必然は偶然、偶然は必然 epilogue

「ホドが滅びたときに生き延びる事が出来た、か・・・お前のその発言をそのまま受け取りその後の行動を推測するなら、崩落の後にキムラスカのバチカルに行ったんだな?ファブレに対して復讐をするために」
「は、はい・・・」
続けて後の行動についての確認を取るピオニーにガイは圧されつつも正直に頷く。
「ふぅ・・・成程、お前はガルディオスの家に名誉を守り立て直す事よりも復讐を選んだと言うわけか」
「っ・・・そ、そう言うわけではありません!俺はただ、ガルディオスを滅ぼしたファブレが憎くて・・・!」
「それがガルディオスを捨てたと取られてもおかしくないと言っているのが分からないのか、お前は?」
「え・・・?」
そんな返答に嘆息を一つ吐きピオニーは行動の意味を把握したと告げるが、ガイはそう取られて欲しくないとたまらず声を上げる。だが取った行動はそれを否定していると告げられ、何をと戸惑い止まる。
「いいか?ガルディオスの人間と言うお前の立場からすれば確かにファブレ公爵は許せない立場にいる者だった事だろう。だがそれで私怨に身を投じ、ファブレの家にまで潜り込む事・・・これのどこにガルディオスの為や大義と言った言葉がある?全てお前がただ復讐をしたいという気持ちの現れだろうが」
「っ!・・・そ、それは否定出来ません・・・で、ですがそうでもしなければファブレを滅ぼすことなど出来なかったから・・・それで・・・」
「ファブレに潜り込む事を選んだ、か・・・愚か、いやあまりにも幼い判断だな。これも子供のままに決めたことをただ直進してきた事の結果か」
「え・・・陛下、一体何を・・・?」
それでいかに個人の感情のみを優先してるのかを告げるが、ガイはそれではファブレを滅ぼせないからと食い下がるように反論をしてくる。だがその考えを子供の幼い考えと断じたピオニーに、再度戸惑いにガイは止まる。
「ならお前にも分かるように段階を踏んで質問してやるが、お前はマルクトとキムラスカの仲はどうだと聞いていた?ルークという人物がタタル渓谷に飛ばされるまでの事でいい、答えろ」
「それは、犬猿の仲だと聞いていました・・・」
「結構。なら次の質問に行くが、ホド戦争以降全く争いが二国間で起こらなかったと聞いてるか?」
「・・・いえ、ローテルロー橋の戦いを始めに小規模な戦いは各地で起きていたと聞きました」
「そうか・・・そもそもを言うなら元々マルクトとキムラスカはホドの事が無くとも、あまり良好な仲とは言えなかった。その事は当時子供だったお前も聞いていただろう」
「・・・はい、一応そう教育を受けていました」
「そうか・・・だからこそお前の行動に判断が幼稚だと俺は言っているんだ」
「えっ・・・!?」
それで質問を開始しその問いに答えていくガイだが、唐突に最後にそれが幼稚と告げられたことに驚愕せざるを得なかった。
「お前はファブレへの復讐を確実に為す為にファブレへの潜入を試み、それが成功したからそうしようと決めたのだろう・・・だがそれはガルディオスの人間として取るべき行動ではなかった。少なくともガルディオスの名を名乗るべきじゃなかったんだよ。本当にガルディオスの名誉の事を考えたのならな」
「そんな、どうして・・・?」
「それは明らかにお前が私怨を拗らせたと証明してしまったからだ」
そしてピオニーは話を続ける、いかにガイがガルディオスとして愚かしい行動を取ったのかを。










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