必然は偶然、偶然は必然 epilogue
「・・・しかしその考えによく賛同しましたね、導師。確かにこれはよく出来た案だとは思いますが・・・」
「ダアトを変える、いえ変えなければならない時が近いからでもあるんです。そしてこの状況においてそれが一番、そう判断したが故です。そしてそれはリグレットも賛同したものでもあります」
「リグレットも?・・・そう言えば彼女の姿が見えませんが、彼女はダアトに残っているんですか?」
それでサフィールはイオンに視線を向けて思いきりの良さに感心するが、自身もリグレットも納得と言ったことにふとキョロキョロと辺りに視線を向ける。改めて見てみて、このメンバーにリグレットがいないことに。
「えぇそうですよ。身重の身の彼女を流石に無理をさせるわけにはいきませんからね」
「そうで・・・身重?」
イオンがその問いに何気なく答えサフィールは納得しかけるが、途中で声を止める。身重という単語に引っ掛かり。
「あぁ、すまなかった。貴方にはこの事を言っていなかったね」
「リグレット改めジゼル=オスロー、彼女は私と結婚してジゼル=ケルヴィンになったんだ。そしてもうしばらくしたら子供も生まれることになる」
「・・・・・・はあぁぁぁぁぁぁっ!?」
・・・おそらく今回一番であろう衝撃に驚きがサフィールを襲った。ウッドロウからの報告にたまらずサフィールは椅子から立ち上がり、顔中の穴という穴をかっ開いて大きな叫び声を上げた。
「おわっ!・・・気持ちはわかっけど落ち着けよ、サフィール。話くらい聞かないとどうとも言えないだろ?」
「っ・・・えぇ、すみません・・・取り乱しました・・・」
一同はその場で耳を抑えながらルークがなんとかなだめるように声をかけ、サフィールもハッとしたよう周りに謝って椅子に座り直す。
「・・・さて、少し落ち着いた所で改めて聞きますが結婚・・・されたんですね、貴殿方は?」
「あぁ、そうだ」
「まだ正直私も信じきれていないのが実情ですが・・・どうしてそうなったのですか?」
「・・・それについてだが、実はフローリアンがきっかけなんだ」
「フローリアン?・・・貴殿方から話は聞いていたのでその存在は知っていますが、そのフローリアンが二人を結ばせたというんですか?」
「そう言うことになる」
そしてゆっくりと事実確認をしていくサフィールだが、フローリアンという意外な名前が出てきた事に首を傾げる。
「元々私はフローリアンの保護者をしていたんだ。彼の身元をはっきりさせるためにね。そんな中でジゼルも私と一緒にフローリアンの面倒を見てくれたりもしたのだが、そんな時に言われたのだ。『二人は結婚はしてないの?』とね」
「それはまた、随分と直接的な言い方ですね。幼いからこそ言える言葉ではあるのでしょうが・・・」
「あぁ、私もそう思った。だが飾らず正直な言葉だからこそ心に響く・・・事実私は動揺をしたし、ジゼルは私以上に動揺をして顔を真っ赤にしていたよ」
「あのリグレットが、ですか・・・」
「微笑ましい気持ちと共に愛おしいという気持ちが浮かんだよ、その姿にね」
『後からその時の事について話を聞いたが、俺としても悪い気はしなかったな。そしてそこからジゼルが更に親密に接触をしてきたが、ウッドロウもそれに負けじと対応し最後にはウッドロウから言い出したんだ。結婚の事をな』
「イクティノス、そこまでにしてくれ。流石に私もここまで言われてしまえば恥ずかしい」
それでフローリアンのきっかけの言葉からどのように結婚にまで行き着いたのか・・・一番身近にいて沈黙を守っていたイクティノスまでもが参戦してきたことに、ウッドロウも黒い肌を少し赤く染めながら気恥ずかしげに制止をかける。
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「ダアトを変える、いえ変えなければならない時が近いからでもあるんです。そしてこの状況においてそれが一番、そう判断したが故です。そしてそれはリグレットも賛同したものでもあります」
「リグレットも?・・・そう言えば彼女の姿が見えませんが、彼女はダアトに残っているんですか?」
それでサフィールはイオンに視線を向けて思いきりの良さに感心するが、自身もリグレットも納得と言ったことにふとキョロキョロと辺りに視線を向ける。改めて見てみて、このメンバーにリグレットがいないことに。
「えぇそうですよ。身重の身の彼女を流石に無理をさせるわけにはいきませんからね」
「そうで・・・身重?」
イオンがその問いに何気なく答えサフィールは納得しかけるが、途中で声を止める。身重という単語に引っ掛かり。
「あぁ、すまなかった。貴方にはこの事を言っていなかったね」
「リグレット改めジゼル=オスロー、彼女は私と結婚してジゼル=ケルヴィンになったんだ。そしてもうしばらくしたら子供も生まれることになる」
「・・・・・・はあぁぁぁぁぁぁっ!?」
・・・おそらく今回一番であろう衝撃に驚きがサフィールを襲った。ウッドロウからの報告にたまらずサフィールは椅子から立ち上がり、顔中の穴という穴をかっ開いて大きな叫び声を上げた。
「おわっ!・・・気持ちはわかっけど落ち着けよ、サフィール。話くらい聞かないとどうとも言えないだろ?」
「っ・・・えぇ、すみません・・・取り乱しました・・・」
一同はその場で耳を抑えながらルークがなんとかなだめるように声をかけ、サフィールもハッとしたよう周りに謝って椅子に座り直す。
「・・・さて、少し落ち着いた所で改めて聞きますが結婚・・・されたんですね、貴殿方は?」
「あぁ、そうだ」
「まだ正直私も信じきれていないのが実情ですが・・・どうしてそうなったのですか?」
「・・・それについてだが、実はフローリアンがきっかけなんだ」
「フローリアン?・・・貴殿方から話は聞いていたのでその存在は知っていますが、そのフローリアンが二人を結ばせたというんですか?」
「そう言うことになる」
そしてゆっくりと事実確認をしていくサフィールだが、フローリアンという意外な名前が出てきた事に首を傾げる。
「元々私はフローリアンの保護者をしていたんだ。彼の身元をはっきりさせるためにね。そんな中でジゼルも私と一緒にフローリアンの面倒を見てくれたりもしたのだが、そんな時に言われたのだ。『二人は結婚はしてないの?』とね」
「それはまた、随分と直接的な言い方ですね。幼いからこそ言える言葉ではあるのでしょうが・・・」
「あぁ、私もそう思った。だが飾らず正直な言葉だからこそ心に響く・・・事実私は動揺をしたし、ジゼルは私以上に動揺をして顔を真っ赤にしていたよ」
「あのリグレットが、ですか・・・」
「微笑ましい気持ちと共に愛おしいという気持ちが浮かんだよ、その姿にね」
『後からその時の事について話を聞いたが、俺としても悪い気はしなかったな。そしてそこからジゼルが更に親密に接触をしてきたが、ウッドロウもそれに負けじと対応し最後にはウッドロウから言い出したんだ。結婚の事をな』
「イクティノス、そこまでにしてくれ。流石に私もここまで言われてしまえば恥ずかしい」
それでフローリアンのきっかけの言葉からどのように結婚にまで行き着いたのか・・・一番身近にいて沈黙を守っていたイクティノスまでもが参戦してきたことに、ウッドロウも黒い肌を少し赤く染めながら気恥ずかしげに制止をかける。
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