たな?・・・よし、出てこい!試合開始だ!』
「・・・なっ!?フィリア君、君が何故ここに・・・!?」
「ナナリー!・・・ウッドロウ、多分残りの二人も含めて本物じゃあるけど本物じゃないわ。説明は後でするから今は気にせず戦いましょう。じゃないとキツい戦いになるわよ」
「・・・そうだね。では行こうか!」
・・・だが続いたアナウンスと出てきた人間の顔にウッドロウとハロルドの二人が驚愕に顔を染めた。フィリアとナナリー、各々の知り合いが何故か見知らぬ人間二人と共に現れたが為に。



だがハロルドは名前を呼んで反応がないことからすぐさま冷静にウッドロウに声をかけ、気持ちを落ち着かせたウッドロウもまた戦いに集中せんと目の前の四人へと視線を向ける。















・・・そこから戦いは今までの闘技場の戦いにない程に激しく熱い物となったが、次第にルーク側の優勢の物へと変わっていった。その核として活躍したのは・・・クラトスだ。

理由としては向こうのパーティーメンバーはバランスの取れた面々で構成されていてルーク達と似たような構成だったのだが、その構成に当てはめていくとどうしても向こうからしてのクラトスの役割がいなかったからだ。ルークに対する赤い髪のヘソだし男(名前はリッドとハロルドが嬉々としてスペクタクルズを使ったことから判明した)くらいが精々前衛を務めていて残りのメンバーはいいところ中衛が出来るナナリーくらいで、残り二人は完全な後衛・・・このメンバー構成でクラトスに対するのは些か無理があった。

まず一人は看護服の女性(こちらの名前はミントで、こちらもハロルドが嬉々としてスペクタクルズを使ったことから名前は判明した)がクラトスにより倒され、次にハロルドと戦っていたフィリアがクラトスの加勢を受け倒れた。この時点で四対二・・・相手側に勝機が来るはずもなかった。









「・・・ふぅ」
「お疲れ様でした、皆さん・・・どうしたんですか、皆さん?」
・・・そしてその後、乱入者達を倒したルーク達は盛大な歓声を受けて退出してきたわけだが少し微妙な空気になっていた。その空気に受付で待っていたイオンは首を傾げる。
「いや、ウッドロウにハロルドの話だとさっき戦った中の二人が知り合いだって言うんだよ」
「っ・・・そう、なんですか?」
「あぁ、なんでこうなったのかは分からないんだが・・・」
「詳しい事は闘技場の管理人に聞けばいいじゃないって事で話が進んだのよ。私も是非ナナリーが出てきたのかって知りたいしね」
「成程・・・」
ルークが何があったのかを説明を始めウッドロウにハロルドと言葉が続いたことに、イオンだけでなくセネル達も事が事なだけに重々しく頷く。







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