必然は偶然、偶然は必然 epilogue
「いいか?ホド以降のキムラスカとマルクトはお前の言ったように各地で小競り合いが起きて、にらみ合いが続く程度には仲は悪いと言えた。それこそ変に事態がこじれればホド以上の戦争の戦端になりかねないほどの状態でだ・・・その事はお前も程度の差はあっても知っていただろう。何せファブレ邸というキムラスカの重鎮の元に潜んでいたのだからな・・・それを踏まえて復讐という観点で見れば、お前は遅くともホドが滅びて10年内にはマルクトには戻っていた方がよかった」
「っ・・・それは、何故・・・?」
「理由は他にも様々あるが、マルクトの後ろ楯を得ると共に公然とキムラスカとファブレに復讐する機会を得られたからだ」
「!?」
・・・後ろ楯に公然の復讐、そう聞きガイの表情が驚愕の表情に変わった。そんなこと考えてもいなかったと。
しかし皇帝としてらしくない発言ということを自覚してか、少しバツが悪そうに表情を歪める。
「無論、これはあくまで例え話だ。国のトップである俺が復讐を肯定することなど本来あってはならんことだが、それを本人の心の中に秘めて沸々と動くくらいなら誰にも咎められることはない・・・俺はそう言いたかっただけだ」
「・・・マルクトの後ろ楯とは、それはどういう意味ですか・・・?」
「・・・成程、それどころじゃないということか」
それですぐに訂正を入れるピオニーだが、ガイが呆然とその意味を教えて欲しいと言ってきたその姿に小声で余程の衝撃だったのだと感じて呟いていた。
「いいだろう。聞きたいというなら答えてやるが、復讐をしたいと公言するような奴を国はわざわざ召し抱えたいと思わない。わざわざ様々な意味で火種となりかねん奴を抱え込みたくはないからな・・・しかしそれが本心を隠した上で国の為に動く人物、となれば話は別になる・・・確かにガルディオスという名はホドの事もあり、マルクトからすれば報復の為の代名詞として見られかねん。だがそれがやむを得ずの応戦、という形でガルディオスの遺児が出陣という形でならどうだ?それは復讐と呼べるか?」
「それは・・・呼ばれないと思います、やむを得ずという形なら・・・」
「そうだ。まぁこちらから仕掛ける時もあったり迎撃するだけにしても復讐だなんだと言う輩もいるだろうが、国の命令に従事する姿があれば少なくとも表立ってお前をなじる輩は出てこないだろう。そしてその状況であったなら、戦況を自身の力で切り開いたらその先に見えただろうな・・・ファブレ公爵という、敵の存在が」
「!!」
その姿を認めた上でいかに自分の言うことを前提にマルクトに戻ればよかったのか、そう語る上で最後にファブレ公爵に辿り着けた可能性を提示するピオニーにガイの目が最大限に見開かれた。
「まぁ現実ではそこまでの規模に至るほどの戦いはホド以降はなかった・・・あぁ預言にはマルクトが滅ぼされる戦争が詠まれていた訳だが、とにかく起きることはなかった。だがもしお前が戦場でキムラスカを追い詰める程の活躍をしたなら、ファブレ公爵も姿を現した可能性はあっただろうな。そうしてお前がファブレ公爵を討ったなら、晴れてお前は敵を討てた上にマルクトの功労者となれたと言うわけだ」
「そんな・・・そんな未来があった、だなんて・・・」
「ただこれはあくまでも仮定の話だ。現にお前はマルクトに戻ってくるような事などなかったのだからな、今に当てはめて見たところで意味などない。それに言っただろう、遅くともホドが滅びて10年内にはマルクトに戻る必要があったと・・・だがこれまでマルクトに自分が生きていることすら伝えようとしなかったお前に、ガルディオスの名を冠する事もガルディオスを復興する事などマルクトからすれば到底許されることではない・・・!」
「っ・・・!?」
