必然は偶然、偶然は必然 epilogue
「ま、どっちにしたって事態が動くのはこっから先からってことだ。お前なら話していいことかそうでないことの区別はつくだろうし今は楽しんでいけよサフィール。難しい事は考えずな」
「・・・そうですね、ではそうしますか」
じゃれあい・・・そういったほのぼのとした空気を一旦閉め出しルークはサフィールに暗に言いたいことは言ったからと後は私的な話にしようと笑顔で持ちかける。そう言われたサフィールもまた微笑を持って了承を返した。
・・・その後、ルーク達は色々な話を様々にしてその時の交流会を終えた。
それで数日間サフィールはルークの成人の儀を祝うためにバチカルに滞在していたが、交流会以降はルークも時間を取る暇がなくグランコクマに戻る日になるまでは少しずつくらいしか顔を合わせる時間もなく、イオン達も忙しかった為にロクに会話を交わすことなく程なくしてマルクトの一団はバチカルを後にしていった。
「・・・民主政治に商業自治区化、か。相当な事を考えていたんだな。ルークという人物に導師は」
「えぇ、うまくいくかどうかは別にしても・・・いえ、失敗すれば影響がマルクトにも及びかねない為にうまくいって欲しいのですが、変わらなければならないという考えには納得出来ました」
・・・そして戻ってきたグランコクマのピオニーの部屋で、サフィールは報告を終えた上で自身の感想を述べた。対するピオニーの顔には固い物があった。
「対してマルクトは現状を維持するには俺が結婚しなければならない、と来たか・・・」
「恐れながら具申させていただきますが、結婚を含めた上でのマルクトの指針はどのように遅くとも今年中には決めねばならぬと私は思っています。特に結婚をして次代の御子をお作りになるには、陛下のお歳を考えた上で後になればなるほど辛い事になるかと思われます」
「・・・次代、か・・・マルクトももう、そのようなことと対せねばならないと言うことか・・・嫌が上にも・・・」
「・・・陛下。これは言葉が過ぎるかと思いますが、言わせていただきます・・・下手をすれば自分の子供と言える年齢の者達が世界に国の為に奔走しようとしているのに、貴方は自らの気持ちを優先してマルクトを無為に混乱させて潰えさせるつもりですか?」
「何だと、サフィー・・・!?」
その顔が固い理由は自身の結婚に関する問題もあるからでありそれが次代に繋がるからでもあるが、そんな様子を見かねたのかサフィールの臣下としては考えられない厳しい言葉にピオニーは睨み付けるように顔を向けると・・・そこにあったサフィールの顔があまりにも怖いほど真剣であった為、それ以上は何も言えなかった。
「陛下・・・貴方がネフリーに未だに懸想しているからこそ、結婚に踏み切るような考えに至りにくいというお気持ちは分かります。ただいつまでそれを引きずるというのですか?・・・もう目を覚ましてください。失恋による恋煩いをこじらせたままでいる時は終わるべきなんです。なのに若者達が前を向こうと必死にやっているというのに、一人しかいないマルクトの皇族の貴方が何を足踏みしているのですか?」
「・・・サフィール・・・」
「・・・もし貴方に何か考えがありルーク殿や導師のようにマルクトを終わらせても大丈夫という案があるなら、それに賭けて貴方は結婚しないで終わらせると言うことも出来るでしょう。しかし貴方にはその考えはないはず・・・ならばせめて貴方が行うべきはマルクトの為に次代を担う者達を育て、繋ぐことではないのですか?・・・違いますか、ピオニー?」
「っ!・・・それは、確かにそうだな・・・」
・・・ルーク達から言われたこともあってであろうが、サフィールの言葉には真にピオニーにマルクトの未来への想いが確かに込められていた。
静かだが熱が入っていき心に訴えかける言葉は次代に幼なじみの物へと変わっていったが、ピオニーはその事を指摘出来ずにただ衝撃を受けて俯きサフィールの言葉に頷く以外に出来なかった。
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「・・・そうですね、ではそうしますか」
じゃれあい・・・そういったほのぼのとした空気を一旦閉め出しルークはサフィールに暗に言いたいことは言ったからと後は私的な話にしようと笑顔で持ちかける。そう言われたサフィールもまた微笑を持って了承を返した。
・・・その後、ルーク達は色々な話を様々にしてその時の交流会を終えた。
それで数日間サフィールはルークの成人の儀を祝うためにバチカルに滞在していたが、交流会以降はルークも時間を取る暇がなくグランコクマに戻る日になるまでは少しずつくらいしか顔を合わせる時間もなく、イオン達も忙しかった為にロクに会話を交わすことなく程なくしてマルクトの一団はバチカルを後にしていった。
「・・・民主政治に商業自治区化、か。相当な事を考えていたんだな。ルークという人物に導師は」
「えぇ、うまくいくかどうかは別にしても・・・いえ、失敗すれば影響がマルクトにも及びかねない為にうまくいって欲しいのですが、変わらなければならないという考えには納得出来ました」
・・・そして戻ってきたグランコクマのピオニーの部屋で、サフィールは報告を終えた上で自身の感想を述べた。対するピオニーの顔には固い物があった。
「対してマルクトは現状を維持するには俺が結婚しなければならない、と来たか・・・」
「恐れながら具申させていただきますが、結婚を含めた上でのマルクトの指針はどのように遅くとも今年中には決めねばならぬと私は思っています。特に結婚をして次代の御子をお作りになるには、陛下のお歳を考えた上で後になればなるほど辛い事になるかと思われます」
「・・・次代、か・・・マルクトももう、そのようなことと対せねばならないと言うことか・・・嫌が上にも・・・」
「・・・陛下。これは言葉が過ぎるかと思いますが、言わせていただきます・・・下手をすれば自分の子供と言える年齢の者達が世界に国の為に奔走しようとしているのに、貴方は自らの気持ちを優先してマルクトを無為に混乱させて潰えさせるつもりですか?」
「何だと、サフィー・・・!?」
その顔が固い理由は自身の結婚に関する問題もあるからでありそれが次代に繋がるからでもあるが、そんな様子を見かねたのかサフィールの臣下としては考えられない厳しい言葉にピオニーは睨み付けるように顔を向けると・・・そこにあったサフィールの顔があまりにも怖いほど真剣であった為、それ以上は何も言えなかった。
「陛下・・・貴方がネフリーに未だに懸想しているからこそ、結婚に踏み切るような考えに至りにくいというお気持ちは分かります。ただいつまでそれを引きずるというのですか?・・・もう目を覚ましてください。失恋による恋煩いをこじらせたままでいる時は終わるべきなんです。なのに若者達が前を向こうと必死にやっているというのに、一人しかいないマルクトの皇族の貴方が何を足踏みしているのですか?」
「・・・サフィール・・・」
「・・・もし貴方に何か考えがありルーク殿や導師のようにマルクトを終わらせても大丈夫という案があるなら、それに賭けて貴方は結婚しないで終わらせると言うことも出来るでしょう。しかし貴方にはその考えはないはず・・・ならばせめて貴方が行うべきはマルクトの為に次代を担う者達を育て、繋ぐことではないのですか?・・・違いますか、ピオニー?」
「っ!・・・それは、確かにそうだな・・・」
・・・ルーク達から言われたこともあってであろうが、サフィールの言葉には真にピオニーにマルクトの未来への想いが確かに込められていた。
静かだが熱が入っていき心に訴えかける言葉は次代に幼なじみの物へと変わっていったが、ピオニーはその事を指摘出来ずにただ衝撃を受けて俯きサフィールの言葉に頷く以外に出来なかった。
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