しかしそう考えることは最早無意味とピオニーは告げるが、ガイは自身にとってそのあまりにも都合の良すぎる仮定に愕然とした声を上げるだけ。そんな姿にピオニーは静かに威圧を含めてガイを見据える。ガルディオスとして認めないと告げた上で恐怖させ。
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「っ・・・それは、何故・・・?」
「理由は他にも様々あるが、マルクトの後ろ楯を得ると共に公然とキムラスカとファブレに復讐する機会を得られたからだ」
「!?」
・・・後ろ楯に公然の復讐、そう聞きガイの表情が驚愕の表情に変わった。そんなこと考えてもいなかったと。
しかし皇帝としてらしくない発言ということを自覚してか、少しバツが悪そうに表情を歪める。
「無論、これはあくまで例え話だ。国のトップである俺が復讐を肯定することなど本来あってはならんことだが、それを本人の心の中に秘めて沸々と動くくらいなら誰にも咎められることはない・・・俺はそう言いたかっただけだ」
「・・・マルクトの後ろ楯とは、それはどういう意味ですか・・・?」
「・・・成程、それどころじゃないということか」
それですぐに訂正を入れるピオニーだが、ガイが呆然とその意味を教えて欲しいと言ってきたその姿に小声で余程の衝撃だったのだと感じて呟いていた。
「いいだろう。聞きたいというなら答えてやるが、復讐をしたいと公言するような奴を国はわざわざ召し抱えたいと思わない。わざわざ様々な意味で火種となりかねん奴を抱え込みたくはないからな・・・しかしそれが本心を隠した上で国の為に動く人物、となれば話は別になる・・・確かにガルディオスという名はホドの事もあり、マルクトからすれば報復の為の代名詞として見られかねん。だがそれがやむを得ずの応戦、という形でガルディオスの遺児が出陣という形でならどうだ?それは復讐と呼べるか?」
「それは・・・呼ばれないと思います、やむを得ずという形なら・・・」
「そうだ。まぁこちらから仕掛ける時もあったり迎撃するだけにしても復讐だなんだと言う輩もいるだろうが、国の命令に従事する姿があれば少なくとも表立ってお前をなじる輩は出てこないだろう。そしてその状況であったなら、戦況を自身の力で切り開いたらその先に見えただろうな・・・ファブレ公爵という、敵の存在が」
「!!」
その姿を認めた上でいかに自分の言うことを前提にマルクトに戻ればよかったのか、そう語る上で最後にファブレ公爵に辿り着けた可能性を提示するピオニーにガイの目が最大限に見開かれた。
「まぁ現実ではそこまでの規模に至るほどの戦いはホド以降はなかった・・・あぁ預言にはマルクトが滅ぼされる戦争が詠まれていた訳だが、とにかく起きることはなかった。だがもしお前が戦場でキムラスカを追い詰める程の活躍をしたなら、ファブレ公爵も姿を現した可能性はあっただろうな。そうしてお前がファブレ公爵を討ったなら、晴れてお前は敵を討てた上にマルクトの功労者となれたと言うわけだ」
「そんな・・・そんな未来があった、だなんて・・・」
「ただこれはあくまでも仮定の話だ。現にお前はマルクトに戻ってくるような事などなかったのだからな、今に当てはめて見たところで意味などない。それに言っただろう、遅くともホドが滅びて10年内にはマルクトに戻る必要があったと・・・だがこれまでマルクトに自分が生きていることすら伝えようとしなかったお前に、ガルディオスの名を冠する事もガルディオスを復興する事などマルクトからすれば到底許されることではない・・・!」
「っ・・・!?」
しかしそう考えることは最早無意味とピオニーは告げるが、ガイは自身にとってそのあまりにも都合の良すぎる仮定に愕然とした声を上げるだけ。そんな姿にピオニーは静かに威圧を含めてガイを見据える。ガルディオスとして認めないと告げた上で恐怖させ。
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